「配偶者がいる方」のための遺言書の書き方
遺言書を書く時の老後の「住まい」に関する確認
こんにちは、「遺言作成・相続手続きサポート」宮城県名取市まさる行政書士事務所 菅野勝(かんのまさる)です。
今回は、【遺言書の書き方講座 将来の状況変化編 vol.1】として、『遺言書を書く時の老後の「住まい」に関する確認』をご案内します。
遺言書を作成する皆様共通のメリット・理由は、相続開始時に面倒な遺産分割協議書が不要となり、相続手続きを円滑に進められることです。
遺言を作成しようと思った時に知っておきたいチェックポイントを解説します。
遺言書を作成してから、実際に遺言の効力が生じる(遺言者の死亡)までに時間的な経過による状況変化が想定されます。考えられる将来の状況変化も踏まえた遺言書作成の必要性をご案内します。
老後の住まいが自己所有の場合
現在自己所有の自宅に住んでいる場合、相続開始までそのまま居住を希望することがほとんどかと思います。
そしてその住まいをそのまま相続人のいずれかに使用してほしいと考える方が多いのではないでしょうか。
そのためには、今後その住まいを所有し続けることができるかどうか検討が必要です。
老後の住まいが賃貸の場合
現在の住まいが賃貸物件の場合は、今後も賃料の支払の必要が生じます。また、契約更新の際には更新料の支払いが必要になります。
今後の賃料、更新料の支出は、収入への負担となり、場合によっては金融資産等が減少していく原因になります。
想定される今後の居住期間に必要な賃料などが、今後の収入でまかなえるか、不足する部分のために他の財産がどの程度減少するかを見通す必要があります。
現在の住まいについて毎月かかる費用
現在の住まいが所有物件の場合は、固定資産税・都市計画税などの公租公課、マンションなどの区分所有物件の場合、管理費・修繕積立金の確認が必要です。
公租公課については毎年の納税通知書で確認ができます。管理費・修繕積立金などは、規約を確認します。
現在の住まいが賃貸物件の場合は、賃料・管理料・更新料等の今後の支出の把握が必要です。
賃料・管理費・更新料などは、賃貸借契約書を確認します。
所有物件について将来予想される費用
建物のこれまでの修繕履歴などから、必要な費用に見当を付け、その負担時期と必要な額の予想を立てておくおく必要があります。
また、マンションの場合は大規模修繕時の負担金も検討しておく必要があります。
しっかりした長期修繕計画があって、十分な修繕積立金が積み立てられている物件ばかりではありません。
管理組合・管理会社に問い合わせて、将来負担金が必要となる可能性がないかを確認する必要があります。
今回は、以上となります。