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一番ヶ瀬正明プロは熊本朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

続、「ChatGPT」= AIを考える。「ポジティブ&ネガティブ」目線で、リスクとより良い共生未来をさぐる。

一番ヶ瀬正明

一番ヶ瀬正明




先ごろ、生成AI「ChatGPT」を開発したアメリカ企業「オープンAI」は、ドイツのメディア大手と提携したと発表しました。
「ChatGPT」が記事の要約を作成し、利用者が活用できるようになるということで、注目が集まっています。

私たちは、人工知能(AI)が急速に進化し、日常生活のいたる場所でその影響を受け始めている、そんな、過渡期を生きています。
そして、かつてSF映画が描いたような高度なAIの世界が現実のものとなりつつある、そんな場面にもでくわします。
しかし、この技術革新は多くのリスクも伴うということを忘れてはいけません。
本コラムでは、前回コラム「ChatGPT活用」から歩を進め、AIのリスクと今後の社会での役割、そして、オープンAIのような組織が果たすべき役割について考えたいと思います。


AIによるリスク? 人々に及ぼすその影響は?


AI技術は、私たちの生活を豊かにする可能性を秘めていますが、同時に多くのリスクもひそんでいるということを忘れてはいけません。
例えば、AIによる誤った情報の拡散は、社会的な混乱を引き起こす引き金になる可能性がありまし、「プライバシーの侵害」、職業の自動化による「雇用の差し控え」への影響、人々がAIに依存することによる「スキルの低下」、そして、「セキュリティの脅威」は、AI技術の普及に伴い、著しく表面化してきました。
一口にAI技術といっても、生成AI「ChatGPT」だけではなく多くの種類が存在しています。例えば、以下の様なものです。

・生成AI (Generative AI)/データから新しいコンテンツを生成するAI。
例:テキスト、画像、音楽の自動生成。


・自然言語処理AI (NLP AI) /人間の言語を理解・生成するAI。
例:翻訳、要約、感情分析。


・機械学習AI (Machine Learning AI) /データから学習して予測や分類を行うAI。
例:画像認識、株価予測。


・ロボティクスAI (Robotics AI) /ロボットの制御や自動化に使われるAI。
例:工業用ロボット、自動運転車。


・推薦システムAI (Recommender System AI) /個人の好みのアイテムを推薦するAI。
例:オンラインショッピング、動画ストリーミングサービス。

・強化学習AI (Reinforcement Learning AI) /試行錯誤を重ね最適な行動を学習するAI。
例:ゲームAI、自動交渉システム。

・知識ベースAI (Knowledge-Based AI) /特定の専門知識から推論や問題解決を行うAI。
例:医療診断支援、法的アドバイザー。

・コンピュータビジョンAI (Computer Vision AI) /画像やビデオから情報を抽出・解析するAI。
例:顔認識、シーン解析。

・感情認識AI (Emotion Recognition AI) /人間の感情を認識・解析するAI。
例:顔表情分析、声のトーン分析。

・音声認識AI (Speech Recognition AI) /人間の話し言葉をテキストに変換するAI。
例:音声入力システム、自動書き起こし。

・予測分析AI (Predictive Analytics AI) /過去データから将来の傾向などを予測するAI。
例:販売予測、リスク管理。



AIの種類を挙げてみると、知らぬ間にAIの恩恵に預かっているものも少なくないことに気付かされます。
このように、一口にAIと言っても、その範囲は大きく、すでに生活に密着しているモノもあることから、「セキュリティの脅威」に対する防御策は、早急になされなければならない事項なのです。



過去のSF映画が予見した?映画の中のAIの未来=現在のAIの姿?


過去のSF映画は、AIの潜在的な可能性とリスクを想像力豊かに描いてきました。
例えば「2001年宇宙の旅」。
AIが宇宙船を制御し、人間と対話する様子が描かれています。
これは現代の音声アシスタント技術に類似しています。
また、「ブレードランナー」や「マトリックス」。
これらは、AIが人間のような外見や行動を模倣することを示唆。
現在のロボット技術や仮想現実技術の進化に類似しているかもしれません。



映画が示唆するAIの進化と現実を深掘り。見えてきたものとは?


映画が描いたAIの未来と現実を、もう少し深く見比べてみました。

1.「2001年宇宙の旅」(1968年)
・映画での描写/AI「HAL 9000」は宇宙船の操作を担い、人間と自然言語で対話する。
・現実/SiriやGoogle Assistantなどの音声アシスタントが人間の言語を理解し、日常的なタスクを支援しています。映画の中のHALのような高度技術は実現していませんが、AIの自然言語処理能力は進化しています。


2. 「ブレードランナー」(1982年)
・映画での描写/人間と見分けがつかないほど高度なAIアンドロイド「レプリカント」。
・現実/ヒューマノイドロボットやディープフェイク技術は、人間の外見や行動を模倣する能力を示しています。しかし、レプリカントのような完全な人間の模倣は実現していません。


3. 「マトリックス」(1999年)
・映画での描写/AIが作り出す詳細な仮想現実の中で、人間が生活する。
・現実/VR(仮想現実)技術はゲームやトレーニングで、すでに活用されています。AIが生成するリアルタイムの仮想環境は、映画のように高度でありませんが、急速に進化しているといえるでしょう。


4. 「マイノリティ・リポート」(2002年)
・映画での描写/犯罪を予測し、未然に防ぐAIシステム。
・現実/データ分析と機械学習を用いた犯罪予測システムが、一部で実験されているといいます。倫理的・法的な問題もあり、映画のような完全な予測は不可能ではないでしょうか。


前述の映画の数々は、AIの潜在能力を描く一方で、現実の技術的・倫理的な限界を超えた、映画ならではの架空だからできる表現も多々見受けられます。
現実のAIは、まだ人間のような意識や感情を持つ段階にはいたっていませんし、データやアルゴリズムに基づいて機能していますのでので、映画の様な自我があるというのとは違うこと、その違いにホッと胸を撫で下ろします。
AIの倫理的な使用、プライバシーの保護、偏見の回避など、現実には多くの課題が存在します。
ということは、映画は私たちにAIの未来を想像させ、夢を与えますが、その実現には技術的な進歩とともに、倫理的、社会的な配慮が不可欠なのです。
オープンAIのような組織が推進する透明性のある研究と倫理基準の確立は、映画のようなAIとのさらなる共存未来を実現させる上で、重要な役割を果たします。
AIと共生する未来は、倫理基準を明確にし、慎重に、そして着実に築かれるべきだと感じます。

また、必要な法的規制を導入することでリスクを軽減するすべきですし、AIの適切な使用の仕方を使う人々自身が理解し、一般の人々がリスクを認識できるように教育することも重要でしょう。
そして主従で言えば、主は人。
人が使うものであるというアプローチは、AI技術の発展において欠かせない要素だと感じます。



未来を担う若者たちに向けた教育者の意見に学ぶ


前述で、リスクを認識できるように教育と述べましたが、教育者である武蔵野美術大学の学長、樺山祐和氏は、生成AI、特にChatGPTなどに関する様々な意見や考え方を述べています。

自分の目で確かめる重要性
生成AIがもたらす新しい情報や技術に対して、自分自身で実際に試すことの重要性を強調。これにより、誤解や誇張された情報を避け、実際の技術やその可能性を理解することができる。

現状の理解と法整備の遅れに対する認識
生成AIの急速な発展に伴い、人々の理解や法整備が追い付いていないと指摘しています。特に、美術大学としては著作権の問題が大きな課題であり、
AIが作成した作品の著作権がどこにあるのかは、現在、明確ではない。

危険な側面への注意喚起
生成AIの利用に際しては、個人情報や機密情報の漏洩、悪意ある利用、
ヘイトスピーチや差別的な言論の禁止など、危険な側面に対して注意を払う必要がある。

大学での利用ルールについての指針
学長は、生成AIを研究・制作対象として積極的に扱うことは、推奨。
レポートや論文で生成AIの回答をそのまま使用することや、
生成AIによる作品を自分のものとして提出することは禁止。
これは学びの本質と、学生自身の考えや創造性を重視する姿勢を反映しているとの見解。


以上の点から、樺山学長は生成AIの可能性を認めつつも、そのリスクや社会的な影響に対して慎重な姿勢を取り、利用者には責任ある利用と、常に最新の情報を理解し続けることを促しています。

出典: 学長 樺山祐和, 武蔵野美術大学 NEWS,生成系人工知能(生成AI)についての学長からのメッセージ, 2023年5月11日, https://www.musabi.ac.jp/news/20230511_03_01/


まとめ


人間らしさ、ロボットらしさ、AIらしさ。
AIを人間に近づけることを目標に技術が進むとすれば、人間は、より人間らしさを磨くべきだと感じます。

独自の個々の思考、無の状態から生み出す力。
0か1しかない機械の世界ではなく、○▲×といった曖昧な表現。
その人だからできる表現。
模倣するAIは居ても、決してその人自身ではないのですから。

私たちは、AIのリスクと可能性のバランスを取りながら、新しい技術時代に適応する必要があります。
映画が描いたような未来は、現実に近づいていますが、その進化は、慎重を期するべきです。

広報、マーケティング、Web広告展開におけるAIの影響を考えるならば、プライバシーや著作権に対する懸念、倫理的な使用、そして、技術への適応が必要とされます。
AIによる効率的なデータ処理と顧客とのエンゲージメントの向上は大きなメリットですが、個人情報保護や正確性の確保、そして、顧客とのやり取りの中で重要な人間的なタッチの相互関係維持が課題となるでしょう。

人間的なタッチの維持には、共感できるコミュニケーションや顧客のニーズ、また、感情に対する理解を組み込むことの必要性があるということです。
AI生成コンテンツを使用する際は、顧客とのコミュニケーションに注意を払い、機械的な対応を極力避け、より人間らしい対応をしなければならないと感じます。

現時点では、リアルな人間のコミュニケーションと人間らしさを取り入れたどんなAIを併用しながら業務に取り入れて行くか?
それらが、鍵になるのかもしれません。

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一番ヶ瀬正明
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一番ヶ瀬正明(広告コンサルタント)

有限会社ディーナ

広告業界での20年以上の経験と実績による媒体の制作、WEBデータによる企業や顧客動向の分析・解析に基づくマーケティング戦略で、効果的な広告の提案を行います。

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