1回のリハビリ時間は足りているのか?
よく聞く言葉「歩かないと歩けなくなる」
ご家族が病気やけが、脳卒中の後遺症などでリハビリを受けているとき、
「歩かないと歩けなくなるよ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
医療現場でも、よく耳にする言葉です。
「歩かせないとダメ」「どんどん動かした方がいい」と言われて、焦ることもあるでしょう。
でも、実はこの言葉…少し違うかもしれません。
【無理に歩かせることが回復を妨げることもある】
私たちの施設では、歩行練習やパワーリハビリを控えめにしたほうが経過が良いというケースもあります。
なぜかというと、「動かすこと」よりも「感じること」や「体の状態を知ること」が、
本当の回復には大きく関わってくるからです。
無理に立たせたり、たくさん歩かせたりすることで、
逆に変なクセがついたり、体を痛めてしまうこともあります。
【回復に必要なのは質と順番】
歩くことはもちろん大切ですが、「どんな状態で、どう歩くか」の方がもっと大切です。
焦って動かすのではなく、その人にとってちょうどよいタイミングで、ちょうどよい刺激を与えてあげることが、
結果的に回復への近道になります。
【ご家族としてできるサポート】
焦る気持ち、不安な気持ち、とてもよくわかります。
「今のうちに動かさないと…」と思ってしまうのは、愛情があるからこそです。
でも、その思いを少し方向転換して、こう考えてみてください。
・「今日はどうだった?」と体の変化に関心を向ける
・「ゆっくりと一つ一つ丁寧に」と丁寧な動作を促す言葉をかける
・「できるようになったこと」を一緒に喜ぶ
ご本人にとって無理をしないで取り組める環境をつくってあげることが、
何よりのリハビリサポートになります。
【まとめ:歩けるようになるために、急がない】
・「歩かないと歩けなくなる」という言葉に焦る必要はありません
・回復は量ではなく質
・無理に動かすより、丁寧に感じることが大切
・ご本人のペースで進むことが回復への近道
・家族の関わり方が安心と変化を後押しします
焦らず、慌てず、
その人に合った一歩を大切に。
それが、回復の一番の近道になると私たちは考えています。



