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インフルエンザ対策は“家の力”で変わる。冬に備える住まいのポイント

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テーマ:暮らしのお役立ち情報



冬になると例年、インフルエンザの流行が本格化します。
体調管理や手洗いはもちろん大切ですが、実は 「住まいの環境」そのものが感染リスクに大きく影響する という点は、まだあまり知られていません。

寒さ・乾燥・換気不足など、冬の住環境は体調を崩しやすい要素が重なる時期。
今回は、住宅リノベーションの専門家として、日常の生活にも取り入れやすい “住まいのインフルエンザ対策” を解説します。


冬の大敵「乾燥」を防ぐ

ウイルスは乾燥した環境で活発になります。
湿度が下がると喉や鼻の粘膜も弱りやすくなるため、まずは乾燥対策が基本です。

室温20℃・湿度50〜60%が目安

加湿器は有効ですが、もっと大切なのは タンクや内部の衛生管理。
手入れが不十分だと逆効果になるため注意が必要です。

断熱された窓は“乾燥しにくい家”につながる

古い窓は外気が入り込み、室温と湿度が安定しません。
内窓や断熱サッシの導入は、
結露の軽減
室温の安定
過度な乾燥の防止
に直結し、結果として冬の体調管理にも役立ちます。

換気は「入れ替える」だけでなく“空気を動かす”こと

冬は寒さのため窓を開けづらく、どうしても換気不足になりがちです。
しかし換気の本質は、ただ空気を入れ替えるだけではなく、
室内の空気を循環させ、滞留をつくらないこと
がとても重要です。

空気は「動かない場所」に溜まりやすい

ウイルス・湿気・ニオイは、空気が動かない場所に滞留しやすい特性があります。
冬は暖房運転によって対流が弱まり、
換気量が低下=ウイルスが溜まりやすい環境
になってしまいます。

24時間換気は“循環のエンジン”

24時間換気は、新鮮な空気をゆっくり取り入れ、汚れた空気を外に出す“循環のエンジン”。
止めてしまうと空気が停滞し、湿度・CO₂・ウイルスの濃度が一気に上がります。

キッチン・浴室・トイレの換気扇は「サブエンジン」

弱運転でも常時まわすことで、家全体に“わずかな空気の流れ”が生まれます。
冬場ほど、この小さな循環が住環境を大きく左右します。

サーキュレーターで「風の道」を設計する

窓開け換気をするときは、サーキュレーターを窓に向けて送風すると、
室内のよどみを押し出す
新鮮な空気を取り込みやすくなる
暖房の温度ムラも軽減できる
という効果が同時に得られます。
特に冬は空気が動きにくいため、
“風の道”をつくるだけで換気の質が大きく変わります。

玄関で“持ち込まない”工夫

玄関は、外からウイルスを家の中へ持ち込まないための重要なポイントです。

● 玄関手洗いの設置
玄関近くに手洗いを設けると、帰宅後すぐ手洗いができ、家庭内感染のリスクが大きく下げられます。
● 上着をしまう“ワンクッション空間”
玄関クロークや土間収納があると、外で付着したウイルス・花粉をリビングに持ち込みにくくなります。

家族に感染者が出た時の「家庭内ゾーニング」

家庭内感染を防ぐためには、無理のない範囲で生活空間を分ける工夫が効果的です。

● 生活空間の分離
感染者はできる限り個室で過ごし、対応する家族も一人に絞ると安心です。
● トイレ・浴室は“感染者を最後に”
使用後は換気扇をしばらく回すだけでも空気の流れが改善され、飛沫の滞留が減ります。
● タオルの共有は避ける
掛ける位置も分けておくことで接触リスクを抑えられます。

“家の性能”が冬の健康を守る

断熱や換気といった住宅性能は、実は健康と深い関係があります。
● 断熱性能が高い家は、自律神経に負担がかかりにくい
室内の寒暖差が少ない家は、体が冷えにくく、自律神経の乱れを抑える効果が期待できます。
● 全熱交換換気は“換気しても寒くならない”
外気を室温に近づけてから取り込むため、
冬でも快適に換気ができ、結果として感染リスクの管理にもつながります。

まとめ

冬の住環境は、感染症リスクと深く結びついています。
乾燥・換気・温度差・空気の滞留といった要素を整えることで、
インフルエンザをはじめとする季節性の感染症をぐっと抑えやすくなります。

  • 乾燥を防ぐ
  • 正しい換気と“空気の循環”
  • 玄関で持ち込まない
  • 家庭内で広げない
  • 断熱・換気性能を整える


毎日の小さな習慣と、家そのものの力。
その両方がそろうことで、冬の暮らしはより安心で、より快適に過ごせます。

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假屋英樹
専門家

假屋英樹(不動産売買・リフォーム業)

株式会社クラブハウスエステート

不動産・リノベーションに携わって30年。中古住宅再生・性能向上リノベーションに注力してきました。「こんな家が欲しかった」人も環境も家計も喜ぶ家づくりをリノベーションで叶えます。

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