歩かないと歩けなくなる は本当? ――リハビリを支えるご家族に知ってほしいこと
「もう治ったように見えるね」と言われたことがありますか?
外見だけ見ると、普通に歩けているように見える。
でも実際には、足の裏の感覚が鈍かったり、
ちょっとした段差でバランスを崩したり、
手を使うときに強くこわばってしまったりする。
疲れやすかったり、痛みがあったり。痺れがあったり。
とにかく、周りから見ても普通に見える
けど、発症前とは明らかに違う
——それを、誰にも分かってもらえない。
その瞬間、心の中で静かに扉を閉めてしまう方が少なくありません。
当院にはそのような外からは見えない「感覚麻痺」の悩みで来院される方もいらっしゃいます。
___
◆ 「見えない不自由」は伝わりにくい
脳卒中の後遺症は、見た目だけでは分かりづらいことも多いです。
歩けるようになっても、感覚のずれや疲労、緊張のしやすさは残ります。
周りの人は「元気になってよかったね」と言ってくれるけれど、
本人の中では「まだ全然思うように動かない」「一日動くとぐったりしてしまう」。
そのギャップが、心をすり減らしてしまうのです。
_____
◆ 理解されない苦しみは、「孤独」ではなく「ずれ」
周りが冷たいわけではありません。
ただ、「感覚」は外からはわからないということ。
だから、伝えようとするときに言葉が見つからなくなるのです。
私たちは整体の現場で、
「家族に分かってもらえない」「友人にもう大丈夫でしょと言われた」「病院でももう卒業と言われた」
という言葉を何度も耳にします。
でも、同時にこうも思います。
——それほどに、“あなたの頑張り”がすごいからこそ、
周りにはもう元気に見えてしまうのだと。
____
◆ 「分かってくれる人」がいることが力になる
片麻痺のリハビリは、長く続く道です。
だからこそ、理解してくれる人との出会いが大切になります。
同じ経験をした人、
体のことを理解してくれる専門家、
そして、あなたの努力をちゃんと見てくれる人。
その人たちと出会うことで、
「分かってもらえない」という孤独は、
少しずつ「分かってもらえる安心」に変わっていきます。
_____
◆ 私たちの整体院が大切にしていること
私たちは、体だけでなく「気持ち」にも寄り添う整体を大切にしています。
動かすことよりも、「どう感じているか」「何を怖いと感じているか」に耳を傾けます。
動かない理由は、筋肉や関節だけでなく、
“心の緊張”が影響していることも多いのです。
ここでは、無理をせず、焦らず、
「分かってもらえる場所」で一緒に体を整えていきましょう。
____
◆ 最後に
「周りの人に理解してもらえない」
——それは、あなたが弱いからではありません。
むしろ、誰よりも頑張ってきた証拠です。
わかってくれる人は、必ずいます。
そして私たちは、その一人でありたいと思っています。



