進化する流通業界と今後の展望 通信販売業界はどのように進むのか? 展示会・関西物流展の視察からみえた技術の進化と課題
〇展示会概要
地方銀行フードセレクション2023 調査日:2023年10月3日
地方銀行が主体となり、出店者を募り開催している展示会で、
他の出展者のみが展示を担当している展示会と違い、出展者に加え担当銀行がブースエリアを受け持ち、客引きや説明を代行する場面もあるため、ほかの展示会とも比べて非常に活気があったのが印象的です。
規模も東京ビックサイト南館の全面を使用し、また大企業のような複数ブースを使用しての出展者も一切なく、一コマに2つの業者が入っていることも珍しくないため、非常に多い出展者が活気を持って迎えてくれます。
筆者は出展側とバイヤー側両方を経験しており 新規開業・販路拡大の方向けに、出展者・バイヤーがお互いどのように見ているかの目線で作成しております。
〇ブースに行ってみないとわからない
今回の場合は担当銀行のエリアわけがあるので、どこにどの地方の商材があるかは事前にわかります。(ただし番号名の銀行など全銀行の地方を理解するのは困難)
ただブースに何を置いているのか事前にわからないものも多く、回ってみないとわからないのが現実です。やはり思わぬ発見もあるので全ブース一通り見たり聞いたりするようにしています。
〇出店傾向の把握
次にブースを見て回りますが、商材をみて展示傾向を知ることが大事になります。
展示されている商材はすべて出展会社が最新の技術・情報を商品化して出してきているもので、いわば数か月~2年後に反映される世界のようなものです。数万を超える商材情報を素早く処理し、いつも見ているようなおなじみのものでも、最新情報と掛け合わせることでトレンドの変化を感じ取ることができます。 出展側の立場の時期も筆者はありましたが、休憩時間を削ってでも回って情報を集め、その後の開発にも実際役立ちました。
今回の展示傾向をまとめると
〇量販店向け展示
〇量販店向け展示から産直対応へシフトチェンジ
〇新規分野開拓狙い(きっかけづくり)
〇商品紹介(認知度アップ)
〇情報収集
傾向がおおよそわかると飛ばすポイントがおのずとわかってきます。
展示数が多い場合は傾向の把握が特に大切で、前半時間がかかっても後半に一気に時間を節約することができます。
〇出店側から見た来店者への興味の判断
見て回るうちに商材に興味が出て出展者の方々と話すことになりますが、通販のバイヤーで注意が必要なのは、そもそも出展者が通販の業界に興味があるかどうかです。
出展側に立った経験上の話ですが、出店側も目標の業界・販路があります。出店側とバイヤー側の目的が一致しないと取引につながりません。話のどこかで通販業界に興味があるかをしっかり聞きましょう。(名刺の節約にもなります)
通販業界を断る理由に「自社でやっているから」「価格が崩れるから」などの理由で門前払いも珍しくありません。 取引条件を守る姿勢を誠実にしっかり見せることで取引につながることもあります。相手が絶対に拒否を示した場合はしっかり引きましょう。
また今回に関しては通販NGで断られることはほぼなく、その後の商談で期待ができそうです。
〇展示会がどうしても回り切れない場合
急いでみたい場合や、ペースでどうしても間に合わなさそうな場合がありますが、
そういった時にはまずひととおり駆け足気味に一通り見回りましょう。特に見たいところだけを後からピックアップして回ると、後悔なく回ることができます。
とにかくいったん全体を把握することが重要になります。
〇まとめ
今回は小規模事業者が多く、またビックサイトでの展示会出展ということもあり出展者側からも何とか結果を残そうという気概を多く感じることのできる展示会だと感じております。ただその分1社あたりの時間配分が長くなる傾向にあり、全く関係のないところでも相手側の情報収取のためなどで時間を取られる傾向にあります。
こういった時こそ的確な状況判断と取捨選択が必要になってきます。自社にとって最大の利益を残すためにも、大事な情報を見落とすことなく展示会をうまく回りましょう。
稀に見る売り込みと説明が一体となった活気ある展示会であると思います。10月4日まで開催しておりますので食品関係をお取り扱いの方は是非訪れてはいかがでしょうか?