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【長野市の住宅・工場向け】ウレタン防水の特徴と費用を解説

高橋春彦

高橋春彦

テーマ:防水工事

「屋上のシートが浮いてきて雨漏りが心配」
「古い防水層を全部はがすと費用が跳ね上がるって聞いた…」
「複雑な配管まわりまできちんと防水できる方法はないの?」
平らな屋根やベランダを持つ建物では、防水工事のたびにこうした不安がつきまといます。
実際に長野市で調査をしてきた数割の雨漏りが“防水層のひび割れや取り合いに起因しているのです。
この記事では柔らかい液体を塗って固めるだけで継ぎ目ゼロの防水層がつくれる「ウレタン防水」を、初めての方にもわかりやすく解説します。

ウレタン防水ってどんな工法?

ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂をローラーやコテで何度か塗り重ね、ゴム状に硬化させて防水層をつくる“塗膜防水” のひとつです。
下地にぴったり密着し、複雑な形にもぴたっと沿うため、配管が入り組む屋上や狭小バルコニーで重宝されています。

ウレタン樹脂の3つの特性が防水を支える

柔軟性・建物の揺れに追随して“ひび”を許さない

塗りたてのウレタンはサラサラですが、硬化すると指で押すとわずかに戻るゴムのような弾性があります。
この伸び縮みが、温度差や地震で起きる微細な動きに追従し防水層の割れを防ぎます。
例えば長野市の寒冷地仕様のマンションでは、‐10℃の真冬から35℃の夏まで50℃近い温度差が生じますが、ウレタン防水はこうした厳しい伸縮にも耐えうる柔らかさを保つため、シート防水より長期で“ひびゼロ”を実現している事例が多いのです。

密着性・下地との“すき間”がないから雨水の入り口をつくらな

液体だからこそ、細かな気泡や凹凸まですみずみに流れ込み、硬化後は一体化。
コンクリートや金属、木質系など多彩な下地材に対応します。
逆にいうと下地処理(高圧洗浄・プライマー塗布)を怠ると密着不良が一気にトラブルを呼ぶため、職人の丁寧さが出来映えを左右します。

耐水・耐久性・連続降雨にも耐える“水の盾”

水をほぼ通さない高分子構造と、骨材を混ぜないシームレス仕上げにより、継ぎ目から水が入る心配がほぼゼロ。
雨量の多い信州の梅雨でも安心です。

2つの主要工法を比較


密着工法 通気緩衝工法
----------- ------------------ ---------------------------
仕組み 下地に直接ウレタンを塗布し密着させる 下地に“通気緩衝シート”を敷き、その上にウレタンを塗る
適した下地 新築・既存防水が健全 クラックや含水がある古い下地
厚み 2.0〜3.0㎜が一般的 シート+ウレタンで3.5㎜以上
工期 比較的短い シート張り分だけ延びる
コスト(10㎡あたり) 6〜9万円前後 8〜12万円前後
特徴 軽量で安価/下地ムーブメントに弱い 膨れ・湿気逃げ場を確保/費用高め


なぜ通気緩衝?

既存のモルタルが雨を吸っている場合、密着工法にすると内部水蒸気が逃げ場を失い “風船のように膨れ” あげます。
通気緩衝シートはその蒸気を側面排気する“緩衝層”の役割も担い、古い屋上を壊さずに再生する切り札となります。

メリットとデメリット

メリット1 コストパフォーマンスの良さ

FRPやシート防水と比べ基本単価が安く、既存層を撤去せず上塗りできるため廃材処分費も小さい。
30㎡バルコニーなら密着工法で約35万円が相場です。

メリット2 どんな形状でも継ぎ目ゼロ

ドレン(排水口)や室外機架台など凹凸部に刷毛で塗り込むだけで密着。
複雑なL字・段差でも防水欠損が起きにくいのが液体ならでは。

メリット3 改修時の軽量化で耐震性アップ

塗膜厚3㎜で1㎡あたり約4kg。
重いアスファルト防水(1㎡15kg前後)を撤去せずに被せれば、屋根の荷重を約70%削減でき、耐震診断で有利になる場合があります。

デメリット1 厚みムラや漏水リスク

手作業ゆえ“職人の腕がそのまま品質”に。

デメリット2 乾燥待ちで工期が延びがち

1層目→中1日→2層目→トップコートと最短で3日。ただ下処理や大きさによってはもっと伸びます。
梅雨時や曇天が続くとさらに延びます。
工期を短くしたい場合は寒冷地対応の速乾ウレタンを選ぶ方法も。

デメリット3 紫外線に弱い

ウレタン層自体はUVでひび割れや粉化を起こすため、トップコート(保護塗料)で日焼け止めを施すのが絶対条件。

メンテナンスと耐用年数

ウレタン防水そのものの寿命は8〜10年。
しかし5〜6年目でトップコートだけ塗り替えると、紫外線ダメージをリセットでき、15年超の耐久を実現した例もあります。
トップコート再塗装をする、小まめな手入れが長持ちのコツです。

費用シミュレーション:長野市30㎡屋上を改修する場合

項目 密着工法 通気緩衝工法
------------ ------------ ------------
高圧洗浄・下地処理 28,000円 28,000円
プライマー+ウレタン2層 178,000円 178,000円
通気緩衝シート 60,000円
脱気筒・改修ドレン 15,000円 25,000円
トップコート 32,000円 32,000円
仮設足場(3階相当) 140,000円 140,000円
**合計(税抜)** **393,000円** **463,000円**


ポイント

足場費は高さと面積で大きく上下。隣家が近い長野市街地は養生シートが必須。

ウレタン防水が向いているのはこんな建物

1. 配管や設備基礎が多い屋上
2. 既設防水が古く、でも全部はがす時間も予算も惜しい改修
3. 軽量化したい築古RC造・学校・倉庫
4. バルコニーや外階段など狭小&段差が多い場所

施工を成功させるチェックリスト


1. 資格保有者(防水一級技能士)が現場に常駐するか
2. 厚み測定の写真付き報告書をもらえるか
3. トップコートや保証年数を見積書に明記しているか
4. 梅雨・降雪シーズンの着工日を避ける余裕があるか

ウレタン防水は 「安くて万能」だけれど「手抜きが即トラブル」に直結する工法です。

柔軟×密着で複雑形状もシームレス
トップコート再塗装を忘れなければ寿命10年以上
速乾・高強度タイプの選択で寒冷地工期も短縮
ただし厚みムラと紫外線劣化は要注意

長野市で屋上・バルコニーの防水を検討しているなら、まずは無料点検で下地の含水率と劣化度を測定し、密着か通気緩衝かを選ぶところから始めてみてください。
適切な工法とメンテナンス計画を立てれば「防水は10年ごとの大仕事」から「5年ごとの軽メンテ」へシフトでき、結果的に家計にも建物にも優しい選択になります。

雨漏りは“発生してから”より“発生しないうち”に対策を。
ウレタン防水をメンテナンスして、次の大雨や雪融けを安心して迎えましょう。

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高橋春彦
専門家

高橋春彦

しろくまペイント(株式会社 霜鳥 塗装事業部)

塗る場所の状態や材質によって正しい塗料を選ばないと、後々問題が起きてしまいます。限られた予算の中で最も良い選択をするには、あらゆる塗料の性能や性質を知り尽くしているプロの目が必要不可欠なのです。

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