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長野市のマンション防水工事、種類・費用・時期・業者選びまで完全解説

高橋春彦

高橋春彦

テーマ:防水工事

「そうそう、そろそろ大規模修繕だけど“防水”は本当に必要?」という悩み
マンションの屋上やバルコニーは、24時間365日、紫外線・雨・風・温度差という自然のストレスにさらされています。コンクリートは頑丈に見えても、防水層が劣化すれば、わずか 0.3 mm のひび割れからでも雨水が浸入し、鉄筋が錆びてコンクリートが爆裂するリスクが高まります。
結果的に修繕費を圧迫しかねない“大工事”へ発展しかねないため、適切な時期に信頼できる工法で防水をやり直すことは、資産価値を守るうえで不可欠です。

マンション防水工事4大工法とその特徴

ウレタン塗膜防水

液状のウレタン樹脂をローラーとコテで塗り重ね、ゴムのような弾性被膜を形成する工法。
段差や立ち上がり、配管まわりに継ぎ目なく施工できるためルーフバルコニーや塔屋周りで高い採用率を誇ります。耐用年数は10~13年、㎡単価は3,500~6,500円。通気緩衝工法を選べば、内部水蒸気を逃がしながら施工できるため、既存防水層が膨れやすい屋上改修に適しています。

シート防水

塩ビ系またはゴム系のシートを接着剤や機械固定で張るタイプ。
工場生産なので膜厚・品質が均一で、10,000㎡超の大規模屋上でも工期短縮が可能です。
耐用年数12~15年、㎡単価は4,000~7,500円。
弱点は端部シールが劣化しやすい点だが、近年は“横葺きルーフィング+誘導加熱溶着”など高耐久ディテールが普及しつつあります。

FRP防水

ガラス繊維マットにポリエステル樹脂を含浸させ硬化させるため、1㎡あたり2 kg前後と軽量かつ自動車並みの耐衝撃性能を発揮。
高層マンションのペントハウスやヘリポートのような「荷重制限が厳しい場所」に採用されます。
耐用年数は10~15年、㎡単価5,500~9,000円。臭気と硬化熱が強いため、住戸直下の居室換気計画がポイントです。

アスファルト防水

改質アスファルトシートをバーナーで溶着して何層も重ねる“積層構造”が特徴。
耐候性・耐水圧とも随一で、施工後のトップコートメンテを適切に行えば20年以上の長寿命も可能です。
㎡単価4,500~8,000円。ただし施工温度が約200 ℃と高く、バーナー火災リスクや臭気が大きいため、近隣が密集する都市部では施工時間帯や消火体制に注意が必要です。

防水工事を実施すべき3つのタイミング

防水工事① 大規模修繕の周期(築を実施すべき3つのタイミング

外壁補修・給排水管更新と同時に足場や仮設費を共有できるためトータルコストが約2割削減。
長期修繕計画では12年周期が標準になっています。

② 劣化サインが出た瞬間

ウレタン:歩行時に“ブヨブヨ”と感じる/コケ・藻の付着
シート:端部のめくれ/シール亀裂
アスファルト:防水層に皺、気泡
いずれも雨漏りの前兆であり、放置すると補修→部分張替え→全面改修へ雪だるま式に費用増。

③ 前回防水から10年以上経過したら専門点検

トップコートのチョーキング粉化は塗膜が紫外線を防げなくなった証拠。
点検費3~5万円で赤外線サーモ診断を行い、含水域が10%を超えていれば「改修計画を始める合図」です。

費用シミュレーション:1,000㎡屋上を改修したら?

工法 下地撤去 新規防水 合計(税別)
ウレタン通気緩衝 なし 550万円 550万円
塩ビシート機械固定 あり 610万円 700万円
FRP補強工法 なし 680万円 680万円
アスファルトトーチ あり 400万円 550万円


※仮設費・諸経費 20%含む。既存防水層の撤去有無で100万円単位の差が出るため、設計段階での採寸・コア抜き確認が必須。

失敗しない業者選び5か条

1.防水施工技能士1級の在籍と実績年数
2.主要3工法すべてのメーカー施工IDを保有
3.PL保険・工事賠償保険加入を提示
4. 施工中の写真をクラウドで逐次共有
5. 引渡し後の10年保証+年次点検を明示
3社以上の相見積もりを取り、内訳の「下地処理・端部ディテール・材料グレード」を横並びで比較するのがコツです。

住民説明会でよく出る質問と回答例

Q:工事期間中バルコニーは使えますか?
A:ウレタン・FRPは立入禁止期間が2~3日必要。
塩ビシートは1日で歩行可能になる場合もあるが、養生シート上で軽歩行に制限。

Q:臭いはどれくらい?
A:水性ウレタンは低臭だが、プライマーに溶剤臭が出る。アスファルトは加熱臭が強いので在宅人数の多い棟では避けるケースが多い。

Q:雨が降ったら工程は遅れますか?
A:塗膜系は完全乾燥が前提のため順延。シート系は合間で進行できるが溶着作業は乾燥日に限定。

防水工事は“先送りコスト”が最も高い。計画と信頼施工でマンション価値を守ろう

工法選定は「屋上の形状+既存防水+資金計画」の三位一体
12年周期の大規模修繕に合わせ、10年目で診断→12年目で改修が理想
業者は資格・実績・保証・保険の4条件をクリアした会社を指名
放置すれば鉄筋爆裂・漏電・室内カビで補修費が3倍以上に膨張
資産価値と安心を同時に守るために、早期の点検と計画的な防水更新を強くおすすめします。

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高橋春彦
専門家

高橋春彦

しろくまペイント(株式会社 霜鳥 塗装事業部)

塗る場所の状態や材質によって正しい塗料を選ばないと、後々問題が起きてしまいます。限られた予算の中で最も良い選択をするには、あらゆる塗料の性能や性質を知り尽くしているプロの目が必要不可欠なのです。

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