意外と気付かない屋根の劣化! 知っておいて損はない屋根塗装の基礎知識
一戸建て住宅に住んでいても、屋根のメンテナンスについて考えられることはそう多くはないでしょう。
しかし、屋根が劣化することで家全体の美観が損なわれるだけではなく、紫外線や太陽熱による家内部の劣化原因となってしまうこともありえます。そこで重要になるのがメンテナンスですが、具体的にどういったことをすればよいのでしょう?
今回は屋根のメンテナンスの重要性とそのメリットについてご説明します。
屋根のメンテナンスの重要性
一戸建て住宅の屋根は普段、なかなか見ることができないこともあり、メンテナンスも後回しにされてしまいがちです。台風や地震で瓦がはがれたり、雨漏りがしたりすることで初めて修理を考えるという人が多いのではないでしょうか?
しかし、屋根は住宅のなかで最も強い日差しや風雨にさらされる場所であるうえ、屋根をかばってくれるものはありません。そのため、住宅のほかの場所に比べても劣化が起きやすい場所です。だからこそ、しっかりとメンテナンスをすることが、住宅自体を長持ちさせることにつながるのです。
屋根のメンテナンスは基本的には塗装です。定期的に点検して壊れていたら取り換えればよいというわけではありません。そして、塗装をするうえで必ず知っておかなくてはならないことがあります。それは、屋根の種類によって塗装が必要なものと、必要でないものがあることです。
塗装が必要な屋根は、化粧ストレート(カラーベスト・コロニアル)、セメント瓦、ガルバリウム、トタンの屋根。塗装が不要な屋根は釉薬瓦、日本瓦、焼付洋瓦等の屋根です。これを知っておかないと悪徳業者にだまされ、塗装が不要な屋根に塗装が必要といって法外な料金を請求されてしまう危険がありますので十分、注意してください。
屋根塗装を行う目的とは
屋根塗装を行う目的として、最初に知っておかなくてはならないことがあります。それは屋根を塗装することが、直接的な雨漏り防止にはつながらないということです。
特にすでに雨漏りがしている場合、塗装をすることでその雨漏りが収まることはありません。その際は既存の屋根を残し、そのうえに新たな屋根材を取り付けるカバー工法、もしくは屋根の葺き替えをおすすめします。
屋根塗装に雨漏りを防ぐ効果がないのであれば、なぜ屋根塗装をするのでしょう。その目的は大きく3つあります。
【1:新築当時の美観を回復するため】
前述したように、屋根は住宅のなかで紫外線や風雨にさらされることでもっとも傷みやすい箇所といえます。
また何年もメンテナンスを行わず放置しておけば、傷むだけではなく、藻や苔、カビが発生してしまう場合もあります。
屋根塗装は、まず汚れや藻、苔、カビなどを高圧洗浄で除去してから行うため、新築当時の美観を回復することができます。
【2:屋根材を保護するため】
塗装をすることで屋根の表面がコーティングされ、屋根材の劣化速度を抑えることができます。
屋根材は種類にもよりますが、それぞれ寿命があり、それを越えてしまった場合は葺き替えが必要となります。しかし何もメンテナンスをせずに放置していると、寿命の前に劣化が激しくなり、数年で葺き替えが必要になってしまうこともあります。
屋根塗装を行い、屋根材の劣化速度を抑えれば、葺き替えコストを最小限にとどめることができます。
【3:遮熱・断熱効果を発揮させるため】
屋根塗装を行う塗料には、さまざまな効果を持ったものがあります。目的に応じて最適なものを選択すれば、日光を反射させる遮熱効果や、熱を伝わりにくくする断熱効果を発揮し、快適な暮らしを実現します。
このように屋根塗装を行う目的は、美観、保護、遮熱・断熱効果を発揮させるためといったものがあります。そしてこれらは、そのまま屋根塗装を行うことのメリットともいえます。
また将来的に買い換えを考えている場合、屋根塗装を定期的に行うことで住宅の資産価値を下げるリスクを回避することにもつながります。
定期的にメンテナンスを行うことが、資産価値の低下を防ぎ高い価格で売却できるようになることも、屋根塗装を行うことの目的であり、メリットであるといえるでしょう。
屋根塗装のタイミングは?
最後に屋根塗装のタイミングについてご説明します。
屋根塗装は基本的にはそれだけで個別に行うか、外壁修繕工事を行うタイミングで同時に行うかの二択になります。
外壁修繕工事のタイミングで行えば、足場を設置するのも一回で済むため、コスト削減にはなりますが、必ずしも屋根の劣化具合とタイミングが合うとは限りません。そのため、できれば屋根の劣化具合を中心に考え個別に行うとよいでしょう。
また屋根塗装は自分で行うこともできますが、落下の危険もありますし、経験がないとかえって塗装することで雨漏りのリスクが高まる可能性もあります。そのため屋根塗装は必ず専門家に依頼することをおすすめします。