債券ポートフォリオのリスクリターン分析

長島武

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GPIFの資料からです。過去25年ですね。この中で相関係数がマイナスの日本債券を中心に債券だけのポートフォリオの検証をしていきます。
GPIF
シャープレシオについて説明しておきます。
リスクを取って運用した結果、安全資産(リスクがゼロと仮定した資産)から得られる収益(リターン)をどの位上回ったのか、比較できるようにした指標です。数字が大きいほど良いと判断しますが、対象期間で違いましたよね。
資産配分の平均リターン、リスク、シャープレシオは、過去20年(2004年2月~2024年2月末)で出しているのを使っています。
          平均リターン   リスク    シャープレシオ
①日本債券100%    1.1%   2%     0.53
②日本債券70%
 先進国債券20%
エマージング債券10%  2.4%   3%     0.8
③日本債券50%
 先進国債券25%
エマージング債券25%  3.5%   4.7%    0.74
④日本債券40%
 先進国債券40%
エマージング債券20%  3.6%   5.3%    0.68

日本債券100%で運用するよりは、先進国債券、エマージング債券を一部入れる事により、シャープレシオは高くなりますね。日本債券を70%入れる②を見ていきます。
平均リターン2.4%
リスク3%
★標準偏差1(約68%の確率)
マイナス0.6%~プラス5.4%
★標準偏差2(約95%の確率)
マイナス3.6%~プラス8.4%

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の2001年から2023年度第3四半期までの収益率は、プラス3.99%(年率)です。日本株や外国株も入っての数字ですね。
勿論、元本保証の商品とかないのですが、株式市場の乱高下を気にしたくない人は、債券だけの運用で、しかも日本の債券70%を組み入れて②のシャープレシオが出るのです。
運用の仕方は、無数にありますね。自分の性格も含めて、自分に合った運用をすることをお勧めします。




 

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長島武
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長島武(ファイナンシャル・プランナー)

長島FP事務所

ブラックマンデー、リーマン・ショックなど経験して資産運用の怖さも十分に熟知。お客さまに合う商品を案内できる金融機関に属さない独立系FPとして、資産運用のアドバイスや退職金や年金分野を得意としてます。

長島武プロは熊本朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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