<ダイヤモンド:顕微鏡で見ると別世界>婚約指輪のダイヤモンドは、これくらいこだわりたいですね
私が持つ「宝石鑑定士(GG)」という認定は、アメリカの米国宝石学協会(通称:GIA)という宝石学機関のものです。日本にはこのような機関はなく、やはり宝石やジュエリーというのは「世界規模」での事業ですから、致し方ないのかもしれませんね。
その米国宝石学協会(GIA)のホームページ(http://www.gia.edu)には様々な宝石やジュエリーや鉱物学に関する情報が掲載してあります。その中で、私からみなさんにお伝えしたい部分を抜粋し、私のコメントも付加した形でお届けしたいと思います。
ダイヤモンドについて
ダイヤモンドは自然の最も貴重で美しい創造物の一つです。
事実、宝石の中で最も硬いダイヤモンドは、炭素という一つの要素のみで構成されています。 無色の特質と純粋さが高く評価されています。 ほとんどのダイヤモンドは太古(10億年以上前)にできたもので、地球の奥深くで形成されています。(私たちの想像を絶するような地中と環境下で出来ます。)
ダイヤモンドはその特徴的な化学組成や結晶構造から、鉱物界の中でも独特な存在となっています。
ダイヤモンドは単一の元素からなる唯一の宝石で、通常約99.95%の炭素からできています。 残りの0.05パーセントは、ダイヤモンドの本質的な化学組成ではない原子から成る1つ以上の微量元素を含んでいることがあります。 微量元素によっては、ダイヤモンドの色や結晶形状に影響を与える場合があります。
鉱物の形成方法は、その固有の性質に影響します。
ダイヤモンドは、地球の表面の下、特定の深さの範囲(約100マイル付近)にのみ存在する高温高圧の条件下で形成されます。 ダイヤモンドの結晶構造は等軸晶系で、炭素原子が基本的に全ての方向に同じ方法で結合しています。
もうひとつの鉱物、グラファイトも炭素のみでできていますが、その形成過程と結晶構造は非常に異なっています。 (わかりやすく言えば、みなさんご存知の「鉛筆の芯」です。)
その結果として、グラファイトはそれを使って文字を書けるほど柔らかいですが、ダイヤモンドは非常に硬いために、ダイヤモンドに傷をつけることができるのは別のダイヤモンドだけです。
その要素のどれが欠けたとしても、ダイヤモンドは全く別の鉱物になっていたでしょう。 けれども幸いなことに、化学組成、結晶構造、および形成プロセスのこの特別な組合せにより、ダイヤモンドの性質は特に優れたものとなっています。
皆さんが手にするダイヤモンドとは、そのくらい希少なもの!
なんですね。
<宝石品質のダイヤモンドは、元の結晶形状からどのように形成加工されようとも、他の宝石には見られない輝き、きらめき、ファイアー、純度の複合された性質を持ち合わせている>
<成形加工されたものであれ原石であれ、また、その形状がいかなるものでも、すべてのダイヤモンドは同じ化学組成そして同じ内部結晶構造を有している。>