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長野市サイディング補修ガイド|塗料選びで変わる外壁の寿命

高橋春彦

高橋春彦

テーマ:外壁塗装

外壁のサイディングは、張り替えやカバー工法よりも塗装補修がコスト・工期ともに現実的な第一の選択になることが多いです。
ところが
「ひび割れがあるのに上塗りだけして大丈夫?」
「シリコンとフッ素、価格差に見合う効果は?」
そんな疑問を抱えたまま業者任せにすると、塗装工事しても失敗したと感じてしまうでしょう。
この記事では劣化症状・サイディング材質・機能性の3軸から、最適な補修塗料と施工手順をわかりやすく整理します。

塗装補修の前に必ず行う“劣化症状チェック”

1.チョーキング(手に白粉)
2.ひび割れ(幅・長さを確認)
3.目地シーリングの硬化・剥離
4.反り・浮き(板の中央が外へ膨らむ)
5.コケ・藻の付着
これらの症状のどれが、どの程度出ているかで下地処理の工程と塗料の弾性・密着グレードが変わるため、まずは現状を写真に撮って整理しましょう。

サイディング補修塗料5タイプを機能とコストで比較

塗料系統 耐候年数の目安 ㎡単価(材料+施工) 主な長所 主な短所 おすすめ症状
**アクリルウレタン** 8〜10年 2,000〜2,500円 弾性が高く0.3 mm未満のクラックに追従 紫外線で艶引けが早い 細かなひび割れ+色褪せ
**シリコン** 12〜15年 2,500〜3,200円 耐候・防汚バランス◎/コスパ高 伸縮性能はウレタンに劣る チョーキング・軽度藻
**ラジカル制御型** 13〜16年 2,800〜3,500円 樹脂劣化の元“ラジカル”を抑制 色数がまだ少なめ 紫外線の強い南面
**フッ素** 18〜20年 3,800〜5,000円 超低汚染・光沢長持ち 材料費が高く硬膜で割高感 高層・海沿い・商業ビル
**遮熱セラミック** 基材に準拠 +300〜500円加算 表面温度-10〜15 ℃/熱伸縮抑制 白系が中心で濃色が難しい 真夏の室温低減を狙う


ポイント


反り・浮きが顕著な場合は部分的な張り替えや補修を検討。
金属サイディングには、下塗りに**防錆入りエポキシプライマー**が必須。

塗装前の“下地処理”が耐久年数を左右する

1.高圧洗浄(10〜15 MPa)
チョーキング粉と藻を完全除去。
2.クラック補修
0.3 mm未満:カチオンシーラー+微弾性フィラー
0.3 mm以上:Vカット+エポキシ・ウレタン低圧注入
3.目地シーリング
打ち替え or 増し打ち。必ず塗装より先に施工。
4.反り・浮きのビス増し打ち
ステンレススクリュー+パテシールで段差をならす。
下地処理が不十分だと、どれほど高性能な塗料でも5年以内に塗膜剥離が起こるため、工程写真を残す業者を選ぶと安心です。

施工手順と乾燥管理のコツ

1. 下塗り(プライマー/シーラー)
2. 中塗り(同系統色で厚みを確保)
3. 上塗り(所定膜厚到達後に艶消し・艶有りを選択)

● 各層の乾燥時間は気温23 ℃で12時間が目安。
● 湿度85%超や降雨予報がある日は中止。
● 塗膜厚は下+中+上で100〜120 µmが標準。

費用シミュレーション:延床25坪・外壁面積80 ㎡の場合

工程 シリコンプラン フッ素プラン
仮設足場・飛散防止シート 180,000円 180,000円
高圧洗浄・バイオ洗浄 35,000円 35,000円
クラック・目地シール補修 90,000円 90,000円
下塗り(エポキシシーラー) 40,000円 45,000円
中・上塗り材料+施工 380,000円 540,000円
合計(税抜) **725,000円** **890,000円**


※長野市近郊2025年相場。反り板の部分張り替えが入る場合+10~15万円。

業者選びで失敗しない3チェック

1.使用塗料メーカー名と製品名を見積書に明記
2.工程写真+膜厚測定記録を完工報告書で提出
3.自社保証5年+メーカー保証のダブル保証を提示

塗料選びは「劣化症状×機能×予算」の方程式で


弾性ウレタンでクラック追従→シリコンで長持ちがコスパ標準
遮熱・防汚・超低汚染など機能追加は+300円/㎡~で可能
下地処理8割・塗装2割の意識で業者を評価する。塗り斑はざらつきの無い住まいの塗装対象で分かりやすい。
足場代は外壁全体費用の25~30%。屋根塗装や雨樋交換と同時施工が吉

適切な塗料と丁寧な下地処理で仕上げれば、サイディングは15年以上メンテナンスフリーも夢ではありません。
まずは劣化症状を正確に把握し、本記事の比較表を参考に最適な塗料プランを検討してみてください。

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高橋春彦
専門家

高橋春彦

しろくまペイント(株式会社 霜鳥 塗装事業部)

塗る場所の状態や材質によって正しい塗料を選ばないと、後々問題が起きてしまいます。限られた予算の中で最も良い選択をするには、あらゆる塗料の性能や性質を知り尽くしているプロの目が必要不可欠なのです。

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