ビジネスオンライン化で勝てる事業をつくるプロ福田政隆

ビジネスオンライン化で勝てる事業をつくるプロ

福田政隆

地方の商店に遠方からも注文が来るように。オンラインビジネスを成功に導くノウハウを地元に還元

　「ビジネスのオンライン化って、何から手をつけて良いかわからない」「SNS集客がうまくいかない」「補助金を使って自社サイトを作ったけれど、売り上げにつながらない」「ネットの力で収入の柱を増やしたいけれど、やり方がわからない」
　そんな経営者の悩みに、ウェブマーケティングの視点からコンサルティングを行うのが、「MIRAI WEB」の代表・福田政隆さん。出身地の熊本県菊池市に拠点を置き、日本全国およびアジアを中心とする海外に、約600人のクライアントを抱えます。

　「ウェブによるプロモーションは人手がない事業者さまにとっても有用ですから、効果を実感できるノウハウを、地元でがんばっている皆さんにお伝えします」と福田さん。

　「例えば、市内の花屋さんからご相談を受けたケースでは、利用者の使いやすさを考慮するユーザビリティやビジュアルなどについて、昨今のトレンドを取り入れてホームページをリニューアル。チャットアプリ“LINE”での受注などオンライン化を進めたことで、福岡や東京といった遠方からの注文や、企業からのまとまった依頼が来るようになりました」

　このほか、ウェブ広告やSNSの運用など、それぞれの業種や業態に応じた集客をきめ細やかにサポート。サイトやコンテンツ制作にあたって利用できる補助金申請もアドバイスしています。

　「当方がオフィスを構えるのは、廃校になった旧龍門小学校です。今ある資源を生かし、生まれ育ったまちに貢献したいという思いからです。2021年には、菊池市の第3次総合計画策定審議会の委員としても活動し、ウェブの専門家の立場から、まちづくりに関する提言を行いました」

それぞれが持つ強みや魅力を引き出すことで成果へとつなげる

　熊本県立済々黌高校を卒業した福田さんは、航空自衛官として沖縄へ。任務に就きながら琉球大学の夜間コースに進学し、公共経済学を専攻。かねてより興味があったまちづくりや地域活性化について学び、大学院でも研究に励みました。

　高校教員を目指していましたが、より自由に働きたいと起業の道を選び、縫製業の会社を立ち上げます。同時に、これからはインターネットの時代だと考え、外資系IT企業にも勤務。マネージャーとして手腕を発揮しました。

　「外資系IT企業のマネージャーの報酬は、チームの成績で決まるという給与体系でした。自身の報酬に関わるため、『実績を持つ人をメンバーに入れたい』というのが常ですが、私はあえて、今まで結果を出せていないスタッフに加わってもらいました。それぞれの秘めた能力を引き出せると考えたからです。適材適所で力を最大限に発揮できれば、スタッフ自身も業務を楽しみながら、会社にも貢献できると思いました」

　福田さんのチームに入ったメンバーは、次第に成果を上げられるようになり、仕事への自信ややりがいも得られるように。福田さんが退職するときは、どうしても最後に話がしたいと、16日間連続で送別会を開かれたほど。当時のメンバーとは、沖縄を離れた今も交流が続いているそうです。

　「誰にでも独自の強みや魅力があるんです。それは企業も同じ」と福田さん。可能性を見抜く直感とコンサルタントとしての豊富な経験、そしてITやマーケティングに関する幅広い情報を掛け合わせて、成功への戦略を描き出します。

地方にいても自分らしい働き方や生き方ができる。生まれ育った故郷から夢を発信

　ウェブマーケティングコンサルタントとして独立した福田さんは、経営が軌道に乗った2020年、故郷へ戻る決断をします。帰省するたびに、商店街でシャッターを閉じたままの店が増えていくこと、就労への不安から多くの若者が地元を離れていくことに、危機感と寂しさを覚えたからです。

　「インターネットを上手に活用すれば、地方にいても、日本全国あるいは世界中を相手にビジネスができます」と強調。将来の選択肢を広げてほしいと、中学校で出前授業をしたり、小学校跡地という広いオフィスを生かして、職場体験を受け入れたりしています。
　さらには、「ウェブクリエイター・マーケッター人材育成塾」を主宰。地域社会に根差し、生活を営む中で課題を発見して解決に導くデジタル人材を育てています。

　プライベートでは2児の父で、子育てと事業運営を両立し、忙しくも充実した日々を送っている福田さん。2023年4月からは、菊池市内15の小中学校を束ねるPTA会長を務めるなど、保護者らと共に地域の子どもたちを見守ります。

　「道を歩いていると、近所のおばちゃんが両手いっぱいの野菜をくれたり、手間のかかる郷土料理を作って鍋ごと持ってきてくれたりするんですよ。ここで暮らすおじいちゃんやおばあちゃん、子どもたちの力になりたいですね」と、笑顔で話す福田さん。
　自分らしさを生かしたビジネスや生き方が、どこにいてもできる。そんな可能性や未来を、自分を育んでくれた菊池市から発信しています。

（取材年月：2023年1月）

ウェブマーケティング活用で地域課題解決へ。国内外に約600人のクライアントを抱えるコンサルタント

地方の商店に遠方からも注文が来るように。オンラインビジネスを成功に導くノウハウを地元に還元

それぞれが持つ強みや魅力を引き出すことで成果へとつなげる

地方にいても自分らしい働き方や生き方ができる。生まれ育った故郷から夢を発信

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