皮膚科診療に強い獣医療のプロ森本真一郎

皮膚科診療に強い獣医療のプロ

森本真一郎

かゆみや赤みなどペットに起こりやすい皮膚の悩みに向き合い、解決へと導く

　大手ペット保険会社の統計資料によると、受診理由のうち飼い犬で約25％、猫で10％近くが皮膚疾患。かゆみや赤み、湿疹、脱毛、フケ、においといった皮膚トラブルを手当てするのは、近鉄京都線東寺駅から徒歩約3分の場所に「ゆう動物病院」を構える院長・森本真一郎さん。犬・猫以外に、ハムスターやフェレット、ウサギ、鳥や亀といったエキゾチックアニマルも受け付けています。

　「同じ皮膚症状でもアレルギーや感染症、腫瘍など原因はさまざま。生活環境や栄養状態の改善、スキンケアなどを飼い主さまのご協力のもとで行う場合もあり、食事やしつけもアドバイスします」

　2012年、京都府初の日本獣医皮膚科学会日本獣医皮膚科学会認定医となった森本さん。受験資格を得るには、最低600症例以上の皮膚病診療や講習会受講、学会参加、論文発表など厳しい条件をクリアする必要があります。臨床医としての実務や研究に加え、筆記試験と口頭試問があり、皮膚科の知識・技術・経験を備えた獣医師だけが取得することができます。

　皮膚科のエキスパートとして、いち早く異変に気づき、受診してもらえればとホームページには症例を数多く掲載。多くの人の不安を和らげます。

　「あるワンちゃんは、国内にないはずの皮膚病の症状を呈していました。改めてお話を伺うと、数年前、ワンちゃんと同じ病気が多数報告されている国にご家族で住まわれていたことが分かりました。病名を特定して適切な治療を施し、お力になれたときは、専門分野を突き詰めて良かったと思いますね」

高度化、細分化する獣医療の中での見極めと連携が“まちの獣医さん”の本懐

　森本さんは2021年、京都府で初めて動物臨床医学研究所（動物臨床医学会）の獣医総合臨床認定医にも合格。エキゾチックアニマルの診察も含め、一般臨床医として幅広く力量があることを認めるものです。小動物の臨床経験が5年間以上で、学会発表などの実績が一定以上あることが受験要件。さらに獣医学14分野の試験に突破することが求められます。

　「画像診断のCT、MRI検査など動物医療は高度化し、脳外科、眼科など科目も細分化しています。良いことですが、一つの病院で対応できないことが増えているのも事実です。本当に役立つ獣医師になるには、自分たちの専門性の範囲を知り、責任を持って治療に当たれるか見極めることが大切です」

　森本さんは、認定医仲間とのネットワークを構築。皮膚科以外に関しては、必要に応じて、よりよい治療が受けられる施設などにつなぎます。

　「何かあったときに最初に受診する総合診療科、“まちの獣医さん”の役割も果たしたいですね。健康相談や、第三者に意見を聞くセカンドオピニオンでも、お気軽にご利用ください」

　本やセミナーなどで常に知識をアップデートし、勉強会を開いてスタッフと共有するなど日々研さん。1組1組にしっかりと向き合い、飼い主が理解、納得できるまで分かりやすい説明も心掛けます。

　「重大な病気を見逃さないように診察の精度を高め、『とりあえず』で対症療法を取ることは基本的にありません。重い症状や難治のケースでも、ベストを尽くせるよう、できることを考えます」

検査・診察・コミュニケーション。これからも当たり前のことを丁寧に

　「大切なご家族をお預かりするにあたり、当院では『誠実な医療』と『真心のホスピタリティ』を掲げています。適切な検査、的確な診断、ご家族のお気持ちに寄り添ったコミュニケーションなど、当たり前のことを一つ一つ丁寧に、高いレベルで提供することが、私どもの目指すところです」

　SNSでは予約状況を配信。院内のライブラリーコーナーには、病気や治療法、自宅での世話の仕方について解説したプリントやパンフレットを用意し、自由に持ち帰ることができます。開院以来、毎月HPでインフォメーションを発信し、利用者の質問に答えるQ＆Aコーナーや病院の歩み、自身の思いもつづった「ゆう動物病院新聞」を年に1度発行するなど、情報発信に努めています。

　また、病状に応じた療養食や処方した薬の宅配サービスを展開し、ペットと飼い主の暮らしをサポートする森本さん。質の高いケアを届けるため、資格取得の支援、勤続年数に応じた待遇アップなどを通して、病院スタッフが働きやすい職場づくりにも力を入れています。

　「以前は張り詰めた空気が漂い、『院内に笑顔がない』とご指摘を受けたことがありました。先進的な医療機器を導入したり、指導方法を見直したりした結果、新人スタッフが定着し、スキルの習得につながりました。勉強し続けなくては務まらない仕事ですが、学びは成長の喜びをくれます。余裕を持って生き生きと活躍できる環境を整えることで、自分から学ぶ意欲が湧き、身に付けたものを皆さまに還元できる病院にしていきたいですね」

（取材年月：2024年1月）

皮膚科に関する豊富な知識・技術・実績を持つ獣医師が、さまざまな症状をケア

かゆみや赤みなどペットに起こりやすい皮膚の悩みに向き合い、解決へと導く

高度化、細分化する獣医療の中での見極めと連携が“まちの獣医さん”の本懐

検査・診察・コミュニケーション。これからも当たり前のことを丁寧に

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