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100年先も手を合わせ、お参りできるお墓を目指し、地震に強い耐震施工と見えない部分にも配慮

震災の経験を活かした地震に強いお墓づくりのプロ

佐藤準

佐藤準 さとうじゅん
佐藤準 さとうじゅん

#chapter1

地震に備えた耐震・免震補強と、お墓内部への浸水に配慮した防水構造を採用

 「お墓づくりは多くの方にとって一生に一度のこと。100年先もご家族が大切な人のもとで手を合わせ、安心してお参りできる場所になるよう、心をこめてお手伝いいたします」

 そう語るのは、宮城県で墓石販売・施工を手掛ける「佐藤新作石材」の5代目・佐藤準さん。自社工場で職人が石の加工や文字彫刻などを行い、お墓の設計から施工まで一貫して担っています。

 「東日本大震災を経験し、地震からお墓とご家族の想いを守り抜くことこそが石屋の責務だと痛感しました。以前は追加費用をいただいていた耐震施工を、現在はすべての新規建立で標準仕様としています」

 地震による倒壊に備え、地盤を固める基礎工事から徹底。基礎にはダブル鉄筋を配し、外柵は基礎と石と石の継ぎ目をステンレス製の金具で補強。墓石は家名などを刻む竿石から下台までを貫通式ステンレス棒を2本設置、納骨堂と下台もステンレス耐震棒で固定。京都大学防災研究所での振動実験を経て、愛媛県の「ボイス」が開発した免震ゲル「泰震(たいしん)」も採用し大きな揺れを吸収・分散させることで、地震に強いお墓づくりを追求しています。

 佐藤さんは、納骨室への雨水の浸入を防ぐため、兵庫県の「第一石材」が開発した独自構造墓石「信頼棺®」も導入。雨水の侵入だけでなく、ヘビやハチなどの害虫の侵入や営巣を抑えることにもつながると言います。

 「納骨の際、お墓の中が水浸しになっていたケースは少なくありません。外部からの雨水の浸入を防ぐとともに、ゼオライトという調湿材をカロート内に施すことで、湿気やカビにも配慮しています」

 先祖をまつり、故人をしのぶ「心のよりどころ」を永続させるため、見えない部分にも配慮した施工を心掛けています。清掃・磨き直しといったメンテナンスや、解体・再建、耐震対策などのリフォームも請け負っています。

#chapter2

現場で得た知見と施工技術をもとに、デメリットも含め情報を伝えるのが石屋の役割

 学生時代は野球に打ち込み、卒業後は郵便局で、配達員をしていた佐藤さん。家業は「いずれ継ぐことになるのだろう」と漠然と考えていたものの、当時はまだ具体的な時期や覚悟までは決まっていなかったそうです。

 「弟が『石屋をやろうかな』と言い出したとき、不思議と迷いが消え『自分がやるべき』と腹が決まったんです。2001年に入社し、最初の10年間は職人として現場に立つ毎日でした。土を掘り、切削・研磨した石を運んで据え付ける中で、石の特性や施工のノウハウを体得した経験が、デザイン性や地震に強い構造・耐久性を考えたプランニングで大いに役立っています」

 採掘量が少なく希少性が高いなど、石の値段が決まる仕組みや、硬度や色つやのような産地ごとの特徴も把握。石に触れることで養った知見をもとに、柔らかく微細な装飾を入れやすい一方で、傷や欠けが生じて風化しやすいといったデメリットも、包み隠さず伝えるのが佐藤さんの信条です。

 「昨今はインターネットで手軽に比較検討することができます。一生懸命石種の良し悪しなどをご案内しても、相見積もりを取った結果、安い方で契約される悔しい場面も多々ありました。お客さまのためにも学び得た知識をすべてお伝えし、丁寧に提案することが、地域に根差して供養の場を支える石屋の役割だと自負しています」

 安売りで競争するのではなく、納得感のあるお墓づくりをサポート。石の特徴や地震に強い施工方法について丁寧に情報を届けることを心掛けています。

佐藤準 さとうじゅん

#chapter3

お墓を守る仕事に誇りを持ち、石屋の価値を次世代へ承継

 近年は少子化などを背景に、海洋散骨や樹木葬といった選択肢が広がり、新しくお墓を建てる人は減少傾向に。時代の変化を受け、佐藤さんはSNSを通じた情報発信に力を入れ、日本石材産業協会の価値創造委員会に参画。日々の原動力となっているのは、石屋という仕事を次世代へつないでいきたいという強い意志です。

 「先細りする状態では、胸を張って息子に『家業を継いでくれ』とは言えません。石屋の存在意義を伝え、若い人たちがやりがいを持てる業界にしたいんです。培ってきた技術で一つ一つの墓石を守り抜く実直な姿勢を示すことが、職務に対する誇りになると信じています」

 それぞれの思いに寄り添うため細やかに対話を重ね、図面の手直しが20回を超えることも。伝統的な和型、現代的な洋型、重厚で洗練された雰囲気の和洋型を手掛け、施工工程の記録を写真と併せて提出。開眼式や納骨など引き渡し後も伴走支援し、万が一に備えて10年保証も用意。お墓を建てる人に、表面的な価格では測れないサービスの本質を知ってほしいとアフターフォローも充実させています。

 「今はオンラインで墓石を安く買うことができますが、画像で色味や質感をつかむのは難しく、石目の詰まりなど耐久性も見当がつきにくいのが難点です。石の種類や持ち味、耐震・免震工法などを丁寧にご説明しますので、まずは一度プロの話を聞きにいらしてください」

(取材年月:2026年7月)

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佐藤準

震災の経験を活かした地震に強いお墓づくりのプロ

佐藤準プロ

石材店経営

株式会社佐藤新作石材

東日本大震災の教訓から、すべての新規建立墓石で耐震施工を標準化。免震ゲルを採用し、納骨室には雨水の浸入を防ぐ『信頼棺®』を導入。基礎や内部など完成後には見えない部分まで丁寧な施工を徹底しています。

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