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佐久間太貴

品質重視、地域密着型の外装・防水塗装の専門家

佐久間太貴(さくまうずき) / 外壁・防水塗装職人

株式会社エスユープレイス

コラム

屋根の遮熱塗料は効果がある!?効果が出やすい条件とは

2016年8月7日

テーマ:屋根の劣化と修復

コラムカテゴリ:住宅・建物

住まいを外気から守ってくれる屋根は太陽の熱が受け、その熱気が室内に伝わり部屋の温度が上昇します。そのため、屋根の遮熱対策は欠かすことができません。

対策として、遮熱塗料を施す方法があります。特殊顔料やセラミック成分が含まれた遮熱塗料は、赤外線を反射したり熱を放射したりする性能があります。

屋根に遮熱塗料を塗ると表面温度の上昇を抑えることができ、夏場は屋根の素材温度の上昇を15℃~20℃も軽減できると言われています。

住宅に用いられている素材などを考慮しながら、遮熱塗装を塗るとより良い効果を得ることができます。

遮熱塗料は塗布して室内温度の上昇を軽減

直射日光が当たり、住宅の表面温度が上昇することで住宅内の室温が上がり、夏場はエアコンなど使って室温を下げなくてはならず、電気代がかかります。

そのため、屋根や外壁に塗るだけで、住宅の表面温度が上昇することをおさえられる遮熱塗料が登場して、いま注目されています。

特殊顔料やセラミック成分が含まれた遮熱塗料には、特殊顔料によって赤外線を反射したり、セラミック成分よって熱を放射したりする機能があります。

条件にもよりますが、遮熱塗料を塗ると、夏場は屋根の素材温度の上昇を15~20℃ほどおさえられますが、室内は1~3℃の温度低下が得られる程度なので、エアコンが不要になるほど劇的な効果を体感できる訳ではありません。

ただ、高温になりやすい金属素材の屋根や外壁を使った住宅や、夏は熱く冬は寒いといわれる吹き抜け天井の住宅の屋根や外壁、2階にリビングや寝室がある住宅の屋根や外壁、3階建て住宅の屋根や外壁に遮熱塗装すると、より遮熱効果が体験できます。

遮熱塗料のカラーによっても遮熱効果が変わりますので、外壁や屋根の塗り替えを考える場合は、明るく薄いカラーの遮熱塗装にする方が、その効果を得やすいと言われています。

遮熱塗料は、一般的な顔料系遮熱塗料とセラミックが配合された遮熱塗料に分かれています。

セラミックが配合された遮熱塗料の主流は、中空ビーズ系塗料です。
この塗料は、NASAがスペースシャトルの断熱に使うために開発した素材を応用したものです。

遮熱塗料の原理や性能について

太陽光線は、赤外線、可視光、紫外線で構成されており、800nm~2100nmの波長部分を赤外線と呼びます。

赤外線は熱線とも呼ばれ、照射されたものを暖める性質があります。

例えば、赤外線を含む太陽光線によって、夏場、屋根の表面温度は最大で80℃まで上昇してしまいます。

ヒートアイランドは、赤外線を含む太陽光線によって温められた屋根が原因の一つといわれています。

そして、屋根の表面温度が上昇することで室内の温度も上がってしまいます。

一般的な遮熱塗料には、特殊顔料やセラミック成分が含まれたものがあり、特殊顔料によって赤外線を反射したり、セラミック成分よって熱を放射したりする効果を期待できます。

遮熱塗装の遮熱効果について

遮熱塗料が塗られた屋根は表面温度の上昇をおさえることができ、夏場は屋根の素材温度の上昇を15~20℃もおさえられます。

ただ条件にもよりますが、屋根の素材温度の上昇を15~20℃ほどおさえることができても、室内では1~3℃しか温度上昇をおさえられないので、夏にエアコンが不要になるほどの効果を体感できる訳ではありません。

遮熱効果を実感しやすい住宅の条件について

ただ、住宅づくりに用いられた素材や住まいのつくりなどを考慮したうえで外壁や屋根に遮熱塗装を塗ると、遮熱効果を実感しやすいので紹介します。

例えば、高温になりやすい金属素材の屋根や外壁、夏は熱く冬は寒いといわれる吹き抜け天井の屋根や外壁に遮熱塗装すると、遮熱効果を実感しやすいです。

また、2階にリビングや寝室がある住宅は、一日を通して2階で過ごす時間が長く、室温が上がり過ぎると不快感は家族に広がり、電気代も余計にかかるので、屋根や外壁を遮熱塗装する必要性が高いと言えます。

3階は、屋根裏の空間が狭い場合が多く、太陽に近いため室温が高くなることが多いので、
屋根や外壁を遮熱塗装すると効果的です。

塗料のカラーによる遮熱効果の違いについて

屋根や外壁に塗装する塗料は、明るいカラーを選ぶことで遮熱効果が格段に向上します。

極端ですが、黒色の遮熱塗装と白の一般的な塗装では、白の一般的な塗装の方が遮熱効果が期待できる場合もあります。

外壁や屋根の塗り替えを考えた場合、明るく薄いカラーを使った遮熱塗装を選んだほうが、遮熱効果を実感しやすくおすすめです。

また、住宅の屋根や外壁に使う塗料の色は、周りの住宅や自然環境と調和することも重要なので、そういったことも考慮してみてください。

景観条例や景観色彩ガイドラインなどが地方自治体で決められていることがあるので、屋根や外壁を塗装する前に問い合わせましょう。

遮熱塗料の種類について

遮熱塗料には、顔料系遮熱塗料とセラミックが配合された遮熱塗料があります。

一般的な顔料系遮熱塗料には、赤外線をよく反射する遮熱顔料が含まれており、屋根や外壁などの温度上昇を軽減する効果が期待できます。

ある遮熱顔料などは、遮熱効果が低いと言われる黒色であっても、屋根や外壁などの温度上昇を緩和する効果があります。

セラミックが配合された遮熱塗料は、中空ビーズ系塗料、真球ファインセラミック塗料、シラスバルーン系塗料に分けられます。

セラミックが配合された遮熱塗料の大半は、中空ビーズ系塗料に属します。
この塗料に含まれる中空ビーズは、NASAがスペースシャトルの断熱に使うために開発した素材を応用したもので、多孔質セラミックと呼ばれることもあります。

真球ファインセラミック塗料は、反射できなかった熱を屋根や外壁に貯めずに排熱する性能に優れています。
この性能により、屋根や外壁以外にも精密機器の塗装に使われることがある塗料です。

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