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「Made in Japan」品質の音声通信技術で、企業の内線通話システムをサポート

ソフトフォンを専門とする音声通信技術のプロ

岡崎昌人

岡崎昌人 おかざきまさと
岡崎昌人 おかざきまさと

#chapter1

国内開発した高品質のソフトフォンアプリを提供し、通信コストの削減を導く

 テレワークの広がりとともに、社外で、会社宛ての外線や内線に応対できる通話システムへのニーズは高まっています。スマホやパソコンに専用アプリを導入し、インターネット経由で通話ができる音声通信技術であるソフトフォン。京都府向日市に拠点を置く「ageet(アギート)」は、ソフトフォン領域に特化したアプリ開発と技術コンサルティングを手掛けています。

 代表取締役社長の岡崎昌人さんは、エンジニアとしてVoIP(Voice over IP)など音声技術の開発に20年以上従事。自社開発のIP電話アプリ「AGEphone(エイジフォン)」は、NTTグループをはじめとした大手通信事業者も利用するなど、法人ユーザーだけでも、4万を超える拠点で導入され、60万人以上のアカウント利用を誇ります。
 「外注は一切行わず自社内ですべて開発し、クリアな音質や安定性など〝Made in Japan〟の品質を追求しています。国産ならではのセキュリティ面やアフターサポートを評価いただくことが多いですね。代表番号から内線で個人に回す日本独自のビジネスフォン文化を熟知しているため、スムーズな社内コミュニケーションをかなえます」

 岡崎さんのもとでは、従業員100人以上の企業に向け、「AGEphone」の導入をサポート。WEB電話帳などの機能追加やカスタマイズ、通信事業者やIP電話サービスプロバイダ向けのOEMにも対応します。
 「国内のIP-PBX(電話交換機)に連携でき、大規模なリプレースなくコスト削減が可能です。また、チューニング技術に精通し、通話品質の改善もお手伝いできます」

#chapter2

通話の秘匿性を高めるシステム構築など、難しい案件でも実績

 岡崎さんが通信分野に興味を持ったのは、高校生の頃でした。独学でプログラミングを学び、ネットワーク対戦型のゲーム作りを通して、離れていてもリアルタイムでつながれる魅力を感じたそう。20代で興した会社で、当初はゲームソフトの開発を手掛けていました。

 「ゲーム内で音声通信を使いたいと考え、2000年からVoIP技術の研究を始めました。この技術を、PDAと呼ばれる携帯情報端末に導入すれば、世界初のIP電話ができるとひらめき、開発することに。ゲーム会社とは別に、友人とともにアメリカ・シリコンバレーで起業し、従業員100人規模のベンチャーに成長しました。どこでも内線通話ができるFMC(固定電話と携帯電話の融合)サービスのベースを確立し、日本の大手電機メーカーに採用されたことは大きかったですね」

 その後、家庭の事情により帰国し、2005年に「ageet」を設立。事業のもう一つの柱である、音声通信技術に関するコンサルティングでは、20年近い付き合いが続くクライアントも少なくないそう。また、政府・金融機関などの秘匿性の高い通話システムの構築など、特殊な案件も経験豊富です。
 「データ通信における暗号化技術の第一人者、フィル・ジマーマン氏が直接監修したプロジェクトに参画しました。盗聴対策として、音声データに〝楕円曲線暗号技術〟を用いる、当時は画期的な取り組みでした。システム全体の設計・開発、品質試験を経て、納品でき、クライアントに喜んでいただけたことは印象に残っています」

#chapter3

通信技術の進化にあわせて、新たな音声体験を追求し続ける

 長年、音声通信に関する技術を究め、数々の実績を誇りながらも、「まだまだやり足りないことは多いですね」と語る岡崎さん。
 「さまざまなシステムにつなぐ相互接続や、4G・5Gなどの高速通信技術など、時代とともに次々生まれる課題に向き合うことは技術者としてやりがいがあります。ユーザーが多いほどサービスの魅力が高まるネットワーク外部性が発揮される分野であるところにも面白みを感じます」

 今後も、5G以上の〝超高速・低遅延〟をかなえる次世代ネットワーク技術「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network・アイオン)」の普及を見据え、新たな音声通信体験を提供する研究開発に力を入れます。
 「普段何気なく発する〝声〟をネットワークで届ける技術は、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、IoT(モノのインターネット)といった先端テクノロジーとの相性もよく、さまざまな可能性が広がっています。また、機器の小型化も進み、洋服のボタン一つにも音声機能を搭載できるようになるでしょう。新しい技術に触れる醍醐味を味わいながら、音声通信技術の未来につなげたいですね」

 クライアントから「内線通話の質が良くなった」「使い勝手がいい」と喜んでもらえることが何よりうれしいという岡崎さん。時代が変わっても、音声でのコミュニケーションはビジネスに欠かせません。国産の信頼性を大切に、企業のより良い通話システムの導入を支えます。

(取材年月:2023年10月)

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岡崎昌人

ソフトフォンを専門とする音声通信技術のプロ

岡崎昌人プロ

音声通信システムエンジニア

株式会社ageet

20年以上ソフトフォン(音声通信)技術に特化し、スマホやパソコンを内線化するIP電話アプリを開発・提供しています。国産の高い品質を追求し、大手企業などで導入実績を誇るほか、OEMでも技術力を発揮。

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