大人ワークショップ 絵画療法・体験教室

阿部由美

阿部由美

 芸術療法研修後の第一弾として絵画療法体験会を開催致しました。周知のためのポスター掲示や新聞のイベント情報掲載などをお願いして実際の体験会に臨んだのですが、それに関する現状のお話から始めたいと思います。まず有料(1,000円)という時点で公民館や公的施設(図書館や~センター)などは懸念され掲示に至らず、可能だったのは文化センター、観光交流館、道の駅などでした。また新聞掲載については反応がありまして、体験に足を運んでくれた方々もいらっしゃいましたが、まず新聞購入者の減少という現実も今後念頭においていく必要があるでしょう。SNSでの投稿も致しましたが、フォロワー数の増加によって期待されるものと推察されます。
 
 さて、今回は個別対応の体験会ということで当事務所でワークショップの開催となったのですが、上記公的機関ではその施設開催ならば、または公的機関・NPO機関などとの協賛や共同開催ならば、というお話も頂きました。となれば集団体験会という形になることが予想されます。可能かもしれないけれど療法的な意味合いからすると、表面的な触れ合いだけに終わりそうです。悩ましい問題です。
 
 体験会ではポスターに載せた「対象者」という欄に沿ってテーマを決め、描画を始めてもらいました。「対象者」としては"もっと楽しく過ごしたい方”"今のままでいいのかな?と時々考える方”"何がしたいか、わからない方”"イライラしてしようがない方”"いろんなことにうんざりしている方”とまあまあお元気な方からかなり具合悪くしている方まで幅広く想定致しました。ここで思ったのが、自分がポスター掲示を依頼した場所は元気で快活に人生を送っていらっしゃる方々が集う場所(公民館やら文化センター・道の駅など)で、そもそも心理カウンセリングや相談など危機的な問題としてあまり必要としない方々の動きがある場所でした。またもっと深刻な人々はそういう場所に踏み込む気がしない、というのが実際の状況でしょう。どこに向かって周知活動をすればいいのか、大いに検討される課題です。
 
 最後に絵画療法を体験された方の一例をご紹介します。「星と波」というタイトルで絵を描いて頂きました。必要な教示をお話しした後、実際に絵を描き進めるのですが、自分は柔らかに見守る体制をとります。最後に仕上がった絵を挟んで二人でその絵を味わいます。何をどう考えて描いたのか、どんな海なのか、波はどうなのか、星の様子、空の様子、筆圧にも注意します。そして用紙の右面・左面に描かれていること・いないこと、その違い・変化があること、ないことなどを話し合っていきます。事情がある方だったので前半から涙が出ます。話の場面ごとにいろいろな思いが溢れ、何度も何度も涙が出ます。ゆっくりお話ししていくうちに笑顔が見られるようになりました。生活の中のポジティブな部分を共有し、ネガティブな部分も受け入れながら、両方自分の大事な現実または気持ちとして前向きに歩んでいけるようご支援致しました。お帰りの際にはご自分の気持ちをいくらか整理なさったようで、出向いたことを良かった体験として持ち帰られたご様子にこちらももやもやなしで次の作業に迎えました。

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阿部由美
専門家

阿部由美(精神保健福祉士、認定心理士)

あべ相談事務所

介護サービスに関する困りごとと、介護を担う家族の心の不安、その両方の相談に対応。介護施設で生活相談員として10年近く現場に携わった経験を生かし、傾聴を重視しながら一人一人の気持ちに寄り添います。

阿部由美プロは河北新報社が厳正なる審査をした登録専門家です

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