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コラム
伝統技法 大工編
2020年7月19日 公開 / 2020年7月20日更新
日本の住宅は、~昭和30年代後半くらいまでは
ほとんどが、伝統工法という昔ながらの
建て方で建てられていましたが
戦後の住宅不足を解消するために
一定の耐久性や強度を一律に保つ方法として
「在来工法」という今建てられている工法へと変わりました。
しかし、そのことにより昔ながらの伝統工法というものが衰退し
本当の技術を持った大工が居なくなってきています。
伝統工法のメリットは、木組みと言われる継手や仕口で部材をつなぎ
貫や差し鴨居、足固めなど色々な部材が
地震に抵抗する造りになっていて
揺れながら地震力を逃がし構造そのものが揺れに抵抗します。
一方、在来工法は、構造そのものには揺れを止める力はありません。
揺れを止めるのは、筋違いという斜めの部材で突っ張ることにより
地震に抵抗します。
筋違いの位置が偏ったり、バランスが悪いと
計算上 OK でもねじれ現象が起きて倒壊することもあります。
実際、熊本の大地震では今の耐震基準の家でも被害が出ています。
伝統工法のデメリットは、加工に時間がかかることです。
一つ一つ 「手刻み」 で加工して行って組み立てるので
大きさにもよりますが約一ヶ月半~2ヶ月くらいかかるのに対し
在来工法は、プレカットという機械で加工を行うため
大きさにもよりますが、2日くらいで加工が終わります。
他の電化製品や車など工場生産の大量生産、大量消費材は
お客様の要望を聞かずに、マーケティングによりニーズを捉え
ヒット商品を生み出していきますが
住宅の場合、1軒1軒のお客様の生活スタイルや好みを伺いながら
建てていく「注文住宅」が主流ですが
だんだん他の消費材と同じような
感覚で建てられることが増えてきています。
その反面、自分だけの個性的な住まいを求める方も増えてきているように思います。
個性的な住まいづくりを実現するために
設計も大事ですが、現場の大工技術や左官技術の継承も重要な課題です。
伝統技法を今後継承していくために
文化庁の文化遺産総合活用推進事業により
職人塾が開催され、伝統技法の継承に力を入れています。
宮大工の棟梁に
木組みの模型で解説していただきました。
この素晴らしい技法を後世に残していくように
今後の家づくりを行って行きたいと思います。
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