心理カウンセリングのプロ
宮本章太郎
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心理カウンセリングのプロ
宮本章太郎
#chapter1
「まず、相談者のお話をじっくりお聴きします。身内でも友人でもない第三者に話を聴いてもらうということで、心がふっと軽くなる。これが大切なのだと思います」と話すのは、「京都カウンセリングラウンジ」の宮本章太郎さん。京都・上京区内、伝統の残る西陣の一角に拠点を置き、訪れる人の悩みに耳を傾けています。
宮本さんの姿勢は「とにかく話を聴くこと」です。話を聴きながら「こういう考え方、こんな違った見方もありますよ、と気づいていただくことが大切。そこからまったく違う世界が見えてくることがあるからです。悩みを抱えている人は目の前のことしか見えていないことが多いんです。特に人間関係での悩みはそうです。一人で抱え込むことによって、新たな悩みが生まれることもあります」
宮本さんが定義する「悩みの最終段階」とは、何をどうしていいのかわからなくなること。心がぐちゃぐちゃになり「どうすればいいのか」を判断できなくなる状態です。「もともと、何で悩んでいるのかさえ見失ってしまうこともあります。だからこそ自分の今の気持ちを話していくことで、ひとつひとつ整理していく。ゆっくりでいいので、そのプロセスから自分なりの答えを見つけていきましょう」と宮本さん。
カウンセリングは問題解決の場ではなく、問題解決に立ち向かっていける「心」をスタート地点に置けるようにすること。それがカウンセリングの役割だと言います。
「カウンセリングは一度で終わるものではありませんが、それは相談者本人が判断することです。私が『話し足りないのでは』と感じても、あくまで本人の意思を尊重し無理に次回の予約を促すことはありません。気持ちが折れてしまいそうなとき、心のバランスが崩れそうなとき、孤独に押しつぶされそうなとき『カウンセリングがある』と思い出していただければ」と宮本さん。
#chapter2
カウンセリングを仕事にする前は、会社勤めをしていた宮本さん。社会人になってからずっと「何が自分に合っているのか」を考えていたとか。
「自分には特別な才能はないけれど人の役に立つことはできないか」といった思いも抱くなか、日々耳にするニュースは悲惨な出来事ばかり。社会的事件を起こしてしまう人は「必ず心の問題を抱えている」と思った宮本さんは、「誰かが話を聴いてあげなければ」と気づきます。
そこから専門学校に通い、カウンセリングについて学び始めました。「正直に言うと、心理学にはあまり興味はありませんでした。私自身、誰かに話したところで何が解決するんだ、と否定的でした」と話す宮本さんは、学生時代に不登校から引きこもりになった経験も。
「私はポジティブ志向だったこともありますが、幸いにも親やまわりの人の支えもあり立ち直ることができました。当時はカウンセリングというものがあることも知りませんでしたが、知っていても行ったかどうか(笑)」
しかし、理論と技術を学んでいくうちに「聴いてもらうこと」で気持ちが楽になること、そこから「どうにかしよう」「何か変わるかもしれない」という思いが生まれることがあると実感したと言います。
「相談者の中には『友だちがものすごく悩んでいるので話を聞いてあげてほしい』という人もいます。友人の相談にのっていて『解決してあげられない』ことがその人自身の悩みになっていくケースですね。だからこそ第三者に話をするということが大切になってくると思います」
宮本さんはペアでのカウンセリングにも対応。友人や恋人、親子、夫婦などで受けることができます。
#chapter3
宮本さんは、絵画や芸術を通して心のケアをする心理療法のひとつ「アートセラピー」をカウンセリングに取り入れています。
「話を聴くといっても、スラスラと言葉が出ない方もいます。そんなとき心に無意識に思い浮かんだことを絵に描いてもらうのです。うまく描こうとする必要はありません。ここにあるクレヨンを使って心のままを描けばいいのです。何でもいいから描くことで気持ちが落ち着き、そこから会話が始まることもあります」
近年は行政主宰の子育て支援事業に参画するほか、経営者や事業主を対象にしたビジネスカウンセリングも行っています。
「経営者は社内、社外と多様な人間関係にもまれ、常に責任がついてまわります。ストレスを感じる経営者のみなさんのメンタルケアもサポートしています」と宮本さん。
「心の逃げ場、居場所を探している人に『ここがあるよ』と言いたい。心理カウンセリングというものをもっと身近に感じていただき、気軽に利用していただければ」と話してくれました。
(取材年月:2018年12月)
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宮本章太郎プロ
心理カウンセラー
京都カウンセリングラウンジ
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