雨漏り119高知店 散水調査
建物の外壁、特に鉄の部分は経年劣化や長年の風雨による錆を避けることは非常に困難です。錆止めや定期的な塗り替えをしていたとしても、錆を完全に防ぐことは難しく、ましてやそうしたケアを怠っていたとすれば、劣化より速くなります。
しかし建物を少しでも長持ちさせるためには、この錆をできるだけ抑えることが必要不可欠です。そこで今回は錆が発生する原因から、錆が目立つ場所、錆ついてしまうことのデメリットについてお伝えするほか、錆止めに有効な施策もご説明します。
錆が発生する原因とは?
鉄や金属という材質は長い間、風雨にさらされることで錆が発生してしまいます。では、なぜ風雨にさらされることで錆が発生するのでしょう?
そもそも錆とは、主に鉄の酸化物のことであり、これは水と酸素により鉄が酸化してできるものです。正確には鉄の表面が水により覆われることで鉄分子が一部イオン化し、酸素と水と反応することで発生します。
つまり空気中にあり、常に雨水が当たる場所に鉄があれば、錆がついてしまうのは自然なことであり、避けることのできないものなのです。
また錆は材質により色が異なります。例えば鉄は赤、黒、茶、黄色ですが、銅は赤、青、緑、茶色、アルミニウムや亜鉛は白色などがあり、それぞれ腐食の種類が異なります。
意外と多くある建物の錆が目立つ箇所
自分の家やビルの外壁には、鉄や金属は使用していないので錆がつく心配はないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には多くの場所で鉄や金属が使用されています。具体的には次のような場所で鉄や金属が使用されています。
【屋根】
特に一戸建て住宅の場合、屋根を見ることはほぼないと思いますので気づかないことが多いですが、最近の屋根は金属を使用していることが少なくありません。
鉄を原料としつつも、ガルバリウム鋼板や次世代型鋼板でつくられている成型金属屋根材であれば錆に強く、それほど心配する必要はないでしょう。
しかし瓦棒葺き、立平葺き、折板屋根などは金属を樹脂被膜で覆われていない状態で塗装されているため、錆がつきやすくなっています。
【外壁】
最近の外壁は、ほとんどサイディングという外壁材が使用されています。このサイディングには窯業系、金属系、木質系、樹脂系の大きく4つに分けられますが、このなかで金属系サイディングを使用している場合、錆がついてしまう可能性があります。
金属系のなかでも、ステンレスやガルバリウム鋼板など、錆がつきにくい材質のものもありますが、その上に塗られる塗料によっては錆がつく場合があるので注意が必要です。
【雨戸】
雨戸や雨戸を収納する戸袋も金属製のものが多く、錆がつきやすい場所です。特に戸袋は普段、あまり見ることがない部分のため、定期的に確認をしないと錆がひどくなっている場合もあります。
【柵やフェンス】
ほかの場所に比べ、錆が目立ちやすくすぐに目にとまるのが、この柵やフェンスです。
特にベランダや屋上部分に設置されていることが多く、従来のものに比べれば錆がつきにくくなったとはいえ、定期的な確認が必須です。また門扉も金属製のものが多いため忘れず確認をするようにしましょう。
錆つくことでの機能低下
たかが錆と思われるかもしれませんが、錆がついてしまうことで建物にダメージが生じ、次のような影響が考えられます。
【錆ついた部分の強度低下】
建物の外側に設置された階段やベランダの手すりなどが錆つき、それがひどくなるとそこに少しの力を加えるだけで簡単に崩れ落ちてしまうようになります。
それにより、踏み板や手すりが落下して下にいる人にあたってしまう、もしくは自分が落ちてしまうなど大事故が発生するリスクが生じます。
【鉄や金属部分以外のも汚れが波及する】
建物の外周には、鉄や金属をほぼ使っていないので問題ないという場合でも注意が必要です。
そのわずかな鉄や金属部分を放置していると、そこに発生した錆が雨で流れ、ほかの部分にまで錆汚れが定着してしまう場合があります。この錆汚れは洗うだけは簡単に落ちないため、新たに塗装し直さなくてはならず、美観を損なうだけではなく、余計なコストがかかってしまいます。
錆止め塗料を利用することの効果
錆の発生を抑えるためには定期的な点検をすることがもっとも重要ですが、それでも発生してしまった場合、錆止めの塗料を利用することが一般的です。
あまりにひどい状況になってしまえば、塗料を塗るよりもその部分を交換したほうがよい場合もあるますが、多少の錆であれば、錆止め塗料を利用するとよいでしょう。
しかしこれも、単純に錆ついたところに塗ってもまたすぐに錆がついてしまいます。錆止め塗料を塗る際は、必ず前の錆をしっかりと落としてから利用してください。錆止め塗料を塗布することで、その後の錆の発生するリスクを大幅に抑える効果があります。
ただし、錆止め塗料にはさまざまな種類があり、どんなに高価なものであっても、利用する部分に合っていないものであれば、その効果は発揮されません。そのため専門家に相談をしてから実施することをおすすめします。