トラブルを未然に防ぐことに力を入れる法律のプロ
西村友彦
Mybestpro Interview
トラブルを未然に防ぐことに力を入れる法律のプロ
西村友彦
#chapter1
「夷川通り法律事務所」の西村友彦さんは、事件や争いが起こる前や早期の段階で解決するための予防法務に力を入れている弁護士です。企業法務、不動産関係、離婚、遺産分割などの個人の事件、少年事件など幅広い分野に柔軟に対応し、神社やお寺など宗教法人からの相談も多いそうです。他府県からの依頼にも応じ、東京や九州といった遠方からも相談を受け、フットワーク軽く対応するのが強みです。
「裁判になってしまうと勝っても負けても、傷が残ってしまうことが多い。だからトラブルが深刻化する前に、できるだけ早い段階で相談してもらいたいのです」
予防法務の力を発揮しやすいのは、企業などの組織の労働者の勤怠管理やメンタルヘルスの問題、労働条件、組織の秩序維持に関わる問題などといった「労使関係の問題」だそうです。
「就業規則などの社内規則がトラブルを防ぐ手段になり得ますので、解釈の違いなどで争いが起こらないような定め方が大切です。そして、企業などの組織が健全に発展していくためには、労働者が満足して働ける環境にしていく必要があるので、使用者側のみの視点に立つのではなく、ルールを明確にし、使用者と労働者が同じ方向を向いていけるお手伝いをしています」
また、離婚や遺産分割といった家庭の問題、その他の問題についても、「早期にご相談いただければ、選択肢が広がってくることも多いので、“こんなこと相談してもいいのかな”などと思わず、早め早めに相談してほしい」と西村さんは話します。
#chapter2
西村さんは、京都大学法学部出身で、学生時代はアメフト部で活躍。スポーツ中心の学生生活で「勉強はあまりしていなかった」そうですが、弱い立場にある人を助ける弁護士という仕事にはかねてから興味があったといいます。司法試験合格後、2008年に「加藤・藤田法律事務所」に入所。2012年から事務所のパートナー弁護士となり、2018年に事務所名を「夷川通り法律事務所」に変更し、現在3人の弁護士とともに運営しています。事務所のある夷川通は伝統的な家具の街ということから、「我々もこの土地で弁護士としてのキャリアと伝統守りながら、新しいことに挑戦し続ける事務所でありたい」との願いを込めて、再スタートしました。
司法試験の勉強をしている頃から児童虐待の問題に強い関心を持っていた西村さんは、弁護士になってからは京都弁護士会子どもの権利委員会に所属し、大津の子どもをいじめから守る委員会副委員長も務め、虐待された行き場のない子どもを受け入れるシェルターを運営する「NPO法人子どもセンターののさん」の立ち上げにも関わりました。「ののさん」は京都弁で、太陽、月、神様、仏様など信仰の対象を表し、「このシェルターが子どもたちを照らす太陽のような存在になれば、また、子どもたちが命や人生を大切にしてほしい」との思いで西村さんが命名しました。
「児童虐待はその問題が解決しても起きた事実は巻き戻せません。子どもが親に虐待をされるという悲惨な事件が起こらない社会にしたい、辛い思いをする人がいなくなる社会をつくりたい、そんな思いがずっと胸にあります」
#chapter3
事件解決後も「顧問弁護士として継続的に見てほしい」と依頼されたり、個人的な交流で良い人間関係が続いていたりすることが多いそうです。これは西村さんが一つ一つの仕事と依頼者を大切にしているからこその表れでもあります。
弁護士の魅力は、誰の指図も受けず自身の考える正義を貫くことができる点、いろんな人と関わることで自身の視野が広がる点だと西村さんは考えます。
「事件解決に関しては、争いがなかった頃に時計の針は戻せず、無力感を感じる場面もあります。しかし、弁護士は本来、弁護士自治により独立しているので、自身の正義を思うように通すことができる。依頼者の力になれるよう、自分の中の正義を信じ、誠実に力を発揮していきたい」
また、予想もしていなかったような良い展開や出会いが待っていることもあるので、枠にはまらず、柔軟に、視野を広くしていたいと考える西村さん。
「自分ではどうしようもないと思うときでも、客観的にはいろいろな選択肢が存在することもありますので、できるだけ早い段階で相談してもらうことが依頼者にとっての利益につながります。トラブルが顕在化し、深刻化する前にぜひアクションを起こしていただきたい。誰に相談したらいいか、どこに聞けばわからないといった場合でも、弊所には私のほかにも各分野に強い弁護士が在籍していますので、どんなことでも気軽にご相談ください」
(取材年月:2020年6月)
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トラブルを未然に防ぐことに力を入れる法律のプロ
西村友彦プロ
弁護士
夷川通り法律事務所
トラブルを未然に防ぐことを目指し、中小企業、個人事業主を含む企業法務、不動産関係、信託、離婚、遺産分割、宗教法人関係、少年事件など幅広い分野の事件に対応し、解決へと導いていく弁護士として活動している。
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