爪や足のトラブルを幅広い目線でサポートするプロ木下淳

爪や足のトラブルを幅広い目線でサポートするプロ

木下淳

「足をきれいに健康に」をキャッチフレーズに、トータルなフットケアのサービスを提供

　京都府綾部市の中心にある南西町商店街。にぎやかな表通りと赴きを異にする一筋東の落ち着いた道に面して、「足の専門店Totalフットケアサロン綾」があります。
　駐車スペースからは、バリアフリーで入店できる店内には、プライバシーにも配慮した個室の施術室を用意しています。
　
　「足をきれいに健康に」をキャッチフレーズに、トータルなフットケアサービスを提供するのは、総合病院での糖尿病療養指導の看護師経験を持つフットケアスペシャリストの木下淳さん。

　「爪の悩みで多いのが巻き爪です。ほかに団子状や貝殻状、爪水虫などによる変形、深爪や陥没など多種多様あります。足のトラブルでは、タコや魚の目、かかとのひび割れなど。『夏でも素足になれない』『お気に入りの靴が履けない』というものから、『痛い、しびれる、冷える』といった日常生活を困難にしてしまうものまで数多くの悩みが寄せられます」

　木下さんは「とにかく早く痛みを取りたい」「長年のコンプレックスを根本的に解消したい」という声に応え、状態に合わせて手技や器具を使った施術と矯正を行います。

　「例えば巻き爪には、特殊な矯正用の薄い透明プレートを貼ります。1度である程度まで広げられるので、痛みがある場合でもかなり軽減できます。希望によっては、約1カ月ごとに様子を見ながら、再発しにくい状態まで整えることも可能です」

糖尿病療養指導専門の認定看護師として勤務先の医療機関で「足の困りごと外来」を開設

　糖尿病療養指導専門の認定看護師とは、院内の各診療科を横断して、医師の指導のもと、糖尿病患者のケアを行う専任看護師。木下さんは、15年以上の公立の総合病院勤務の中で、合併症のリスクが高い患者を中心に担当してきました。

　「成人病の一つである糖尿病は国内での患者も多く、合併症による足の病変による重篤なケースでは、足そのものを失うこともある病気です。日頃から水虫や細菌感染、傷や腫れなどがないかの観察や対処が欠かせません」

　職務に携わるうち、特定の病気に特化した足のケア体制は充実しているのに、それ以外の足のトラブルについては、専門の窓口すらないことに疑問を覚え始めた木下さん。
　そこで病院に働きかけ、医師とともに「足の困りごと外来」を開設すると、　　「どの科を受診すればいいのかわからなかったので、助かった」と言う人が次々と訪れたそうです。

　「総合窓口となり、ケアや予防的な指導のほか、原因を分析して内科や形成外科へつなぐこともありました。子どもから高齢者まで、年齢やトラブルの程度に関わりなく、さまざまな足の状態に悩まされている人は、想定以上でした」

　一方で、投薬や手術といった医療分野だけではなく、別の技術やアプローチによって、不便を回避したり、理想とする爪や足に近づける方法があることも知ります。
　「生活の質という面でも、意識が広がっているのかもしれない」と確信した木下さんは、「幅広い視点から、もっと多くのニーズに応えたい」と、医療以外の分野にも目を向けた新しい拠点を自ら開設しました。

「足を大事にする文化づくり」をテーマに、さまざまな情報を発信

　「足のトラブルは年齢、性別に関わらず、生活全般の快適さを損なうもの。ほかの心身の不調にも影響するかもしれません。見た目のコンプレックスも、あきらめたりがまんしたりせずに、相談を」と呼びかける木下さん。

　「当方では、足の悩みを抱える多くの人のために、常に適切な対応やケアが届けられるよう、『美容と医療の懸け橋』を目指して連携を図っています」
　言葉の通り、現在もサロン運営の傍ら、内科クリニックのサポート看護師として、医療現場に携わっているそうです。
　
　さらに活動の場を広げようと、本業とは別に、地域のボランティア活動にも参加。
　地域の集会所やイベントで、足の悩みについての無料相談会を実施するほか、要望があれば、出張セミナーにも赴いています。

　また地元ローカル新聞には不定期で「足の健康づくり」のコラムを執筆中。
　「知っておいてほしい自宅でできる爪のお手入れのコツ」や「簡単な足の筋力トレーニング方法」といった豆知識を紹介し、「足を大事にする文化づくり」をテーマに、さまざまな情報を発信しています。

　「優しかった祖父母の印象が強く、ケアの道を目指しました」と話す一方、高校野球部出身の経験を生かし、地元の少年野球チームでコーチを務める木下さん。
　「体を支え、運ぶために毎日、酷使されている足。リラクゼーションや美容、医療と、なるべくたくさんの視点で見てあげませんか」
　どの世代にも温かな眼差しを注ぎ、見守っています。

（取材年月：2023年8月）

「足を大事にする文化づくり」を目指し、幅広い目線のフットケアで生活の質を向上

「足をきれいに健康に」をキャッチフレーズに、トータルなフットケアのサービスを提供

糖尿病療養指導専門の認定看護師として勤務先の医療機関で「足の困りごと外来」を開設

「足を大事にする文化づくり」をテーマに、さまざまな情報を発信

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