10月からネコポスが再販売! でもある条件が・・・気になる今後の展開

小寺淳一

小寺淳一

テーマ:最新レポート 通販を取り巻く環境

※9/29に一度公開した際に情報の誤りがございましたので修正して再掲載しております。大変申し訳ございません。


長距離トラック

ヤマト運輸がメール便サービス・ネコポスが一部地域で切り替えを行っておりましたが、
2025年1月末までの期間限定ではあるものの再販売を行います。
現在一部地域で旧ネコポスから日本郵便OEM商品である「クロネコゆうパケット」に順次変えて販売しており、10月から残りの地域である関東(東京以外)が切り替えになるところでしたが、この10月のタイミングでネコポスを再販売する流れとなります。
※クロネコゆうパケットも使うことは出来るようです。

一度切り替えたものを再販売する流れになったのはなぜなのか、考察いたします。



そもそも「クロネコゆうパケット」とは


クロネコゆうパケットは日本郵便株式会社よりヤマト運輸株式会社にOEM提供されているメール便のひとつで、もともとオリジナルである日本郵便の「ゆうパケット」を基本にほぼそのままのシステムで供用されています。
3段階の厚さによる料金設定と日本郵便の配送網でポスト投函されるのが特徴で、供用にあたって計測は日本郵便ではなく、ヤマト運輸の基幹センターで行い持ち込みする点が「日本郵便のゆうパケット」と異なります。

何が変わるのか?新・クロネコゆうパケット

サイズについて


ネコポス   縦31.2㎝以内×横22.8㎝以内×厚さ2.5cm以内 1kgまで
クロネコゆうパケット 3辺合計の大きさ60cm以内で、長辺は34cm以内・厚さ3cm以内・1kgまで
1cm以内・2 cm以内・3 cm以内の3段階で料金設定

サイズについては旧ネコポスが厚さを含め一回り小さく、クロネコゆうパケットは一回り大きいのが特徴です。 
またクロネコゆうパケットは厚さで料金が変わるのも特徴で、ネコポスから値上げで案内されているところが多いかと思いますが、取扱商品群で薄いものがあれば料金を想定より節約できることもあります。


配送レベル(配達までのスピード)について


ネコポス → ヤマト宅急便と同じスピード(時間指定は不可)
クロネコゆうパケット → 集荷から2~7日で配達(時間指定は不可)

関東エリアの出荷業者の方々はご存じなかったと思いますが、その他エリアで先行導入した際に旧・クロネコゆうパケットの到着が想像以上に遅いという大問題がありました。
新クロネコゆうパケットではヤマト運輸の宅急便・コンパクトを運ぶ営業ドライバーが配達するという形をとるようです。これによりほとんどの地域を1~2日で配達できるようになります。


クロネコゆうパケットがサービスを一新した考えられる理由とは?


クロネコゆうパケットはとにかく遅い


もともと日本郵便は佐川急便に対して飛脚ゆうパケットとしてOEM販売をしておりましたが、そもそも件数が少なく郵便局に持ち込まれてから計測をしても大きな問題はありませんでした。
が、ヤマト運輸のネコポスは日本郵便ゆうパケットをも上回る件数を持っていたため、回収してきたものを郵便局に直接持ち込み計測をすると簡単にパンク状態になることから、持ち込まれる前にヤマト運輸基幹集荷センターで再計測を行い郵便局に持ち込む形をとりました。
これがもとで、基幹集荷センターの計測に時間がかかるため郵便局に当日中に持ち込みが出来ず、+1日必ずかかるようになり、なおかつ郵便局のメール便配送網がヤマト運輸よりはるかに遅いことから2~7日の配達スピードになっています。

値段も高い


ネコポスから新旧クロネコゆうパケットになる際に、取引をすでにされている方々は見積もりをいただいているかと思いますが、ほぼ値上げの案内だったかと思います。
ネコポスが安かったというのもありますが、もともとゆうパケットの価格競争力があまりなかったのに加え、ヤマト運輸がOEM供給先になったため価格競合相手がなくなったというのもあり価格が高騰したという問題があります。


クロネコゆうパケット切り替えエリアで売り上げが激減


 上記2つの理由で「日本郵便より遅い」・「値段が高い」の2重苦がふりかかり、ヤマト運輸に苦情の声が多く寄せられ、件数も激減したようです。前年比おおよそ85%と出ていますが、5割近い件数をもつ関東エリアが導入されていなかったことを考えると衝撃の減少数で、このままだと経営を圧迫すると判断したものと考えられます

日本郵便に連携改善を頼っていても改善できない(してもらえない?)ため、ヤマト運輸内でできる策として 自社内での「集荷・配達」で対策をしたと考えられます。
とはいえ、クロネコゆうパケットの商品をを残してネコポスを再販売したことから、日本郵便との協業はあきらめていないと思われます。


今回のネコポス再販売でどのように動くべきか?


まず大事なのは2社とも見積もりをとれるようにしておきましょう。
価格競争相手が再度出てきたので日本郵便の営業が徐々に調査を含め動き出していると複数の業者から頂いております。
今回の再販売でヤマト運輸は「日本郵便より圧倒的に早い」「日本郵便と価格は同じくらい」になったため日本郵便ゆうパケットの優位性がかなりなくなっています。
競争力を持つために日本郵便がどのように動くか期待できます。


想定される問題点とクロネコゆうパケットの今後の展望について


問題なのはヤマト運輸営業ドライバーの業務の増大が心配されます。
ネコポス時代では外注の配達員を契約し配達しておりましたが、クロネコゆうパケットがネコポスから切り替わった際に、契約終了しています。
宅配便を配達している営業ドライバーがメール便まで配達する業務の増加、
厚みを計測して価格を決定していく集荷業務が増えるのと、こちらが想像以上に時間のかかる作業になります。
配達スピードに関しては非常に速く到着するメール便として使われると思われますが、ドライバーの業務が大きく増えることが予想されます。

あくまでも2025年1月までの期間限定

またヤマト運輸と日本郵便の協業について、ネコポス再販売後もクロネコゆうパケットのOEM名を引き継いだことから今回のリニューアルは暫定的な措置であると思われます。
計測システムの変更や持ち込み方法の変更などを工夫することで十分にお互いの長所を生かした協業ができるのではと思われます。

ただし日本郵便がヤマト運輸の売上を損なわないような受入システムを構築せず放置すると、協業の話自体が飛びかねないとも危惧します。

2024年問題の解決に始まったヤマト運輸と日本郵便の協業、物流業界を発展させるには、競争力を維持しつつお互いが協力できることを行っていく。こういった取り組みが今後より良いサービスを生む原動力になっていくでしょう。

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小寺淳一
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小寺淳一(ECコンサルタント)

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