【坂城町版】モニエル瓦塗装の専用塗料と施工注意点を徹底解説

モニエル瓦って塗装してもすぐ剥がれるって聞いたけど本当？

屋根塗装の相談でよく聞くのが、「モニエル瓦って普通の塗料じゃダメなんですか？」という質問。
外から見るとコンクリート瓦のようにも見えるため、一般的な屋根材と同じように塗れると思われがち。
でも、モニエル瓦には“スラリー層”という特殊な構造があり、これを知らずに塗装すると高確率で塗膜が剥がれてしまうんです。
この記事では「モニエル瓦の塗装」を検討している方へ向けて、失敗しないための施工方法、専用塗料の選び方、業者選定のポイントなどを徹底解説します。
築年数が10年以上経過しているご自宅にモニエル瓦が使われている方は、ぜひ最後までご覧ください。

モニエル瓦とは？一般の瓦と何が違うの？

モニエル瓦は、セメントと砂を主原料にしたコンクリート系の瓦で、表面に“スラリー層”という着色剤が塗布されているのが最大の特徴です。
このスラリー層は見た目の美しさを出す役割もありますが、経年劣化により粉状に剥がれやすくなり、その上に塗料をのせても密着せずに剥がれてしまうという性質を持ちます。
このため、通常のセメント瓦とは塗装方法が異なり、スラリー層の処理が最重要工程となります。
スラリー層を適切に処理せずに塗装してしまうと、数年でボロボロと塗膜が剥がれてしまうのです。

モニエル瓦の塗装で絶対に押さえるべきポイント

スラリー層の処理は最重要！

モニエル瓦の塗装前には、スラリー層の処理が欠かせません。
まず高圧洗浄で、浮いているスラリー層や汚れを徹底的に除去します。
それでも完全に除去しきれない場合は、スラリー強化プライマーを使ってスラリー層を固着・補強してから塗装を行います。
このひと手間を惜しまないことが、塗料の密着性と長持ちを左右します。
適当に洗ってすぐ塗るような施工では、数年も経たずに塗膜が剥がれてしまうリスクが高まります。

専用塗料の使用が必要

モニエル瓦には、一般的な屋根塗料（ウレタン・シリコンなど）ではなく、モニエル瓦専用に設計された塗料を使用することが基本です。
なぜなら、一般の塗料ではスラリー層にうまく密着せず、表面から剥がれる恐れがあるためです。
専用塗料は、スラリー層の構造を理解したうえで開発されており、粘着力や追従性、耐久性のバランスが取れています。施工前に業者に使用塗料を確認し、適合塗料であるかをチェックすることが重要です。

粘着テストで仕上がりをチェック

塗装前にスラリー強化プライマーを塗布した後、粘着テープなどを使って密着性を確認する“粘着テスト”を行うことで、塗料の剥がれやすさを事前に確認できます。
ここで密着性が低いようであれば、さらに処理を加えるなどの対策が可能です。
このステップを踏んでいないと、塗装後の保証も受けられないケースがありますので、業者にきちんと説明してもらい、作業内容を把握するようにしましょう。

モニエル瓦塗装の時期とメンテナンスサイクル

モニエル瓦の塗装は、通常10年〜15年がメンテナンスの目安とされています。
スラリー層が劣化しやすくなるこの時期を過ぎると、雨水の浸透によってコケ・カビ・藻の発生や、内部への水分侵入による劣化が進行する可能性があります。
早めのメンテナンスであれば洗浄〜塗装で済みますが、長期間放置してしまうと補修費用がかさむことも。
特に築20年近いお宅で未塗装の場合は、一度点検を受けることを強くおすすめします。

モニエル瓦塗装に適した塗料の比較表

業者選びのチェックポイント

長野県坂城町には多くの塗装業者がありますが、モニエル瓦塗装に対応できる業者は意外と限られます。
以下の点に注目して、信頼できる業者を選びましょう。

モニエル瓦の塗装経験が豊富か？

ホームページや施工実績をチェックし、実際にモニエル瓦の塗装を行っている事例が掲載されているかを確認しましょう。
実績が多い業者ほど、スラリー層の状態判断や適切な下処理ができる可能性が高くなります。

使用塗料に専用製品を使っているか？

見積もりや説明時に、使用する塗料の種類を確認しましょう。
「屋根用塗料」とだけ記載されている場合は注意が必要です。
具体的な商品名（例：スラリー強化プライマー＋シリコンルーフなど）があると安心です。

施工の説明が明確で、保証がしっかりしているか？

塗装手順や下地処理の流れを分かりやすく説明してくれる業者は信頼性が高いです。
加えて、施工後の保証（例：5年〜10年）についても内容と期間を確認し、書面でもらうようにしましょう。

見積もりは複数社から比較を

同じ施工内容でも業者によって金額に差が出ることがあります。
必ず2〜3社以上に見積もりを依頼し、価格だけでなく説明内容や対応の丁寧さも含めて比較しましょう。

モニエル瓦の塗装は知識と技術が仕上がりを決める

モニエル瓦の塗装は、ただ塗るだけではうまくいきません。
スラリー層という特殊な構造に対応した下地処理と専用塗料が不可欠で、加えて業者の経験と技術も大きく影響します。
「とりあえず屋根を塗ってほしい」ではなく、「モニエル瓦に合った塗装をお願いしたい」という視点で業者を選ぶことが、長持ちする塗装につながります。

屋根は家の寿命に直結する重要なパーツ。だからこそ、適切なメンテナンスでその価値を守っていきましょう。