帰省は “親の今” を知る絶好のチャンス

小山千夏

小山千夏

テーマ:『ケア活』

一年で、親の心身の変化が最も見えやすいのが 帰省のタイミング です。
普段離れて暮らしていると気づきにくい「生活のちいさな変化」「行動の違い」も、
数日間生活を共にすることで浮かび上がってきます。

介護は“突然始まる”と思われがちですが、
実際には必ず 前兆となるサイン=介護未満 が存在します。
そのサインを見逃さないために、帰省時のチェックポイントをまとめました。

年末年始に確認したい「生活の変化」10項目
① 食事の変化

前より食べる量が減っている

食卓に偏りがある(パンばかり、惣菜ばかり)

賞味期限切れの食品が増えた
食事は生活力のバロメーターです。

② 冷蔵庫の状態

古いものが多い

同じものを何個も買ってしまっている

中が整理されていない
認知面の変化が最も出やすい箇所です。

③ キッチン・水回りの清潔さ

シンクに汚れが溜まりやすくなった

お風呂の掃除が追いついていない
掃除の頻度は「体力」と「意欲」が反映されます。

④ 金銭管理の変化

謎の引き落とし・契約が増えていないか

ピンポン営業や訪問販売の痕跡
トラブルから守るためにも大切な観察ポイントです。

⑤ 薬の飲み忘れ・詰め替えの乱れ

飲み忘れた薬が残っている

同じ薬を複数持っている
認知症初期のサインとしてよく見られます。

⑥ 歩き方・立ち上がりの変化

以前より歩幅が狭い

ふらつきが増えた

立ち上がりに時間がかかる
転倒リスクの見極めにつながります。

⑦ 電話・会話の様子

同じ話が増えた

日付・曜日があいまい

電話の頻度が以前と変わった
コミュニケーションの変化は大きなヒントです。

⑧ 外出の頻度が減っていないか

買い物に出かけなくなった

趣味の会に行かなくなった
社会性の低下はうつ・認知機能の低下につながりやすいです。

⑨ 洗濯物・着替えの状態

同じ服を何日も着ている

季節に合わない服装をしている
日常生活の細部に変化が表れます。

⑩ 財布・鍵・重要書類の置き場

よく探し物をする

書類が乱雑になっている
「探す時間が増えた」は認知機能のサインです。

“気づいたけれど言い出せない” と悩む方へ

帰省中に変化を感じても、
その場で親にストレートに伝えると関係がこじれることがあります。

ポイントは…

〇 親を責めない
〇 変化を否定しない
〇 「あなたを心配している」軸で話す
〇  すぐに結論(施設・サービス)を押し付けない

親のプライドを守りながら「一緒に考える姿勢」を取ることが大切です。

もっと具体的に知りたい方へ

著書 『楽する介護』(2025年2月刊)では、
帰省時のチェックポイント・親との話し方・介護未満の対応を
さらに詳しく掲載しています。

帰省前に読んでおくと、見落としを防げます。

個別相談も可能です

「うちの親の場合はどう判断すればいい?」
「気づいた変化をどう伝えればいい?」

など、状況整理が必要な方は
マイベストプロの問い合わせフォームへお気軽にご相談ください。

あなたとご家族に合ったケア活の進め方をご提案します。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

小山千夏
専門家

小山千夏(老人ホーム紹介コーディネーター)

株式会社リトリートメント

老人ホーム専門の紹介コーディネーターとして迅速に対応。施設を決めることだけを目的にせず、家族の気持ちに寄り添い、介護を人に任せる「罪悪感」を減らし、自分自身の人生を生きるための支援を行います。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

家族も入居者も幸せになる老人ホームを紹介するコーディネーター

小山千夏プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼