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工事後に水たまりが!?上田市のベランダ防水再発防止完全ガイド

高橋春彦

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テーマ:防水工事

ベランダに「えっ、水たまり?」と思ったことはありませんか?
「雨上がりにベランダが鏡みたいになっている」
「業者に連絡すべきか、自分で何かできるのか判断がつかない」
そんな不安を抱えている方も多いはずです。

実は防水工事後に発生する水たまりには、施工不良とは限らないいくつかの典型的な理由があります。
本記事では原因を深掘りしつつ、DIYでできる応急処置から専門業者に頼むべきケースまで、分かりやすく整理しました。

水たまりの二大原因は「水はじき」と「排水不良」

防水塗膜の“水はじき”が良くなりすぎたパターン


ウレタンやFRPなどの新しい防水塗膜は、施工直後ほど撥水性があります。
塗膜表面の凹凸が少なく、水分子同士がくっつく力(表面張力)が勝るため、雨粒が「玉」のようにころがり広がらず、直径5〜10cmの小さな水滴集合体が点在します。
本来は勾配に沿って転がり落ちるはずですが、微妙な風向・摩擦が邪魔をして端部に届く前に張り付いてしまうことが多々あります。
特に窓サッシ下や室外機の足元など、風が巻き込みやすい“風影”部分は水が停滞しがちです。施工不良ではなく「塗膜性能が高いがゆえの副作用」とも言える現象なのです。

排水不良|詰まりと勾配不足が生む“プール化”現象

砂・落ち葉・鳥の巣・排水口がちょっと詰まるだけで水位は上がる

ベランダ排水口は想像以上に詰まりやすいポイントです。
エアコンホースの排水で運ばれた埃、風で吹き寄せられた砂、秋に溜まった落ち葉、さらにはツバメの巣材まふで、これらがドレンキャップ下の隙間を目詰まりさせ、水が行き場を失って浅いプールを形成します。
また、築年数が経つと下地モルタルが収縮し、元々取られていた勾配が機能しないこともしばしば。
こうなると排水口が塞がっていなくても、雨量が多い日に水がはけ切れず、長時間ベランダに滞留します。
滞留水は紫外線を受けやすい塗膜表面を冷やし、結露や藻の発生を誘発。
最悪の場合、クラックから室内へ漏水するリスクが高まります。

原因と対策の比較表

主原因 発生メカニズム DIYレベルの対策 業者依頼が望ましいケース
水はじき 新塗膜の撥水性が高すぎて水が転がらない 防滑マット・すのこを敷き水分を分散 勾配を再設定しないと常に溜まる場合
排水口詰まり 砂・落ち葉・鳥の巣などがドレンを塞ぐ 定期清掃・キャッチャーネット設置 配管奥で詰まり、通水テストで逆流する
勾配不足 下地収縮や躯体沈下で傾斜が鈍る なし(物理的に不可) 下地樹脂モルタルで勾配修正+再防水

水たまりを放置するとどうなる?3つのリスク

表面劣化の加速とトップコート剥離

滞留水は“レンズ効果”で太陽光を一点に集め、局所的に塗膜温度が上がります。
日中は60 ℃以上、夜間は15 ℃以下へ急降下するため、熱伸縮ストレスでトップコートがヘアクラックを起こしやすい状態に。
クラックが広がると紫外線が防水層深部まで届き、黄変や粉化が進行します。

コケ・藻の発生で美観と防水性能が下がる

水分が2日以上残る環境は、緑藻や黒カビの温床です。彼らは塗膜中の可塑剤を栄養にして増殖し、微細な穴を穿ちながら塗膜を脆くします。見た目が悪いだけでなく、防水層まで到達すると水分の内部浸透経路が確立し、漏水リスクが跳ね上がります。

冬季の凍害で塗膜が“あばれる”

上田市など寒冷地では、滞留水が夜間に凍結し昼に融解を繰り返します。
氷は膨張するため、クラックを内部から押し広げピンホールを形成。
いったん穴が空くと次はそこに水が入り、翌夜さらに大きく凍結膨張。
凍害スパイラルで防水層が数年単位で急激に劣化します。

DIYでできる応急処置

防滑シート or すのこ敷きで“水の接触面積”を減らす

ホームセンターで手に入る細目の防滑シート(厚さ3〜4㎜)を水たまり付近に敷くと、雨粒がシート裏へ分散・拡散し表面張力が緩和します。木製すのこでも代用できますが、防滑シートは軽く丸洗いできるため衛生的。
敷設前に必ずドレン周辺を掃除して排水経路を確保してください。

詰まり解消!ドレンネット設置で再発を防止


ドレン管内の泥を取り出すだけでも流量は大幅改善します。清掃後はステンレス製キャッチャーネットや目の細かいストッキングを被せて、葉っぱや鳥の小枝をブロック。月1回の清掃で詰まりによる滞水はほぼ防げます。

者に依頼すべき3つのサイン


1.水位が1㎝以上残り翌日も引かない
2.排水テストでドレンから逆流音がする
3.勾配レーザーで傾斜1%未満と診断された

これらは下地勾配の再形成または排水管奥詰まりの疑いが高く、プロの高圧洗浄機・樹脂モルタル打設・再防水コートが必要になります。

再防水&勾配修正の相場観

工事内容 面積30㎡モデル 工期 保証年数
下地樹脂モルタル+ウレタン2層 45〜55万円 3〜4日 5〜7年
塩ビシート絶縁工法+改修ドレン 60〜75万円 4〜5日 10年
局所勾配パッチ+トップ再塗装 18〜25万円 1〜2日 3年


水たまりは“防水が効いている証拠”でも放置は禁物

新塗膜の撥水性と排水経路の詰まり・勾配不足が主原因
DIY対策は防滑シート+ドレン清掃で即効性◎
1㎝以上の滞留・逆流音・傾斜不足は業者点検が安全
早めの対応で凍害・藻汚染・トップコート剥離を未然に防止

結論:工事直後の水たまりは珍しくない現象ですが、サイズと水位が増えるようなら早期点検が必須。
小さな手間で、せっかくの防水寿命を最大限に引き延ばしましょう。

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高橋春彦
専門家

高橋春彦

しろくまペイント(株式会社 霜鳥 塗装事業部)

塗る場所の状態や材質によって正しい塗料を選ばないと、後々問題が起きてしまいます。限られた予算の中で最も良い選択をするには、あらゆる塗料の性能や性質を知り尽くしているプロの目が必要不可欠なのです。

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