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今日からできる防火対策 ― 暮らしを守るポイント

假屋英樹

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テーマ:暮らしのお役立ち情報




空気が乾燥しはじめるこの季節は、実は1年の中で最も火災が多い時期。
総務省消防庁の統計(令和5年版)によると、建物火災の約3割が12月〜3月に集中しており、
なかでも「住宅火災」は全体の約6割を占めます。

原因の多くは「コンロ」や「ストーブ」などの火気だけでなく、
コンセントのホコリや、充電器・電気コードの発熱など、
身近な家電や日常の油断からも起こっています。

火を防ぐために大切なのは、高価な設備よりも暮らし方の見直し。
今日からできる、身近な防火の工夫をまとめました。

以下では、暮らしの中で実践できる7つの視点から、防火のポイントをご紹介します。

暮らしの中の“見えない火元”を見直す

火災原因の上位には、ガスではなく電気まわりが入っています。
コンセントやタップにたまったホコリが湿気を吸い、
発火する「トラッキング現象」は、冬の代表的な火災原因です。

今日からできるポイント

  • 使っていないプラグは抜く
  • 延長コードを束ねたり家具の下に押し込まない
  • コンセントまわりを掃除機で定期的に吸い取る
  • ホコリ防止カバーや防塵シャッター付きタップを活用する



“電気まわりの整理整頓”は、見えない防火リフォーム。 古い住宅では配線の劣化も多く、リフォーム時に分電盤を見直すだけでも火災リスクが下がります。


自動で守る、安心キッチン

調理中の火災は、家庭火災の中でも特に多い項目です。
ただ、火を完全に「見張る」のは難しいもの。
そこで頼りになるのが、火を自動で止める仕組みと汚れをためない工夫です。

自動消火機能付きコンロ(Siセンサーコンロ)

主な機能:

  • 調理油加熱防止装置 : 鍋底が約250℃を超えると自動消火。油が発火する前に停止。
  • 消し忘れ防止タイマー: 設定時間を過ぎると自動で火を消す。
  • 立ち消え安全装置  : 吹きこぼれなどで火が消えたらガスを自動遮断。



「火を使う時間を短くする」より、「自動で火を見守る仕組み」に変える。


それが、今のキッチンの“安心のかたち”です。

お手入れ不要レンジフードで“汚れ”も防火


換気扇やレンジフードの油汚れも、発火の原因になります。
最近では、自動洗浄型や整流板付きのレンジフードも登場。

水をセットするだけで内部ファンを自動洗浄

整流板で油煙を広げず効率的に吸引

油汚れがたまりにくく、発火リスクを低減



“掃除の手間を減らす”ことは、“安全を保ち続ける”こと。
続けやすい仕組みが、暮らしの安心を長持ちさせます。

乾燥対策も防火のうち


乾燥が進むと、静電気やホコリの舞い上がりが増えます。
加湿器や観葉植物、室内干しなどで湿度を保つことは、
肌やのどの保護だけでなく、火のまわりのホコリ蓄積を防ぐ“間接的な防火”にもつながります。

心地よい湿度は、火のリスクもやわらげる。
“快適”と“安全”はつながっています。

外まわりも「燃やさない」環境に


火のリスクは屋内だけではありません。
玄関やベランダなど、外まわりにも“火が広がりやすい要因”があります。

チェックしておきたい場所

  • 段ボールや新聞紙を玄関横や勝手口に置かない
  • ベランダにプラスチック用品や洗濯物をためない
  • 給湯器・室外機のまわりの落ち葉を掃除する


外に燃えるものを置かない。それだけで、火の勢いを抑えられます。

避難経路を“確保する”


火を完全に防ぐことはできません。
だからこそ、いざという時に逃げられる“道”を残しておくことが大切です。

いますぐでもできること

  • 廊下や出入口に家具を置かない
  • 寝室やリビングのドアは「開けやすさ」を優先
  • 停電時に備えて足元ライトを設置
  • 家族で避難ルートや連絡先を共有しておく



家を守ることと、家族を守ることは別。 「逃げられる家」を意識するのも、防火対策の一部です。


火災の芽を“生活の中で見つける”


最近ニュースなどでも話題になっていますが、
リチウムイオン電池やスマホの充電器が原因の火災も少なくありません。

注意したいポイント

  • 充電中のスマホを布の上に置かない
  • 寝ている間や外出中の充電は避ける
  • ケーブルが熱い・膨らんでいる製品は即交換


「便利」と「安全」は表裏一体。
いつも使っているものこそ、定期的に点検を。

備えを“暮らしの一部”にする

  • 火災報知器は10年で交換が目安
  • 簡易消火スプレーをキッチンや玄関に常備
  • 消防署や避難所の場所を家族で確認



備えが「習慣」になれば、安心は続く。

まとめ

火災対策は、設備よりも意識の積み重ね。
“気づく・整える・確かめる”
その3つの習慣が、家族と住まいを守ります。

火を出さない、燃やさない、逃げられる。
そのすべてがそろったとき、
本当の意味で「安心して暮らせる家」になります。

今日の暮らしの中で、ひとつだけでも防火の工夫を。
それが、家族を守るいちばん確実な一歩です。

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假屋英樹
専門家

假屋英樹(不動産売買・リフォーム業)

株式会社クラブハウスエステート

不動産・リノベーションに携わって30年。中古住宅再生・性能向上リノベーションに注力してきました。「こんな家が欲しかった」人も環境も家計も喜ぶ家づくりをリノベーションで叶えます。

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