バイクライフをカバーする販売・修理・カスタムのプロ坂元清志

バイクライフをカバーする販売・修理・カスタムのプロ

坂元清志

新車・中古車の展示は常時300台以上。地元バイクマニアのホットスポット

　宮崎県都城市の都城インターチェンジから、国道10号線を都城市街に向かって車を走らせると、ほどなく見えてくる「バイクショップRPM」の看板。鮮やかな青い文字が目を引きます。
　
　40年近い歴史を持つ同店。週末にはツーリングを満喫するライダーやお目当てのマシンを探す人が訪れ、スタッフとともにバイク談義に花を咲かせています。
　
　国内主要メーカー4社の50ccから1000cc以上と、小型から大型バイクまで豊富に扱うほか、旧車モデルや輸入車、近年じわじわと人気が出てきている三輪モビリティ「トライク」などがずらり。ショールームに収まりきらないほどの多彩なラインアップです。

　「自動車の販売店だった建物を活用したので、敷地が広く天井も高いんです。新車・中古車合わせて常時300台以上が並ぶのは、南九州地域では、なかなか見られない光景かもしれません」と胸を張るのは、代表の坂元清志さん。
　中でもトライクに関しては、大手メーカーの大型モデルの取り扱いにも精通し、マニアからも一目置かれるほどだとか。販売代行や整備だけでなく、オリジナルマシンの製造も手掛けています。

　坂元さんをはじめスタッフは、大手自動車メーカーでメカニックを務めてきた熟練ぞろい。専門的な相談や個別の要望にも、的確なアドバイスと高いスキルで応えてくれます。
　「販売や買い取りのほか、修理・メンテナンス・カスタムのご依頼も大歓迎です。ETCの取り付けや車検まで、バイクライフ全般をサポートいたします」と力を込めます。

大手自動車メーカーで機械いじりに没頭。組織の枠に収まらない仕事への欲求に駆られ、独立を決意

　坂元さんは大学の理工学部を卒業後、日本を代表する輸送機メーカー・本多技研工業の整備部門に配属。現場を重ねるにつれ、知識だけでなく技能や経験をつぎ込んで、難解な課題に挑む〝機械いじり〟に、すっかり魅了されます。

　「大工だった祖父譲りなのか、幼い頃から手先が器用で、4人兄弟の中でもただ一人、父の日曜大工に付き合わされていました。それに整備士は物事をあるべき姿に戻すプロで、忠実に行えば、機械は必ず応えてくれます。その達成感が心地良くて、仕事に没頭する毎日でした」

　連日の残業も苦になりませんでしたが、1980年代当時は、次第に労働者の権利確保に目が向けられ始めた時代。長時間労働の常態化に危機感を抱き始めた企業で、業務改善が進められますが、やる気にあふれた坂元さんには返ってストレスに。徐々に働きづらさを感じるようになります。
　
　組織の枠の中に収まりきらないほどの熱量を持て余していた坂元さん。「時間を気にせず、自分の思うままに取り組みたい」と脱サラを決意し、独立を果たします。
　
　念願通り、存分に機械と向き合える環境を手に入れた坂元さんは、やがて似た経緯を持つ仲間にも恵まれます。

　「社会も自分の価値観も変わりました。今では、スタッフがかつての私のように時間を忘れて集中していると、温かいスープを差し出しながら、『熱くなり過ぎるなよ』と一息入れるよう促す立場にもなりました。だからと言って、情熱ではまだまだ負けていませんよ」

清潔感と行き届いたホスピタリティで、訪れる人に満足のいくサービスを提供

　「当店をご利用いただくのは、40代～60代の中高年の方が8割を占めます。ライダー暦の長い人だけでなく、リタイア後の新しい趣味として免許取得から始める人や、長年のブランクを経て〝リターンライダー〟を称する人など、大人の愛好家が増えています」と坂元さん。
　
　「愛車を通じて得られるものは一つではありません。私どもの企業理念『あなたと社会に価値ある1台を』は、それぞれにとって理想的な、ライディングの世界を広げてほしいという願いも込めています」

　坂元さんの元では、店頭に訪れた人への声掛けを怠りません。心掛けているのは、美容室やバーのような清潔感と行き届いたホスピタリティです。
　「何を求め、どんな仕上がりにしたいのかを心おきなく語ってもらえるよう、明るい雰囲気づくりに、お客さまとのコミュニケーションを大切にしています。『ただカッコいいマシンがないか見学に来た』というお客さまにも、楽しい会話でおもてなししています」

　同店には遠方から足を運ぶ人も多いため、支店展開を検討したこともあるそうです。
　「技術力を維持しつつ、質の良いサービスを提供するマンパワーの確保が難しく、断念しました。そこで、来ていただく代わりに、レッカーサービスのエリアを広げ、私どもの方からお客さまの元へ駆けつける体制を強化しようと模索中です。また、コロナ禍で休止しているライディング講習やツーリングイベントも再開して、みなさんに喜んでもらいたいですね」

（取材年月：2022年1月）

ライディングの世界を広げる充実のサポートで、「あなたと社会に価値ある1台を」

新車・中古車の展示は常時300台以上。地元バイクマニアのホットスポット

大手自動車メーカーで機械いじりに没頭。組織の枠に収まらない仕事への欲求に駆られ、独立を決意

清潔感と行き届いたホスピタリティで、訪れる人に満足のいくサービスを提供

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