一番長くて一番つらい「介護未満」の時間
「介護は突然」ではなく、「介護未満のサイン」は必ずある
「親の介護は、ある日突然やってくる」
よく耳にする言葉ですが、
現場で2500組以上のご家族と関わってきた実感としては、
介護は“本当の意味で突然”始まるわけではありません。
その前には必ず、
「ちょっと気になる変化」が積み重なる
介護未満の時期があります。
病院の付き添いが増えたり、
買い物や掃除が少し負担になっていたり、
電話の回数が増えたり。
「まだ介護とまでは言えないけれど、なんとなく不安」
多くの方が、このあいまいな段階で
誰にも相談できず、ひとりで悩んでいらっしゃいます。
「ケア活」とは、介護が始まる前から準備をする新しい行動習慣
私はこの“介護未満”の不安を軽くするために、
介護が始まる前から家族で話し合い、
制度やサービスを知り、
「いざという時に後悔しない介護」に備える活動を
「ケア活」 と呼んでいます。
「介護のための準備」と聞くと、
なんだか重たい印象があるかもしれません。
ですが、ケア活の本質は
親のため“だけ”ではなく、
介護に関わるご家族自身の人生を守るための準備です。
仕事・子育て・自分の生活。
それらをすべて抱えたまま、
何の準備もないまま介護が始まると、
心身ともに追い詰められてしまうケースが少なくありません。
ケア活の第一歩は「いまの状況を言葉にしてみること」
ケア活は、特別なことから始める必要はありません。
まずおすすめしているのは、
「親の今の様子」と「自分の気持ち」を
簡単に書き出してみることです。
・病院の通院状況
・日常生活の様子(食事・掃除・買い物など)
・気になっている小さな変化
・自分が不安に感じていること
こうしたことをメモにするだけで、
「なんとなく不安」が
「ここが心配なんだ」という“具体的な課題”に変わります。
「あなたはあなたの人生を生きてもいい」
介護という言葉が頭をよぎると、
「自分のことは後回しにしなければ」と
感じてしまう方も少なくありません。
しかし私は、介護の現場を通して
何度もお伝えしてきました。
「あなたはあなたの人生を生きていい」と。
親の人生と同じように、
あなたの人生も大切にされて良いものです。
ケア活は、親も子も、
それぞれの人生を大事にするための一歩だと考えています。
お一人で悩む前に、ご相談ください
「うちの親の状態は、もうケア活のタイミング?」
「何から手をつければいいのかわからない」
そんな時は、お一人で抱え込まずに
どうぞお気軽にご相談ください。
状況を整理するだけでも、
心がふっと軽くなる方がたくさんいらっしゃいます。



