【軽井沢版】外壁リフォームにかかる費用相場とコストダウンの方法とは
外壁塗装のチラシをめくっていると、赤い帯で「足場代無料!」と大きく書かれた広告がひときわ目を引きます。
その一文を見た瞬間「お得に工事できるかも」と期待することが、あるかもしれません。
ところが、いざ見積もりを取ってみると、「やっぱりタダじゃないのか……」と肩を落としてしまうかも。
実際に足場が無料になるケースは、ごく限られています。
本記事では「足場無料は本当か?」を軸に、広告の裏側に潜むカラクリを紐解きつつ、悪質な提案を見抜くチェックポイント、そして長野市のような雪国で注意すべき実情まで、解説します。
読了後には「タダより高いものはない」と実感しつつも、“本当に得をする契約”が選べるようになるはずです。
足場代が「無料」とうたわれる背景
なぜその言葉は生まれるのか
実際に無料になるケースはごくわずか
足場工事は、組み立て・解体・資材運搬・現場管理と多岐にわたる工程を伴い、専門職人の人件費も必要です。
国交省の「公共工事標準単価」をベースにすると、延べ床30坪・外周30m前後の戸建てでも足場費は15~25万円前後が相場とされます。
にもかかわらず無料をうたう広告が散見されるのは、塗装市場で価格競争が激化し、目玉フレーズなしには振り向いてもらえないという業界事情があるためです。
とはいえ、本当にゼロ円で提供する企業は稀で、多くは別項目への上乗せや、厳しい適用条件によって実質的に費用を回収しています。
広告文句が生まれるもう一つの理由
もう一つの理由は「足場代は見えにくい」という心理的盲点です。
屋根や外壁そのものと違って、足場は完成後に残らない仮設物。
施主にとって価値を実感しにくく、値切り交渉されやすいポイントでもあります。
業者はそこを逆手に取り、「無料」「半額」といったキャッチコピーで注目を集め、最終的には他の名目で回収する戦略を取るケースが後を絶ちません。
足場のコスト構造を知れば“無料”の矛盾が分かる
足場にかかる主な費用を表で把握
| 項目 | 内容 | おおよその割合 |
| 資材レンタル料 | パイプ・ステージなどの資材を期間借用 | 40% |
| 組立・解体人件費 | 鳶職人の安全帯・保険料も含む | 35% |
| 運搬・搬出入 | トラック回送・燃料・積み降ろし作業 | 15% |
| 安全管理・諸経費 | 法定点検・看板・道路使用許可など | 10% |
表が示すように、足場費の約3分の1以上は“人の手”にかかる費用です。
資材を自社保有している業者でも、人件費をゼロにすることは不可能であり、完全無料となれば利益を削るか、どこかで補填するしか術はありません。
なぜ足場費だけは簡単に削れないのか
足場は職人の安全確保と塗装品質の両方に不可欠です。
高圧洗浄や下地補修は、足元が不安定だと精度が落ち、最終的に塗膜剥離やムラの原因となります。
さらに建設業法・労働安全衛生法では、高さ2mを超える作業に足場などの墜落防止措置を義務化。
違反すれば罰則や行政指導があり、保険も下りなくなるため、まともな業者ほど費用を“削れない”のです。
「無料」の裏側に潜む三つのカラクリ
他費用へ転嫁、見積書は総額だけでなく内訳が命
塗料単価が相場より1,000円/㎡高く設定されていたり、シーリング打ち替えが“○○m一式”と曖昧に記されていたりするケースが多発しています。
見積総額が近いなら問題ない、と流してしまうのは危険で、内訳を精査すると“足場の分をそっくり別項目で回収”していることが判明する場合が珍しくありません。
悪徳業者の手口
足場を無料に見せかけて契約を取り、着工後に「想定外の劣化があった」と追加足場を組み、“差額”を請求する手口もあります。
工事が進んだ段階で足場を外すことは現実的でないため、施主は渋々支払わざるを得ず、結果的に相場以上の出費になる点が要注意です。
適用条件が厳しいケース
「外壁と屋根を同時塗装」「150㎡以上の足場面積」など、達成が難しい条件が小さく記載されている場合があります。
いざ契約段階で条件を満たさないと告げられ、無料にならないばかりか割高なプランへの変更を迫られる例も報告されています。
見抜く力を養う見積もりチェック術
見積書で必ず確認すべきポイント
見積書には“足場仮設○㎡×単価”の形式で数量と単価が明示されているかを確認してください。
明細に「養生費」「安全管理費」を含む場合は、重複計上がないかも要チェックです。
加えて、足場図面や工程表が添付されていれば、信頼度は格段に高まります。
複数社比較の際に陥りやすい落とし穴
相見積もりでは“工事総額の安さ”だけに着目しがちですが、足場費が異様に低い場合は必ず他項目を横並びで確認しましょう。
例えば仮設トイレ・産廃処分費・付帯部塗装の単価が高く設定されていないか、最低限の塗装面積が縮小されていないか、といった細部こそ差が表れます。
足場が本当に必要かを判断する視点
平屋や玄関ポーチのみの塗装であれば脚立作業でも法的に問題ない場合があります。
ただし、作業時間が長くなり、塗装精度や安全性が下がるリスクをどう捉えるかがポイントです。
施主が足場費を削減したい場合は、高所部分を含む全面塗装を一度に済ませて将来の足場再設置を防ぐ方が、トータルコストを抑えられるケースが多いことも頭に入れておきましょう。
信頼できる業者を見分ける五つのヒント
施工実績と資格の提示があるか
国家資格である一級塗装技能士や足場組立等作業主任者が在籍しているかをチェックしましょう。
「在籍」と言うだけでなく名簿や資格証コピーを提示できる会社は透明性が高く、技術面でも期待が持てます。
口コミより“現場見学”で空気を感じる
オンライン評価は操作できる時代だからこそ、実際の施工現場や完成後の家を見学させてもらうことが最も確実です。足場の組み方や現場の整理整頓を見るだけで、会社の姿勢が如実に表れます。
地元密着か全国展開か、それぞれの強み
長野市を中心に活動する地元企業は、雪害・凍害を熟知し、足場の養生シート選択や施工時期に関する提案力に優れます。
一方、全国チェーンは資材や塗料の一括仕入れによるコストダウンが見込めます。
自宅の立地条件や優先したいポイントをもとに選び分けるのが賢明です。
長野市で塗装を考えるなら押さえたい地域特有の注意点
積雪地帯ならではの足場安全対策
長野市の冬季は積雪荷重がかかり、足場倒壊リスクが高まります。
そのためクサビ式足場の積雪補強や、防雪ネットの設置が必須。
雪が滑り落ちて近隣を傷つける事故を防ぐため、足場シートの代わりに“メッシュ状”を選択する会社も増えています。
高低差のある敷地でのコスト増要因
善光寺平の傾斜地や、里山に面した住宅地では、高低差を調整するためのジャッキベースやブロック基礎が追加で必要になるケースがあります。
“足場無料”をうたう業者がこの追加費用を後出しする例もあるので、地盤や敷地形状に応じた事前調査の有無を確認しましょう。
「無料」の一言に惑わされず、本当の“得”を手に入れる
外壁塗装における「足場代無料」という響きは甘美ですが、その裏には費用転嫁・追加請求・厳しい条件といったカラクリが潜んでいます。広告を鵜呑みにせず、
1)足場費の内訳と数量を明確にした見積書を要求する
2)複数社の総額と内訳を比較して不自然な差を探す
3)足場の安全性と品質への影響を理解する
この三つを徹底すれば、悪質な提案に振り回されることはありません。
特に積雪や寒暖差の大きい長野市では、足場の質が塗装寿命を左右する重要ファクターです。
「タダより高いものはない」という古いことわざは、外壁塗装の現場でも揺るぎない真実。
甘い言葉の先に潜むリスクを見抜き、本当に価値ある投資へ踏み出しましょう。



