10月にヤマト運輸・ネコポスが復活?!想定される展開

小寺淳一

小寺淳一

テーマ:最新レポート 通販を取り巻く環境

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https://mbp-japan.com/nara/jkotera/column/5175057/

梱包イメージ

2023年6月にリリースされていた日本郵政グループとの基本合意に関する協業で、ネコポスを廃止し、日本郵便のメール便配達商品ゆうパケットのOEM版である新たにクロネコゆうパケットのサービスを地域別に始めておりましたが、7月頭にネコポスを新たに作り直し2024年10月に再販売することが伝わってまいりました。

理由としては今までネコポスは全国幅広い範囲を1~2日で配達していたものが、クロネコゆうパケットでは全くできないため、早く配達されるサービスを求められたためとしています。
2024年7月現在では筆者の奈良県ではまだ切り替え導入されておらず、現場もどういうことだろうと半信半疑の雰囲気が漂っていますが、先行導入されている関東・近畿以外の地域ではクロネコゆうパケット移行後いろいろと問題が発生していることが伝わってきています。
またネコポスが復活することで日本郵便との関係が破綻したのかなどの推察も出来ますが、7/4時点では何の発表もないことから邪推の域の話になるかと想定されます。

一部の人からすると喜ばしい内容ではありますが、ではなぜこのような問題が出てきたのか、集まっている情報をもとに推察し、今後の展開を予想したいと思います。



クロネコゆうパケット移行後の大問題点

ネコポスからクロネコゆうパケットに移行することで予想されていた一番大きな問題点は値上げでした。こちらについては物流費・人件費の高騰や2024年問題など様々な点が絡んでいるので致し方無いのではないかと思いますし、今回のネコポス再発売とはあまり接点がないように思います。販売を続けていてもどこかでおそらく変更されていたでしょう。

今回の再販売で起きている主な原因は下記が想定されます。

〇サイズ測定を現場と集配センターで計測しなければならない


ゆうパケットはもともと1・2・3cmとサイズ別に料金が変わるシステムをとっています。
薄いものが安いのは良いのですが、現状ゆうパケットの現場(局や配達員レベル)で計測作業に時間がかかるという致命的な弱点を持っています。

これをヤマト運輸の現場と集配センターで行い、なおかつ日本郵便の配達郵便局ごとに分けて納入するとのことなので、18時に持ち帰ってきて集配センターに集め、何千・何万のメール便の再計測と分配を行い日本郵便の全国配達便の締め切りに当日中に間に合わせるなどできるわけもありません。

ネコポスは単一規格の為、再計測がいらず、集配センターに集めればすぐに出せていました。
この差からクロネコゆうパケット以降分は“ほぼ“と言っていいほど1日追加で配達日数がかかっています。

〇日本郵便の全国に配達する流通網がヤマト運輸より遅い


ヤマト運輸から地域別に分けられまとめて納入されたものを日本郵便の流通網に乗せて全国各地の配達郵便局に送られるのですが、ヤマト運輸と比べてどうしても流通スピードが遅く、差が出るところでは半日から3日ほど多くかかります。
ゆうパケットやクリックポストなどの速達系メール便サービスでもともと1~4日の全国配達スピードですので1~2日のネコポスと比べ見劣りするのは致し方ないかもしれません。

※配達郵便局に到達すれば、配達先への配送スピードはヤマト運輸と大きく変わることはありません。

上記2つの追加日数の内容は足し算で計算する必要があるので配達スピードが現状2~5日かかることになります。こうなるともはや速達レベルで話せるサービスの質ではありません。特に前半の内容は人員不足もあり致命的な構造上の欠陥とも言えます。


ネコポス再販売で想定されることとその内容とは


 ※2024/7/4時点での想定される内容を記載しています。確定次第更新していきます。

案内状を見る限り、翌日お届けできるサービスが求められているということなので、スピードは再販売の商品ではヤマト運輸特有のスピードができるようです。
ただしヤマト運輸では外部委託の配達をネコポス廃止に伴って契約を終了する旨を発表しています。下記のリンクを参照しています。
ヤマト運輸 配達業務委託の契約終了へ 約3万人の個人事業主と 理由は | NHK
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20230925a.html
いきなりひっくり返すことは想像しにくいため、以前と全く同じサービスを始めるとも考えにくいと想定されます。

上記のことより想定される内容は以下の通りです。
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〇 単一のサイズでネコポスが再販売される(想定確率95%)
 計測が大変なため、即日出すのであればサイズの統一が不可避です。こちらはほぼ確実に行われるでしょう。
 ただし、現行サイズ(厚さ2.5cm)なのかゆうパケットサイズ(厚さ3.0cm)かは続報が待たれます。
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△ ヤマト運輸が全国の日本郵便の配達郵便局へ配送作業を行う (想定確率80%)
 ヤマト運輸の全国配送網を使用すれば配達スピードを維持できます。配達郵便局まで送りさえすれば個別の配達は日本郵便の得意とすることなのでスピードよくメール便の配達業務の実現が可能です。 日本郵便との関係も維持できるため一番確率の高い内容と思います。

△ ヤマト運輸が完全に配達まで完了させる。(想定確率20%)
 ヤマト運輸の運送網と人材を使いネコポスを復活させます。ただし、ネコポスを廃止しメール便を業務委託する形で日本郵便と提携したのにすべてひっくり返すようなことをするかどうか疑問があります。
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□価格は現行ネコポス価格から引き継がれる(想定確率10%)
上記のヤマト運輸が完全に配達まで完了させるが起こった場合に考えられますが、それでも価格維持は厳しいとみています。
現状価格は値上がりするのが想定されますが、クロネコゆうパケットよりは日本郵便に依存する内容が少なくなるため、ゆうパケットに対抗できる価格が出てくることも想定されます。
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まとめ


〇メール便発送のサイズの統一と日本郵便の提携方法の修正はある

現状の問題を見る限り、メール便発送のサイズの統一と日本郵便の提携方法の修正は相当の確率で起こるとみてよいでしょう。

〇価格の維持は難しいのでは?


〇新ネコポスのサイズと日本郵便との連携方法が今後の注目ポイント

サイズの統一は間違いないと思いますが、2.5cmなのか3cmで行くのかは今後の注目ポイントです。3cmになれば値上げされても使いやすいメール便として定着する可能性は高いです。
協業をしていく2社のことなので以前のように激しい戦いになることは多くないと思いますが、お互いの強みを生かした提携内容になることが想定されます。
どのようなサービスを構築しなおしてネコポスを再販売するのか、注目です。

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