御代田町で外壁塗装工事が完了しました。『社内検査・施主検査』
外壁・屋根の塗り替えや塗料選びで悩んでいませんか?
「そろそろ外壁が色あせてきたけど、どの塗料を選べばいいの?」
「シリコンが一番人気らしいけど、無機やフッ素と何が違うの?」と比較記事を読んでも、数字や専門用語ばかりでピンと来ない焦り。
「結局ウチの家にはどれがベストなの?」答えを出せないまま、外壁の雨垂れの筋が気になってしまう。
この記事は、そんな“塗料選びでお悩み”のあなたに「なるほど、だからシリコンなのか/だから別の塗料なのか!」と納得できるようにかみ砕きながら、プロ目線でお届けします。
シリコン塗料とは?“バランス型”と呼ばれる理由
「耐久性」と「コスパ」の黄金比を狙ったポジション
シリコン塗料は、原料樹脂にシリコン成分(正確には有機シリコン樹脂)を混ぜ込んだ塗料です。
塗膜が硬化するとガラス質に近い分子構造をつくり、紫外線で劣化しにくく、汚れも付きにくいことが最大の特徴。一方で、フッ素ほど高価ではなく、ウレタンほど早く傷まない。
言い換えれば「価格と寿命の釣り合いがちょうどいい」ため、住宅塗装では“標準グレード”として選ばれる場面が多いのです。
耐用年数は10〜15年が目安。日本の戸建ての平均的なメンテナンス周期(10〜12年)にほぼフィットする点も、採用率を押し上げています。
柔軟性の弱さが生むリスク
ただし、ガラス質ゆえの硬さは「追従性の低さ」という裏面を持ちます。
たとえば地震や温度差で外壁がわずかに動くと、柔らかい塗膜なら伸びて吸収しますが、シリコンは伸びが少ないためヘアークラック(髪の毛ほどの細いひび)が入りやすいのです。
ヘアークラックは初期段階では見えにくく、放置すると水が染み込み、下地を劣化させる導火線になりかねません。硬さは強さと紙一重”この性質を理解したうえで、建物の揺れやすさ、下地の状態を総合的に見極める必要があります。
主要4塗料の実力を一望!性能・コスト比較表
| 項目 | アクリル塗料 | ウレタン塗料 | シリコン塗料(主役) | フッ素塗料 |
| 参考価格※ | ★(㎡あたり1,200〜1,500円) | ★★(1,600〜2,300円) | ★★★(2,400〜3,300円) | ★★★★★(4,500円〜) |
| 耐用年数 | 5〜8年 | 8〜10年 | **10〜15年** | 15〜20年 |
| 汚れにくさ | △ 低い | ○ 普通 | **◎ 高い** | ◎ 最高 |
| ひびへの追従 | ○ 柔らかい | ◎ とても柔らかい | △ やや硬い | △ やや硬い |
| カラー自由度 | ◎ 多彩 | ◎ 多彩 | ○ 標準色多い | △ 限定色が多い |
| 向くケース | とにかく初期費用を抑えたい外壁 | 凹凸が多く細部が多い外壁 | **費用と耐久のバランスを狙う戸建て全般** | 海沿い・工場など過酷環境 |
※価格は2025年4月時点、足場・下地調整費を除く材料+施工費の相場目安。地域・職人ランクで変動します。
表から分かるように、シリコン塗料は“真ん中より少し上”の価格帯で、“真ん中より上”の耐久性を獲得しています。「高すぎず、でも安物過ぎない」という安心感が、初めての塗り替えや資金計画に余裕を持たせたい家庭に支持される理由です。
シリコン塗料がベストな5つのシーン
① 築10〜20年・標準的な窯業サイディング外壁
築10年前後のサイディングは、表面の防水層が弱り始める一方、下地そのものは健全なケースが多い時期。
ここでシリコンを選べば、次の塗り替えまで10年以上確保でき、劣化が本格化する前にもう一巡メンテナンス計画を立て直せます。
サイディング自体はたわみ量が小さいため、シリコンの硬さが大きなネックになりにくいのも追い風です。
② 予算は抑えたいが「またすぐ塗る」のは面倒
子どもの進学や車の買い替えなど、大きな出費が控えている時期に*“維持費の平準化”を図るなら、アクリルでは塗り替えサイクルが短すぎ、フッ素では初期費用が重すぎ…。
中間解としてシリコンを選ぶと、ライフプラン表のキャッシュフローが安定します。
金融機関のリフォームローン審査でも、総返済額と耐用年数のバランスが説明しやすく、承認がスムーズに進む事例が多いのも実務的メリットです。
③ 立地的に排ガス・粉塵が気になる幹線道路沿い
シリコン塗料の撥水性・親水性ハイブリッド被膜は、汚れが付いても雨水で自己洗浄しやすいという特徴があります。交通量の多い道路沿い住宅で、排ガスススや黄砂が付着しても、表面に皮膜が張ったように汚れが浮き、シャワーの雨で流れ落ちるため、見た目の美しさを長く保てるのです。
これはウレタン以下の塗料では得にくい“メンテナンスのラクさ”として高く評価されています。
④ 雪国の屋根・冬季の凍害リスクを抑えたい
長野・新潟など寒冷地の屋根は、雪解けと凍結を繰り返すことで塗膜に微細な裂け目が生じやすく、そこに浸水→凍結膨張→さらに裂け目拡大という悪循環が起こります。
シリコン塗料低吸水+高密着”の組み合わせは、凍害サイクルを抑え込みやすく、屋根材の寿命延長に直結。
地元工務店でも「コロニアル屋根にまず提案するのはシリコン」という声が多いのはこのためです。
⑤ 将来の外壁カバー工法・サイディング張り替えを視野に入れている
現状の外壁をあと10年ほどもたせた後、外断熱リフォームや金属サイディングでカバーする。
そんな長期シナリオを描く場合、フッ素まで持たせる必要は薄く、アクリルでは手前で再塗装が必要。
「あとワンフェーズを確実に持たせる」という目的に、シリコンの耐用年数がピタリとはまります。
“つなぎの塗装”として妙味が高いのです。
シリコン塗料を選ぶ前に必ずチェックしたい3つのポイント
① 下地との相性・旧塗膜がウレタンなら一度素地調整を
シリコンは密着力が強い一方、旧塗膜が柔らかすぎると引っ張り剥がしてしまうという欠点があります。
とくに10年前後前のウレタン仕上げの上に重ね塗りする場合、旧塗膜をペーパー掛けで粗し、フィラーで平滑化するなど“素地調整”を徹底することで密着不良を防げます。
ここを端折ると、数年で“ラッカー剥離”のようにフィルムがめくれ上がる失敗事例が後を絶ちません。
② ひび割れが多いモルタル壁・弾性下塗りでカバーできるか
モルタル壁は乾燥収縮で微細クラックが入りやすい素材です。
表面に既存ひびが見える場合、シリコンの上塗りだけでは追従し切れず、再び割れが浮き出る可能性が高い。
そこで弾性フィラーというゴムのように伸びる下塗り材をかませ、表面を“伸びる下地+硬い上塗り”の二層構造にすると、ひびへの追従力が大幅に改善します。
下塗り材選びこそ、実はシリコン活用成功のカギと言えるでしょう。
③ DIY施工の落とし穴・希釈率と硬化タイミング
「ネットで塗料だけ買って自分で塗れば半額以下?」と試算したくなる気持ちは分かります。
ところが、シリコン塗料は硬化剤混合後の可使時間が短いものが多く、規定時間を過ぎると粘度が急上昇し、刷毛ムラ・ローラーダマが一気に増えます。
また希釈率(シンナーや水の量)が微妙にズレると艶・膜厚が乱れ、翌年にはチョーキング現象が出ることもしばしば。
“工賃節約”が“全面やり直し”へ倍返しになったDIY失敗例は数え切れません。
プロに任せる価値=失敗リスクの保険料と心得たいところです。
実録!シリコン塗料でこう変わった
施工前の悩み:色あせ・チョーキング・細部のカビ
長野市郊外、築18年のサイディング外壁。
日当たりの良い南面は色あせが目立ち、手でこすると白い粉(チョーキング)が付着。
北面のサッシ周りには黒カビも。施主様は「次の十年は安心したいが、子どもの学費もあるのでコストは抑えたい」というご要望でした。
選定プロセス:汚れに強い*低汚染型シリコン*を決定
仕上がりと4シーズン経過後の状態
塗装直後は艶やか過ぎるほどだった外壁も、半年で落ち着いた3分艶へ。
4回の冬を越えましたが、チョーキングは皆無、北面のカビも発生せず。
施主様は「出費を抑えたのに想像以上の保ち」と満足し、次は屋根をフッ素で長期仕様にする計画を練り始めています。“外壁シリコン+屋根フッ素”というハイブリッド戦略が取れるのも、コストバランスが良いシリコンならではの派生効果と言えるでしょう。
よくある質問(FAQ)で疑問を一気に解消
Q1. シリコン塗料でも艶消しは選べる?
はい、可能です。
一般的な艶有り品にマット剤を配合した“艶調整シリコン”が市販されており、3分艶・5分艶など段階的にオーダーできます。
ただし艶を落とすほど塗膜表面の微細凹凸は増え、汚れが載りやすくなる傾向があるため、“艶有りほど自己洗浄力が高い”ということを理解したうえで選択しましょう。
Q2. 弾性シリコンと普通のシリコンはどう違う?
弾性シリコンは、樹脂骨格に可塑剤やゴム成分を添加して伸び率を高めた派生品です。
ヘアークラックの多いモルタル壁でも追従性が得られる一方、可塑剤が抜けると艶引けや白化が起こりやすく、耐久年数は純粋なシリコンより2〜3年短くなるケースがあります。
「弾性=万能」ではなく、耐久<追従を優先する場面で選ぶ*のが失敗しないコツです。
Q3. 次回はフッ素を塗りたいが、下地がシリコンでも問題ない?
基本的には問題ありません。
フッ素は上位互換のため、シリコン上にも高い密着性を示します。
ただし旧シリコン塗膜が劣化粉化している場合は、高圧洗浄+ケレン処理で粉を完全除去してからフッ素を重ねる必要があります。
またフッ素は塗膜がさらに硬くなるため、動きの大きいサッシ周りなどはシーリングを“後打ち”にしてひび割れを避けるなど、ディテール設計を慎重に行うことが重要です。
家計と美観の両立”にはシリコン塗料がちょうどいい
シリコン塗料は「ほどほどの価格で、ほどほど以上の寿命」を実現できるバランス型の優等生。しかし硬さゆえのひび割れリスクや下地相性問題をクリアしないと、本来の力を発揮できません。
ポイントは3つ。
1.下地調整を怠らない・旧塗膜が何かを必ず確認し、必要ならフィラーやケレンで密着力を底上げ。
2.建物の動きを読む・モルタルひびや地震多発地域なら弾性下塗りをプラス。
3.プロの手で最適条件を守る・希釈率・可使時間・膜厚は、経験が仕上がりを左右する“見えない品質”。
この3ステップを押さえれば、シリコン塗料は外壁・屋根リフォームを「コスパ良く、美しく、長持ち」させてくれます。次の十年を気持ちよく暮らすために



