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関節の本来の動きを取り戻す徒手療法で、慢性的な腰痛を改善に導く

腰痛に対する徒手療法に力を注ぐプロ

山添善博

山添善博 やまぞえよしひろ
山添善博 やまぞえよしひろ

#chapter1

原因不明の腰痛に、「AKA-博田法」を参考にした診断と治療を実施

 長引く腰痛に、「原因がはっきりしない」「鎮痛薬が手放せない」と困っていませんか。「山添医院」院長の山添善博さんは、腰痛をはじめとした慢性的な痛みの治療に力を入れています。

 「腰痛の8割以上は、原因不明とされる〝非特異的腰痛〟です。腰痛に限らず、痛みを引き起こすのは、神経の圧迫や炎症などの異常によるものと考えられてきました。そのため、レントゲンやMRIなどの画像診断で、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの異常がなければ、原因不明とみなされます。一方、近年、関節の動きが悪くなる関節の機能障害も痛みの要因になるとの研究が進んできました」

 山添さんが関節機能障害の診断および治療に取り入れているのが、関節運動学に基づく治療法「AKA(Arthrokinematic Approach)-博田法」を参考にした方法です。1979年に医師の博田節夫氏が研究開発しました。
 「徒手療法により関節の動きをよくすることで、痛みを改善に導きます。腰痛のほか全身の関節の動きに大きく関わるのが、骨盤にある仙腸(せんちょう)関節の機能障害です。可動域が1~2ミリとほんのわずかしか動かない関節ですが、少しずれただけで過緊張状態になるため、正しい位置に戻し、元の動きを取り戻すよう働きかけます」

 画像で椎間板ヘルニアなどの異常が認められても、仙腸関節への徒手療法を施すと痛みが緩和される例も少なくないとか。
 「もちろん手術が有効なケースもありますが、痛みの原因は関節の不具合にあることも多いのです。施術後の経過を把握することは、手術を適応すべきかどうかの見極めにも役立ちます」

#chapter2

自身の治療経験を機に、徒手療法の技術力を高めて悩みに寄り添う

 これまで数多くの患者に向き合ってきた山添さんですが、自身も、腰や首の痛みに長年悩まされてきたそうです。
 電気治療や処方薬などの対症療法では回復に向かわず、何とかできないかといろいろ調べたところ、AKA-博田法にたどりつきました。実際に徒手療法を受けて大きく改善したことが、治療に取り入れるきっかけになりました。

 同じように困っている患者のためになればと、学会の研修などに参加。技術の習得に努めました。
 「一人一人にじっくり時間をかけられるよう予約制にしています。AKA-博田法を参考にした治療は、全身の力を抜いた状態で関節をゆっくり動かしていく難易度の高い手技です。適切にアプローチできるように研さんを積み、今では軽度から重度まで幅広い症状に対処できるようになってまいりました」

 山添さんは、腰だけでなく、首や足のしびれ、股関節や膝、肩などさまざまな部位に対応。滋賀など他府県からわざわざ来院する患者も多いとか。
 「症状によっては、一度の施術で終わらず、1週間ごとに回数を重ねるケースもあります。軽やかな表情で帰っていく姿を見るのが何よりもうれしいですね」

 関節の不具合は日々の姿勢が大きく影響するそうで、特に猫背は注意が必要。仙腸関節の位置がずれ、負担がかかると言います。
 「猫背にならないよう意識することが腰痛の予防になるため、当方では正しい姿勢についてもお伝えします」

山添善博 やまぞえよしひろ

#chapter3

総合的な診療体制で、地域医療に貢献

 「山添医院」は、京都市北部、下鴨神社のほど近くにあります。山添さんの父の代から50年以上、地域医療を支えてきました。外科、整形外科などを標榜し、幅広い疾患を扱っています。
 「症状が出ているところだけでなく、内科を含めた体全体を見て総合的に判断することを心掛け、患者さんのお話にきちんと耳を傾けることを大事にしています」

 医院を引き継ぐ以前は、大腸、肛門を専門とする外科医として、学会活動なども積極的に行ってきた山添さん。当初赴任した病院で、内科や整形外科、泌尿器科、皮膚科などの医師らに自ら頼み込み、外来診療や手術などに立ち会って実地でノウハウを身に付けました。
 「外科手術を担当する患者さんが持病をお持ちのことも多く、ほかの科の疾患も理解した上でより良い治療を選択できるようにと考えました。今でも、患者さんのさまざまな相談に応えられるよう、常に幅広い知見を得るようにしています」

 今後も自身の技術を高めながら、AKA-博田法の名を広く普及させたいと意欲を語ります。
 「体の痛みが続くと、生活の質(QOL)の低下にもつながります。一般的によく知られる、内服薬や湿布などの薬物療法や、電気や温熱などの物理療法以外にも、治療の選択肢があることを、もっと多くの方に知ってほしいですね。病気や不調を抱え困っている人を助けたいという思いは、医師としての原点です。必要な人のもとに、適した治療を届けていきます」

(取材年月:2023年5月)

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山添善博

腰痛に対する徒手療法に力を注ぐプロ

山添善博プロ

医師

医療法人 山添医院

関節の動きを取り戻す徒手療法「AKA-博田法」を参考に取り入れ、原因不明とされる腰痛の根本改善を目指します。10年以上、技術の研さんに励み、腰のほか、首や肩、膝など慢性的な痛みに幅広く対応しています。

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