ほんの1ミリ、指が動いた。それが私の希望だった

澤田祐希

澤田祐希

「先生、今……動きましたよね?」
施術中、患者さんが小さくつぶやきました。
私の手の中で、その方の指が、ほんの1ミリだけ動いた瞬間でした。
たった1ミリ。
数字にすれば、ほとんどわからないくらいの動き。
でも、その1ミリには、これまでの日々の努力と、諦めずに向き合ってきた時間のすべてが詰まっていました。

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◆ “動かない”のではなく、“まだ動けないだけ”
片麻痺になると、多くの方が最初に感じるのは「動かない」という絶望です。
どんなに「動け」と念じても、体が反応しない。
脳と体のつながりが切れたような、そんな感覚。
でも、実際には“完全に動かない”わけではありません。
体の中では、無数の神経が、もう一度つながろうとしています。
“動かない”ように見えるのは、まだ再び動く準備をしている最中なのです。
私たち整体師の役割は、その小さな信号を見逃さず、
“動ける体”が戻ってくる環境を整えることです。

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◆ 希望は「結果」ではなく「感覚」から始まる
指が1ミリ動いた瞬間、
患者さんの表情がぱっと明るくなりました。
「動いた」ことそのものよりも、
「動く感覚を取り戻した」ことが、何よりの希望になります。
動く感覚を取り戻す——それは、体が再び“自分のもの”になっていく感覚です。
それが感じられるようになると、
体も自然と応えてくれるようになります。

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◆ 小さな変化が、大きな未来をつくる
回復は、いつも“一気”ではなく、“少しずつ”です。
でも、その“少し”を感じ取れることが大切です。
1ミリ動いた指が、次は2ミリ、5ミリと動くようになる。
やがて、「物をつかむ」「支える」といった動作につながっていきます。
変化は小さくても、確実に体の中では前進が起こっています。
その変化を一緒に感じ、喜ぶこと。
それが、私たち「片麻痺専門整体院ひろさわ」が何より大切にしている瞬間です。

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◆ 最後に
「ほんの1ミリ、指が動いた」
——その瞬間から、人生はもう一度、動き始めます。
焦らなくて大丈夫です。
1ミリの希望が、次の一歩を生み出します。
私たちは、その小さな変化を見逃さず、
“もう一度、自分の体で生きる”ための道のりを一緒に歩んでいきます。

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澤田祐希
専門家

澤田祐希(整体師)

片麻痺専門整体院ひろさわ

2017年から“麻痺は克服できるもの”という考えで従来型リハビリの常識にとらわれず挑戦をしてきました。今は成果が積み重なり確信に変わりました。医療の枠に捉われず独自のリハビリプログラムを提供中。

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