長野市の一戸建てベランダ防水工事で10万円と25万円、その差の理由とは?
「ベランダの防水をやり直したいけれど、“足場を組むかどうか”で見積もりが大きく変わると聞いて不安…」
「屋上防水は梯子で行けると言われたけれど、本当に安全なの?」
防水工事を検討し始めると、最初にぶつかる壁が “足場の有無”です。
足場は高い安全性と作業効率をもたらしてくれる一方で、30坪規模の住宅でも 15〜25万円程度の費用がかかるため、予算にシビアな施主ほど頭を抱えてしまいます。
そこでこの記事では、「防水工事 足場必要」で
* 足場が必要になる現場条件
* 足場が不要でも大丈夫なケース
* 迷ったときのコスト比較と安全確保のポイント
を、実例と数字を交えながら解説します。
読み終えるころには「自宅の防水には本当に足場がいるのか」「いらない場合どうやって安全を確保するのか」を自信をもって判断できるようになります。
足場の役割を3行でまとめると
1.安全な昇降経路を確保して職人の転落リスクを低減
2.安定した作業床で塗膜厚・止水処理の品質を均一化
3. メッシュシートで高圧洗浄水・塗料飛散をブロックし近隣クレームを防止
これらを踏まえて、以降の章で「足場がいる・いらない」を判定していきましょう。
足場が必要になる5つのシチュエーション
高さが地盤から6mを超える屋上
建築基準法や労働安全衛生規則では、高所作業で墜落距離が2mを超える場合、作業床や手すりなど安全設備を設ける義務があります。
3階建て以上の屋上や、勾配屋根の軒先は地面から6mを超えることが多く、梯子だけでは安定した作業姿勢を保つのが困難です。
屋上防水の主工程であるケレン・プライマー・トップコートはまっすぐ立ってローラーを動かす必要があるため、もし作業者がバランスを崩せば即転落事故につながります。
こうした高所では「本足場」や「ローリングタワー足場」を設置して、四方から手すりとメッシュシートで囲うのが安全面での最低ラインです。
屋外からしかアクセスできないベランダ・ルーフバルコニー
室内階段や窓から直接出入りできないベランダは、資材搬入と職人の往復動線を確保するために足場が有効です。
無理に室内を通すと、塗料や洗浄水で床や壁を汚すリスクが高まるほか、在宅作業が必要になり施主にストレスが掛かります。
足場を組めば外部から直接アクセスできるため、在宅不要・作業時間短縮というメリットが得られ、結果として人件費が抑えられるケースも少なくありません。
外壁塗装や目地シール打ち替えと同時に行う大規模修繕
防水工事単体では梯子で済む場合でも、外壁塗装やサイディング補修など足場を要する別工事と同時に実施するなら、足場を共用した方がトータルコストは確実に下がります。
たとえば外壁塗装で20万円の足場費が発生する場合、屋上防水を同時に行っても足場費は追加ゼロ円。
逆に別々の時期に工事すると足場費が二重発生し、合計40万円近い無駄が生じます。
築10〜15年のタイミングで外装系メンテナンスを“同時に”するのが資金効率の面で最も合理的です。
太陽光パネルや複雑な給排気設備が並ぶ屋上
機械室が設置された屋上や太陽光パネルが敷き詰められた環境では、足場がないと人が通れるルートが極端に制限されます。
ローラーやヘラを効率良く動かせないだけでなく、資材搬入も手渡しリレーになり作業時間が倍増。
安全面でも金属部分や段差につまずき転落する危険が高いため「吊り足場」や「棚足場」で作業床を増設するのが定石です。
作業員の安全帯を取り付ける固定点が確保できない場合
無足場工法(ロープアクセス)を検討する際は、ビル屋上にアンカーや親綱支柱を設置できるかが前提条件になります。
古い建物で躯体強度が不足していたり、陸屋根の笠木形状がアンカー設置に適さない場合は、最終的に足場を組むしか方法がありません。
「安全帯を掛ける場所がない」ままロープ作業を強行することは労基署の安全基準に抵触し、重大事故が発生した際は発注者責任も問われるため注意が必要です。
足場がなくてもOKな3つのケース
平屋・2階建て以下で梯子や屋内階段が使える
地面からの高さが6m未満で、屋内外の階段から安全に資材を運搬できる場合は、仮設足場を省略しても作業品質・安全性を保ちやすいです。
代表例は平屋の防水シート貼り替えや、2階建て住宅のバルコニーFRPトップコート再塗装など。
梯子は必ず二連梯子で、下端をアンカーで固定し、上部は屋根鼻隠しにロープで結束するなど転倒防止対策を徹底すると、足場なしでも労働安全規則を守った施工が可能です。
超狭小ビルの壁面でローリングタワーが搬入できない
都心の旗竿地や隣地境界が30㎝しかないテナントビルなどは、足場架設自体が物理的に不可能なケースがあります。この場合、屋上パラペットにアンカーを設けて産業用ロープアクセスで下降しながら防水シールを充填する「無足場工法」が現実的な解決策。
ロープ作業は足場費より10〜20%コストダウンできる一方、作業員一人が同時に扱える材料量が少ないため、広面積のトップコートやシート貼り替えには不向きです。
ベランダ防水を室内搬入で対応できる場合
マンションや戸建てのベランダ防水で、窓サッシが大きく開口できる場合は、室内を通って資材を搬入・搬出し、その場でバケット養生を行えば外部足場を省くことができます。
ポイントは室内床の養生と換気。
シンナー系プライマーを使用する場合は臭気対策として養生シートで通路を完全に覆い、作業時間を日中に限定して住人の生活への影響を最小化することで施工トラブルを回避できます。
足場費用と無足場工法コストの比較表
| 住宅規模(延床) | 工事範囲 | 足場あり総額 | 無足場総額 | 備考 |
| 30坪・屋上防水 40㎡ | 塗膜全面更新 | 85万円(足場20万含) | 78万円 | 足場ありは品質・保証5年 |
| 20坪・バルコニー15㎡ | トップ再塗装 | 28万円(足場7万含) | 26万円 | 室内搬入で足場省略 |
| 狭小3階ビル 外壁防水 120㎡ | シール打替え | 足場スペース無し | 160万円(ロープ) | 足場計画不可のため無足場一択 |
* 面積が広いほど足場費の割合は下がり、足場ありの方がコスパ逆転しやすい
* 無足場は人海戦術になりがちで**保証年数が短い**(3年程度)傾向あり
足場設置時に忘れがちな2つの注意点
近隣挨拶と飛散防止対策
高圧洗浄やプライマーのミストは、意外なほど遠くまで飛散します。
施工3日前まで近隣へ挨拶文と工事日程を配布し、車両には専用カバーを掛けてもらうとクレームを大幅に減らせます。メッシュシートの破れや隙間は毎朝点検し、台風時はシートを巻き上げて風圧を逃がすなど迅速な対処が必要です。
夜間の防犯と照明計画
足場は泥棒にとって格好の侵入経路になります。
防水工事は1〜2週間で終わっても、足場解体までの夜間は施主が心配になるもの。
人感センサー照明の仮設や防犯カメラ(ダミーでも可)の掲示で抑止力を高めましょう。
また、共用灯の電気代を負担する旨を管理組合や近隣に事前説明しておくとトラブルを防げます。
足場の判断は「高さ・アクセス・同時工事・安全・コスト」
1.高さ6m超・転落リスク大・足場必須
2.屋外動線がなく室内搬入困難・足場で効率アップ
3.外壁塗装と同時施工・足場共用でコスト最小化
4.狭小・アンカー不足・ロープアクセスで代替
5.平屋・2階で安全確保可・梯子+養生で足場省略
このチェックを使えば、ほとんどの防水工事で足場の要否を自信をもって判断できます。
最終的には複数業者の現場調査と見積もりを比較し、安全・品質・コストのバランスが最も取れたプランを選択しましょう。
結論:迷ったら安全優先。足場は“高い保険”と心得て検討する。**



