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【長野市版】古い家の雨漏り対策は?原因・費用・修理方法を解説

高橋春彦

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テーマ:雨漏り調査や補修工事


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私たちの雨漏り調査と修理について

「天井に薄いシミ..でも生活に支障はないから大丈夫?」
その油断が“家じゅうの雨漏りの連鎖”の入り口です
暖房の効きが悪くなった冬の朝、ふと天井を見ると丸い輪染みが広がっている。
春の強い雨の日に、床へポタッと落ちる水滴を初めて見つけた。
築30年を超える長野市の戸建てで、こうした“静かな雨漏り”に気づくのは珍しくありません。
「バケツで受ければ当面しのげる」と放置しがちですが、その間にも屋根裏の断熱材は濡れて性能を失い、構造木材にはカビが生え、シロアリが呼び寄せられ…と被害は雪玉のように膨らみます。
本記事では古い家 雨漏りをキーワードに、屋根の劣化原因から修理費用、DIYと業者依頼の判断軸、火災保険の活用、長野市での業者選びまでご紹介。
「いま何をすればいいか分からない」方は、まずこのページを最後まで読んでください。読み終わる頃には“最初の一本の電話”をどこへかければ良いかが分かります。

雨漏りの多くは屋根と外壁

■ルーフィング(防水シート)が 20 年を超えると防水率は新品の半分以下になる
ルーフィングは瓦や金属屋根の下で雨水を二次防御する“最後の砦”です。
アスファルトを浸み込ませた紙材が主流で、紫外線を直接浴びないとはいえ温度変化で伸縮疲労を繰り返します。
試験データでは施工後10年程度で防水性能は約80%、20年で50%以下に低下するとされ、ピンホール状の穴から入り込んだ水が野地板に染み込みます。
雨漏りは「瓦のヒビ」より「ルーフィングの寿命切れ」が原因になるケースも少なくありません。

棟板金は固定クギの緩みから始まる“点”の浸入路

スレート屋根やガルバリウム鋼板屋根の頂点を覆う棟板金は、室内の熱膨張で押し上げられ徐々にクギが浮きます。1 mmの隙間でも吹き上げる風雨があれば毛細管現象で水が内部へ。
特に、真田・松代など内陸盆地で季節風の強いエリアでは 15 年を待たずにクギが抜け落ちる例もあります。
板金そのものは錆びずとも、下地の貫板(木)が腐れば一気にズレが生じ、雨漏りの速度が加速します。

瓦・スレートの割れやズレは“見える雨漏りに”

瓦の欠け、スレートのクラックは肉眼で確認しやすく補修もしやすい反面、「見つけやすいは、すでに他の部分も傷んでいる」サインとなることが。
繰り返される凍結と解凍で瓦の端が剥離し、その下の防水シートも細かく裂けている可能性が高いです。
瓦を交換しても雨漏りが止まらないケースでは、必ずルーフィング張り替えも検討しましょう。

雨樋・外壁・開口部も要注意

雨樋の詰まりは“局所的な滝をつくる”

落ち葉や泥で詰まった雨樋は、水が外壁にまとまって落ちる“局所的な滝”を作ります。
長い間、同じ場所に降りかかる外壁は特に劣化が進行する可能性があり、内部に入った水が乾燥と湿潤を繰り返すことでヘアークラック(髪の毛大の割れ)が拡大。
クラック幅0.3 mmを超えると内部の透湿防水シートまで雨が到達し、室内壁のボードを湿らせ始めます。

外壁クラックとサッシ周りの隙間

モルタル外壁の古い家では、乾燥収縮や地震のひび割れが雨水の進入口に。
さらにアルミサッシが古くなるとシール材が硬化収縮し、晴れた日でも光が漏れるほどの隙間ができることも。
「屋根を直したのに直後の台風でまた漏れた」 というときは外壁・サッシからの浸水を疑うべきです。

放置すれば構造・健康・資産価値が下がる

屋根裏の湿気は断熱材を“ただの湿った布”に変える

グラスウール断熱材は一度濡れると多くの水を含み、乾燥させても復元率は70%程度。
断熱性能が落ちると暖房費が年間 15〜20%余計にかかる試算があるといいます。
湿気はカビ胞子を撒き散らし、呼吸器疾患のリスクを高める点でも見逃せません。

構造材の腐朽とシロアリ被害に

含水率20%を超えた木材は3週間で腐朽菌が繁殖し始め、ヤマトシロアリが集合フェロモンを感知して寄ってきます。
腐った梁の交換には足場・養生・撤去で100 万円超がざら。
雨漏り修理を20万円台で済ませておけば防げた出費です。

資産価値が減|インスペクションで“全面改修も

中古住宅の売買では、国交省ガイドラインに基づく建物状況調査(インスペクション)が普及。
屋根裏に水染みを発見されると「雨漏り履歴あり」の烙印が押され、評価額が2割以上下がるケースが報告されています。
居住継続のためだけでなく、売却・賃貸計画の観点でも早期修理は必須です。

修理方法と費用目安

修理内容 目安費用(30坪2階建て) 耐用年数 向いているケース
ルーフィング局所張替え 6〜10万円 10年前後 漏水箇所が 1〜2 点で板金健全
棟板金交換(30 m) 10〜18万円 15年 釘浮き多数・板金の錆が進行
瓦差し替え(30枚) 5〜8万円 20年 割れが局所的、ルーフィング健全
屋根葺き替え(ガルバ) 120〜180万円 30年 全面劣化・野地板腐朽あり
カバー工法(金属) 90〜140万円 20年 スレート下地が健全・予算抑制


表を見ると分かるように、“どこまで劣化が進んでいるか”“今後いつまで住むか”で最適解は変わります。
築 25 年以上なら、ルーフィング全張替えかカバー工法を視野に入れないと “修理しても再発する可能性が高く” 二度手間になりがちです。

DIY は“応急処置”に限定

部分補修をDIYするときの鉄則は「原因特定が優先」

市販のシリコンシーラントで瓦の割れを塞いだり、防水テープで棟板金を仮固定する方法は確かに即効性があります。
しかし原因が屋根内部のルーフィング劣化なら根本解決にならないため、シーラントの寿命1年を超える頃に再び漏水するのが普通です。
DIYはあくまで「梅雨前に業者が捕まらない」「台風直撃まで3日しかない」といった緊急回避策と心得ましょう。

DIYでやってはいけない3つの行為

■瓦の強力接着:後の差し替えが困難になり、結局広範囲葺き替えが必要になる
■スレートへ直接コールタール塗布:塗膜に含まれる揮発成分がスレートを脆化
■屋根裏への発泡ウレタン充填:湿気の逃げ場を塞ぎ、腐朽を加速
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雨漏り修理はDIYで行える?

火災保険と公的支援

“風災”認定のカギは「発生日の特定」と「被災写真」

火災保険の風災補償は、台風・突風などがあった日が対象。
発生日が分からない慢性的な雨漏りは経年劣化扱いで不可です。
損保会社へ申請する際は被害発見から3年以内が時効。
屋根材が飛ばされた当日の新聞・気象庁データ、破片の写真を残し、「風災が原因」と説明できれば保険金が下りまる可能性が高いです。

長野県のリフォーム補助金は“耐震・省エネ”が

長野県・長野市の住宅リフォーム補助制度は、断熱改修やバリアフリーが中心で雨漏り単独は対象外。
ただし、耐震改修を伴う屋根葺き替えなら最大50万円補助が利用可能です。
屋根下地の補強と同時に雨漏りを解決する場合は、市役所建築指導課へ事前相談しましょう。

業者選び5つのチェックポイント

①施工実績が 10 年分以上公開されているか
屋根工事は完成直後ではなく5年後の状態で評価すべき仕事。
ブログや SNS で過去の施工例と定期点検レポートを公開している業者は信頼度が高いです。
②点検・見積もり時に屋根へ登るか、ドローンで全景を撮るか
“地上から双眼鏡で確認” だけではルーフィング破れは分かりません。
写真で劣化度合いを見えるようにしてくれる業者を選びましょう。
③見積書に「足場・廃材処分・諸経費」が明記されているか
あとから追加請求されやすい3項目が盛り込まれているか要確認。
諸経費は工事金額の 5〜8% が相場です。
④材料名とメーカー保証年数を提示できるか
塗料やルーフィング材の正式品番が伏せられていると、同等品と称した廉価グレードに変更されるリスクがあります。
⑤アフターメンテナンスの訪問頻度が契約書に明記されているか
「施工後の無償点検」を契約書に記載している会社なら、万一の雨漏り再発時にも逃げません。

“小さな染み”を見つけたら早めの行動を

1. 古い家の雨漏りはルーフィングと棟板金の寿命が主因。
2. 放置すれば断熱・構造・資産価値が一気に崩れ、修理費は桁違いに。
3. DIY は応急処置にとどめ、根本解決は専門業者へ早期依頼。
4. 風災なら火災保険、耐震改修なら県補助金も検討可能。
5. 長野市で依頼する際は実績公開や詳細見積もり、そして保証が選定基準。
「いつかやらないと」と感じたその瞬間が、コストも被害も最少で抑えられる最高のタイミングです。
まずは屋根と天井の写真を撮影し、信頼できる地元業者3社へ無料点検を依頼しましょう。
あなたの古い家は、適切なメンテナンスによってこれからも快適に住み継げる“資産”へと生まれ変わります。

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高橋春彦
専門家

高橋春彦

しろくまペイント(株式会社 霜鳥 塗装事業部)

塗る場所の状態や材質によって正しい塗料を選ばないと、後々問題が起きてしまいます。限られた予算の中で最も良い選択をするには、あらゆる塗料の性能や性質を知り尽くしているプロの目が必要不可欠なのです。

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