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Mybestpro Interview

「ご相談者」「支える方」ご希望の場所に訪問します。明日の笑顔のために

3つのセラピーとカウンセリングに長けたメンタルケアの専門家

甲斐美樹

箱庭セラピー
ペットセラピー風景

#chapter1

無意識に自分が投影されるさまざまなセラピーや療法をきっかけに、親身にお話がしたい

 カウンセリングとアニマルセラピー・箱庭療法・コラージュ療法・アートセラピーを融合した訪問型メンタルサポート事業を行っている甲斐美樹さん。事業のきっかけについてこう語ります。
 
「心理学を学び始めた頃、箱庭療法のワークショップに参加してみて、つくった箱庭を見た先生から、私の心境や悩みについて説明をしていただきました。その説明を聞き、『悩みを相談したわけでもないのに、何でわかっちゃうの?』と、とても驚きました」

 人に相談することが苦手だった甲斐さんは、当時カウンセラーとして聞くプロになることを志していましたが、「カウンセリング」というとハードルが高いと感じる人も多い中、箱庭は受けやすいと思ったそうです。
 
 では、コラージュやアートとは何が違うのか?「アートは今の吐き出したい気持ちを思いっきり出していただけます。コラージュは自分が悩みや不安、本当は進みたいと思っている未来などを示してくれます」と甲斐さんは話します。

 実は箱庭も含めて、すべて自分が投影されたものが反映されるそうです。

「絵を描くのが恥ずかしい方は、箱庭やコラージュなどを選んでいただき、ご自身の好きなように造形をしていただきます。その投影されたものをご説明し、見えてくる次のステップへのヒントから話を進めていけるのです」

 甲斐さんは、話すことに抵抗が無い方であれば、カウンセリングを選択するそうです。あくまでご要望に沿える話をするための手法として、セラピーが重要だと考えています。

#chapter2

パートナーであるセラピードッグを、生後2カ月から飼育・教育して育成

 甲斐さんは、東日本大震災のボランティアチームがある学校を学びの場として選択し、被災地でのボランティアを通じて、アニマルセラピーに感銘を受けた経験があります。

 活動されているNPO法人、保健師、市の職員の方などが、セラピードッグを抱っこしたとき、自分がどれだけ疲れていたかと涙されたという報告です。心が傷ついたのは被災者の方だけではなく、応援している人たちの中にも傷ついている方はいます。「両者の明日の笑顔のために、話ができるカウンセラーになろう」と、決意されたそうです。

 この両者への想いとは、日常の生活で言えば、介護を受ける方とされる方。ご家族の心の痛みや悩みを支える方。悩みを抱えていても家族だからこそ打ち明けられない方など、さまざまなケースがあてはまります。

 また、甲斐さんはセラピードッグの颯くんを、生後2カ月から飼育・教育しています。例えばご老人の方がアニマルセラピーを行っている間に、家族の方には箱庭療法やカウンセリングを行うなど、両者の癒しを実践する上で、3年前から颯くんを育成してきたそうです。

 いじめが原因で引きこもりとなった状況を変えたいと、意を決してカウンセリングに“来てくださった”方が、当時はご訪問ができなかったため、継続してカウンセリングを行えなかった苦い経験。その後悔が訪問型へ、そして、どのような場所でも能力を発揮できる颯くんというパートナー育成へと甲斐さんを動かしました。

甲斐美樹さん カウンセリング風景

#chapter3

家族が心を病んだ経験。自分も相談することが苦手だったから、気持ちがわかります

 SANPOでは、パートナーとしてもう1名、同じ学校で学んだカウンセラーの方との連係があります。

 施設などからご依頼をいただいた際や、ご家庭でもご相談者が複数の場合など、プログラムを組んでグループセラピーを行うことがあり、その場合カウンセラー2名以上、セラピードッグ2匹で訪問できる体制を整えています。

 甲斐さんはカウンセラーを志す前に、ご家族の鬱をサポートした経験があり、だから訪問する大切さを語ります。

「移動が大変な方でも、施設やご自宅であれば安心して受けていただけると思います。例えば認知症の方は昔のことを思い出されて笑顔が戻ったり、自閉症の方は人に伝えられないこともセラピードッグを通すことで、何か表現出来たり、伝えることの助けになったりしています」

 人を助ける方の大変さや気持ちがわかり、箱庭もアニマルセラピーも、張り詰めていた心を癒してくれることを自身が経験したことで、手法や知識の吸収、より幅広いカウンセリング内容の積み重ねに没頭できたそうです。

 その学びの場で出会ったパートナーと共に歩みだした訪問型メンタルサポート事業。カウンセリングも、箱庭療法・コラージュ療法・アートセラピーも、ご相談者が選べます。

「昔の自分がそうだったように、いきなりカウンセリングというのはハードルが高いという気持ちはわかります。何かモヤモヤしている。何を相談したいのか、どんな癒しを求めているのかわからない。そのようなお問い合わせも大歓迎です」と、甲斐さんは優しく微笑みます。
 
(取材年月:2019年8月)

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専門家プロフィール

甲斐美樹

3つのセラピーとカウンセリングに長けたメンタルケアの専門家

甲斐美樹プロ

心理カウンセラー

SANPO

伝えたいという想いはあっても、話すことが苦手な方、移動が大変な方、時間が無い方などが、気軽にセラピーやカウンセリングを受けていただけるよう、カウンセラー(とセラピードッグ)がご自宅や施設にご訪問。

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