雪止め設置で安心!軽井沢町の屋根と民法218条を正しく理解する
冬になり、初雪が降るたびに気になるのは屋根からの“落雪”リスクです。
通行中に突然落ちてくる雪の塊は人や車に大きな被害を与えるだけでなく、雨樋や外壁まで傷めてしまいます。
しかし、新築時に雪止めを設置していない住宅でも、後付けで雪止めを導入することで簡単にリスクを軽減できることをご存じでしょうか。
この記事では「後付け雪止め」の基礎知識からメリット・デメリット、具体的な後付け方法、注意点、費用相場、業者選びのポイントまでを詳しく解説します。
後付け雪止めとは何か?先付けとの違い
後付け雪止めとは、すでに完成している屋根に対して後から雪止め金具やバー、ネットを設置する工法を指します。新築時に施工する「先付け雪止め」と異なり、既存の屋根材や下地を活かしながら、安全対策を追加できる点が最大の特徴です。
後付けの場合、屋根材や傾斜角度、屋根下地の強度によって設置方法が制限されることがありますが、専門業者による現地調査を経て適切な金具や位置を選定すれば、安全性を大きく向上させることが可能です。
後付け雪止めのメリット
後付け雪止めには、先付けにはない柔軟性や即効性といった利点があります。
落雪事故の即時対策効果
後付け雪止めを設置すると、既存の屋根に積もった雪が一度に滑り落ちるのを効果的に防ぐことができます。
人が通行する玄関前や車庫上部、雨樋付近に集中して雪が堆積しやすい場合でも、後付け金具が雪をせき止め、少しずつ融雪するよう促すため、通行人や車両への直撃リスクを大幅に軽減します。
また、落雪で雨樋が壊れたり外壁にダメージが生じる事故も未然に防げるため、維持管理コストの抑制にもつながります。
後付け雪止めのデメリット
一方で、後付けだからこその注意点や制約もあります。
施工費用と施工性の課題
後付けは施工時に足場の設置や下地補強が必要になる場合が多く、先付けと比べて1.2倍~1.5倍程度のコストがかかることがあります。また、DIYでの取付が難しく、多くの場合は専門業者への依頼が必須です。
屋根材によっては金具の固定アンカーが効きにくいこともあり、事前調査で設置不可と判断されるケースもあります。費用面だけでなく、設置可能かどうかの技術的検証が重要です。
後付け雪止めの種類と選び方
後付け雪止めには主に以下の3タイプがあります。
屋根勾配や材質、積雪想定量によって最適なものを選びましょう。
タイプ特徴適用条件
金具タイプ屋根材の重なり部分に差し込むL字金具や羽根型金具で雪をせき止めます。瓦屋根、スレート屋根などビス締めが可能な下地が必要。
アングルタイプL字形状の金属バーを屋根面に直角に設置し、バーに雪を引っ掛けて防止。急勾配屋根や金属屋根に適合。取り付け穴の補強が求められる。
ネット(フェンス)タイプステンレス網を軒先付近に張り、摩擦力で雪をキャッチ。視認性が低く目立ちにくい。勾配が緩やかで面積が広い屋根に有効。メンテナンス時の取り外しが可能。
これらの表を参考に、自宅屋根の形状やメンテナンス頻度、設置費用を比較検討しましょう。
後付け雪止め設置の流れと注意点
後付け雪止めの施工は、以下のステップで進行します。
1.現地調査とヒアリング:屋根傾斜、屋根材の種類、既存下地の強度などを調査し、最適な雪止めタイプを選定します。特に既存の瓦割れや防水層の傷みがないか確認が必須です。
2.設計・見積作成:足場の有無、材料費、施工日数を踏まえた総額見積りを作成。DIY不可の案件では業者選定も同時に行います。
3.足場設置:安全確保のために1日~2日かけて足場を組みます。強風時の安全対策としても不可欠です。
4.金具・バー・ネット固定:選定した雪止めを専用ビスやアンカーで固定します。雨漏り防止のため、取り付け部は必ずシーリングや防水パッキンで処理を行います。
5.足場撤去と最終点検:施工完了後、足場を撤去し、雪止めの固定状態や雨漏り箇所がないかを最終確認します。
設置時の留意点
■雨漏りリスクの防止:金具固定穴周辺は防水テープやシーリングを二重に施工し、水密性を確保する必要があります。
■耐震性への配慮:過重増加による屋根全体の構造負荷が許容範囲内か、構造計算士の意見を仰ぐ場合もあります。
後付け雪止めの費用相場
後付け雪止めの費用は、工法や設置長さによって変動しますが、以下を参考にしてください。
■金具タイプ:1mあたり1.5万円~2.5万円(材料・施工費込)
■アングルタイプ:1mあたり2万円~3万円
■ネットタイプ:1mあたり2.5万円~4万円
これに足場設置・撤去費用1万5千円~3万円/日、シーリング材や防水処理費用を加算した総額が目安となります。複数工法を組み合わせる場合は、割増し見積もりが発生するため、事前に詳細設計が必要です。
専門業者選びのポイント
後付け雪止めは高所作業・防水施工を伴うため、信頼できる専門業者への依頼が必須です。
以下を確認して業者を選びましょう。
■施工実績:後付け雪止め工事の事例が豊富か。特に既存屋根への適合経験があるか。
■資格・保険:屋根工事や高所作業に対応した賠償責任保険(PL保険)、一級かわらぶき技能士等の資格保持者在籍。
■保証内容:部材保証・施工保証の期間や補償範囲を明示しているか。
■見積書の詳細度:足場費、下地補強費、防水処理費用など項目ごとに明確に記載されているか。
まとめ
後付け雪止めは、新築時に設置を逃した場合でも屋根の安全性を高める有効な手段です。
落雪による人身・物損事故防止、雨樋損傷回避、近隣トラブルの抑制といった多くのメリットがありますが、施工費用や施工可否、雨漏りリスクといったデメリットもあります。
工事を検討する際は、まず現地調査で屋根構造や下地状況を正確に把握し、最適な雪止めタイプを選ぶことが重要です。信頼できる専門業者に依頼し、施工前後の防水処理と定期メンテナンスを徹底することで、安全・安心な冬を迎えましょう。



