会社を成長に導く生産管理システムに精通したプロ梅谷康子

会社を成長に導く生産管理システムに精通したプロ

梅谷康子

想像力と思いやりを信条にプラスαの提案を

　生産管理システムのコンサルティング設計、診断・運用支援を手掛ける「フェムトラボ」の代表梅谷康子さんが、システム開発に興味を持ったのは京都大学薬学部1回生の時。世界で最初に実用化されたプログラミング言語フォートランの本をひと夏で読破し、そのままアルバイトでシステム構築に携わったことが契機だとか。その卓越した才能と機動力により1984年大学院卒業と同時に会社を立ち上げました。

　「現在のIT業界は2次請け、3次請けのピラミッド構造ですが、私は一貫して直請け仕事にこだわってきました。というのも、介入する人が多いほど顧客の要望が不鮮明になり、無駄なコストや手間がかかるという難点があるからです。お客さまの声を直接聞き、現場を見ることによって、“ご要望プラスα”の提案ができ、本当に役立つ機能的なシステム構築ができると確信しています」。

　得意の生産管理システム分野で、第一線のスキルに磨きをかけてきた梅谷さん。一時は大手企業と歩を進めた時期もあったそうですが、やはり顧客としっかり信頼関係を結びながら、会社の成長に貢献したいという想いが強く、2017年には現在の「フェムトラボ」を設立。“想像力と思いやり”を信条に、これでまで200社以上にのぼるフルオーダーのシステム構築・運用実績をあげてきました。

業務改善まで見据えたジャストフィットのシステムを提案

　コンピューターが企業活動に必須の現代、ハードウェアの高機能化は加速し、システムの適応範囲も劇的に広がってきました。これまでフルオーダーをメインにしてきた梅谷さんのもとにも、システムの再構築依頼が増えてきたそうです。
　「OSやネット環境の変化もあって従来のシステムでは運用が困難になりつつある中、初期導入から20年を経過するシステムも珍しくありません。初期システムから様々な追加改善がなされ、外付けや別機能が加わると、全体把握が難しくなります。かといって、一気に新システムにするには膨大な労力とリスクがかかり、成功事例が少ないのも事実です。」

　そこで、梅谷さんが考案したのは、既成品をうまく組み合わせ、不足分だけをオーダーでつくるカスタムメイドのシステム構築。「ひとつひとつのシステムは小さい単位で分散化し、全体としてはシームレスにつながる仕組みをつくることがポイント。こうしておけば、事業内容の変化やバージョンアップの際にも、分散した単位ごとの対応が可能で、刷新時のリスクも最小限に抑えられます。そして、何より大切なのは、その企業の業務を見極めること。無駄はないか？データ活用が最大限か？など、業務改善まで視野に入れた提案が重要だと考えています」。

　長年の経験から工場内を見るだけで必要なシステムが概ね想定できるという梅谷さんにとって、工場の内見はとても大切な仕事。「事務所内の管理部門と生産現場では、実はコンセンサスが取れていないことが多く、問題解決には双方の意見や現場を知ることが不可欠。徹底的に顧客を知ることが仕事の第一歩です」と話す梅谷さん。プロの目線から問題点を徹底究明することが、過不足のないジャストフィットなシステム構築につながっているようです。

20年以上も付き合いが続く企業も多く、顧客の成長が自身の喜び！

　仕事のやりがいは？との問いに、「以前、ベテラン社員さんが1人で細かい作業指示書を作成されていた企業がありました。手間がかかるうえ、代替えのきかない業務を当社でデジタル化し、誰でも簡単に作業指示書が作れるシステムをつくりました。その後、そのベテラン社員さんが長期入院され…『本当に助かった！』と感謝された時は、うれしかったですね」と顔を綻ばせる梅谷さん。他にも、在庫が驚くほど減った、売上が飛躍的に伸びたなどの喜びの声をもらうことは多く、20年以上も付き合いが続く企業も数多いそうです。

　現在は中小企業のIT化を推進するNPO法人「JASIPA」の理事や大阪市立大学商学部での非常勤講師など、後進の指導や支援活動でも活躍。I o TやAIを分かりやすい言葉で解説する梅谷さんの講演は『初めて聞くことばかりで勉強になった』と好評で、企業からのオファーも増えているとか。また、経済産業省が主導するスマートものづくり応援隊のものづくり指導者に認定され、IT支援事業にも尽力。特に、最近注目されているロボットによる業務の自動化システム“RPA”の導入支援は実績も多く、顧客の業務省力化や生産性向上に貢献されています。

　古いシステムに問題を感じている、IT支援補助金の活用方法が分からない、生産効率を上げたいなど、システム運用に悩みを抱えておられる生産管理の担当者は、一度梅谷さんに相談されてみてはいかがでしょうか。きっと、真摯に、会社の成長を共に喜び合えるパートナーとして力を発揮してくれるはずです。

（取材年月：2018年12月）

中小企業を成長に導く機能的な生産管理システムをカタチに！

想像力と思いやりを信条にプラスαの提案を

業務改善まで見据えたジャストフィットのシステムを提案

20年以上も付き合いが続く企業も多く、顧客の成長が自身の喜び！

専門家プロフィール

Other Interview