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キリスト教の「愛の精神」で、子どもたちを「貴く大切な存在」として受け入れ、ありのままを受容

地域に開かれた園で子ども主体の教育・保育を実践するプロ

石川敦子

石川敦子 いしかわあつこ
石川敦子 いしかわあつこ

#chapter1

個性を尊重し、主体性を育む保育・幼児教育に取り組み、一時保育や学童事業も展開

 「子どもを『貴く大切な存在』として受け入れ、多くの人と触れ合うことで、喜びや悲しみを分かち合い、相手をいたわり、感謝する健やかな心を育むお手伝いをいたします」

 そう語るのは、京都府宇治市にある「こひつじこども園」園長の石川敦子さん。「幼保連携型認定こども園」として、0~5歳の保育・幼児教育に取り組んでいます。

 キリスト教の「愛の精神」に基づき、子どもを一人の人として愛し、ありのままの姿を受け止めるのが特徴。日頃から職員へ伝えているのは「子どもを真ん中に考える」という方針です。

 「日々の活動や行事の際、大人がやりたいかどうかではなく、『子どもたちに必要か』という視点で判断しています。丁寧な関わりを通じて個性を尊重することで、自己を発揮するしなやかな感性を磨き、さまざまな体験をする中で、自発的に選び、意欲的に遊ぶ主体性を養い、自ら学ぶ力を身につけてほしいと願っています」

 フルタイムで働く保護者が増える中、朝7時から最大20時まで延長保育に対応。お迎えを待つあいだ、サッカーやピアノのレッスン、学研学習を受けることもできます。また、おむつやおしり拭きなどを定額で提供する「てぶら登園サービス」や、布団類のリースも取り入れ、負担の軽減に努めています。

 「私どもは、病気や出産、パート勤務などの際に預かる一時保育や、0~2歳の待機児童を対象にした小規模保育、夏休みなどの学校休業期間に小学生が通う学童保育事業も展開しています。家庭的な雰囲気の中で、子どもたちがのびのびと過ごせる場を用意し、保護者さまのリフレッシュにもつなげています」

#chapter2

保護者とコミュニケーションを重ね、子どもたちが安心できる場所づくりに注力

 保育士として二十余年のキャリアを持つ石川さん。幼い頃から、小さな子どもの面倒をみるのが大好きでした。

 「小学生の時から、親戚や近所の子どもと遊び、家まで送り届けていました。周囲からも『子ども好き』と認識されるほどで、将来の進路として保育の道を志すようになりました」

 数々の子どもを迎え入れ、親身に寄り添ってきた石川さん。2021年に園長に就任して以来、改めて「子どもの力を信じ、主体性を大事にすること」の難しさと奥深さを痛感していると言います。

 「例えば、お昼の時間に合わせて活動を終わらせたい時、子ども自身が『もうすぐお昼だ』と気づくまで待つのか、声をかけるのか。指示を出したり、教えたりするのは簡単ですが、大人が口を出すことで、成長の機会を奪ってしまうこともあります。保育に絶対の正解はありません。状況に応じて関わり方やアプローチの仕方を変える必要があり、一人一人と向き合い、行動を促せるかが試されていると感じます」

 保育士や保護者によっても価値観や育児観の違いがあります。意見や方向性に相違があり、戸惑いや疑問が生じると子どもにも不安が伝わるので、細やかなコミュニケーションを心掛けています。

 「心理的安全性を確保できなければ、好奇心や探究心は生まれません。子どもたちは、安心できる場所だと分かると自由に遊び始めます。保護者さまが『いってらっしゃい』と笑顔で送り出し、『ただいま』とやさしく抱きしめ、ほっと心が安らぐ場所にしたいですね」

石川敦子 いしかわあつこ

#chapter3

「地域に開かれた園」を目指し、フリーマーケットなど多様な人が集う機会を創出

 「ありのままを受容するのは、大人に対しても同じです。例えば、保育士はピアノを弾く場面が多いですが、中には苦手な人もいます。練習を強いるのではなく、子どもと楽しく歌うことを優先し、録音の伴奏曲を活用することもあります。創作活動が上手だったり、サッカーなど体を動かすのが得意だったり、いろいろな人と出会い、可能性を切り開いてほしいと考えています」

 多様な人間関係を築くため、石川さんは「開かれた園」を重視。地域住民と親睦を深めています。

 「自然が豊かで開放的な立地なので、近所の方が散歩がてら園児に声をかけてくださいます。心を通わせる様子がほほ笑ましく、気持ちが和みます」

 核家族化を背景に孤立しやすい状況を鑑み、一時保育や園庭開放などを通じて、通園していない家族が園を訪れる機会を創出。誰もが気軽に足を運べるよう、フリーマーケットも開いています。

 「今後は、高齢の皆さまとの交流も検討しています。人生の先輩方の知識や経験は貴重な財産ですから、お話をお伺いして多くの学びを得たいと思います」

 園芸作家による寄せ植え教室や、学校のダンス部を招いた秋まつりも開催。地域の人たちが集い、生き生きと過ごす姿を目にすることができます。

 「入園を希望するご家庭はもとより、保育士の仕事に興味を持つ学生さんも見学にお越しください。素直でピュアな子どもたちの愛らしい表情やしぐさに癒やされる毎日で、当園で多くの人がつながり、共に学び合う場になればうれしいですね」

(取材年月:2026年4月)

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石川敦子

地域に開かれた園で子ども主体の教育・保育を実践するプロ

石川敦子プロ

保育士

社会福祉法人同胞会こひつじこども園

キリスト教の精神を軸に、0~5歳の園児たちが安心してのびのびと過ごせる園づくりを実践。一時保育事業や園庭開放などを通じて、保護者や地域の方々、将来の保育士が訪れやすい場所を目指します。

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