一番長くて一番つらい「介護未満」の時間

小山千夏

小山千夏

テーマ:『ケア活』

本格的な介護より、手前の“介護未満”がつらい理由

「介護が始まったら大変ですよね」
とよく言われますが、
実は、その手前の段階である
“介護未満”の時期に
精神的な負担を抱えている方が非常に多いと感じています。

介護未満とは、
まだ要介護認定も受けておらず、
介護サービスも使っていない。
けれども、
「少しずつ不安が増えてきた」
「以前とは違ってきた」
と感じる時期のことです。

たとえば、
・病院への付き添いが増えてきた
・買い物やゴミ出しが負担になっている
・物忘れや同じ話が気になり始めた
・家の中が少し散らかるようになってきた

こうした変化が重なりながらも、
「まだ大丈夫」とご本人が言われることも多く、
子ども世代は
「どこまで手を出していいのか」
「介護とは呼べないし、誰に相談していいのかわからない」
という状態に置かれがちです。

見えにくい負担が、じわじわと心を削っていく

介護未満の時期は、
一度に大きな負担がかかるわけではありません。
その代わり、
「ちょっとだけ」の手助けや心配ごとが
長く続いていきます。

・ちょっとだけ付き添う
・ちょっとだけ掃除をする
・ちょっとだけ実家に顔を出す

この「ちょっと」が積み重なった結果、
気づいたら心も体も限界に近づいていた──
そうした方を多く見てきました。

介護未満の不安を軽くするには「状況の言語化」が鍵

介護未満のつらさを和らげるために、
私がお勧めしているのは、
まず 今の状況を言葉にしてみること です。

・親の生活の中で、何が不安に感じられるのか
・自分はどんな時に疲れを強く感じるのか
・家族やきょうだいと、どこまで共有できているのか

こうしたことを簡単に書き出すだけでも、
「何がつらいのか」が見えやすくなります。

介護未満の今こそ、ケア活の始めどき

ケア活とは、
介護が始まる前から家族で話し合い、
制度やサービスを知り、
「自分の人生を守るための準備」をすることだとお伝えしています。

介護未満の今こそ、
焦らずに将来を見つめ直すチャンスでもあります。

「うちもそろそろかもしれない」と感じたときは、
どうぞ一度ご相談ください。

状況を一緒に整理しながら、
あなたとご家族に合ったケア活の形を考えていきましょう。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

小山千夏
専門家

小山千夏(老人ホーム紹介コーディネーター)

株式会社リトリートメント

老人ホーム専門の紹介コーディネーターとして迅速に対応。施設を決めることだけを目的にせず、家族の気持ちに寄り添い、介護を人に任せる「罪悪感」を減らし、自分自身の人生を生きるための支援を行います。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

家族も入居者も幸せになる老人ホームを紹介するコーディネーター

小山千夏プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼