組織の通訳者の役割について考える
今年8月、クエーサー出版より、私の初めての著書
『キリンの人工哺育はなぜ揉めるのか』
― 正論のぶつかり合いで止まる組織を、どう動かすか ―
を出版することになりました。
タイトルだけを見ると、「動物園の専門書なのかな」と思われるかもしれません。しかし、本書はキリンの人工哺育の技術を解説した本ではありません。
17年間、動物園で獣医師として働き、その後は中小企業診断士としてさまざまな組織を見てきた私が、一つの疑問を掘り下げた本です。
「みんな正しいことを言っている人ばかりなのに、なぜ組織は前へ進まないのか。」
動物園だけの話ではありません
私は動物園で、多くの優秀で責任感のある職員と仕事をしてきました。
誰も手を抜いていません。
誰も悪意を持っていません。
それでも、会議はまとまらず、改善は進まず、同じ問題が何年も繰り返される。
その原因は、「能力不足」ではありませんでした。
組織の構造に問題があったのです。
本書では、
・キリンの人工哺育
・ペリカン舎の清掃
・カンガルーの事故
・顧客視点を失った戦略
・安楽殺という難しい意思決定
など、実際の現場で起こりうる出来事を題材に、
「現場で起きたことを経営の言葉で読み解く」
という視点から整理しています。
この本で伝えたいこと
私はあとがきで、このように書きました。
「現場で感じているその違和感は、正しい可能性が高い。」
組織では、「何かがおかしい」と思っていても、その違和感は言葉にならず、やがて慣れてしまいます。そして、それが「当たり前」になっていきます。
本書で伝えたいのは、違和感を持つことではなく、違和感を言語化し、小さく試すことです。
改善は、一人の英雄が現れることで始まるのではありません。
小さな仮説を立て、
試し、
修正し、
また試す。
その積み重ねこそが、組織を前へ進めると私は考えています。
こんな方に読んでいただきたい
本書は、動物園関係者だけに向けた本ではありません。
例えば、
・組織改善に取り組んでいる関係者
・公共性の高い組織で働く方
・動物園の舞台裏に興味のある方
・「正しいこと」を言っているのに組織が動かないと感じている方
・現場と経営をつなぐ視点を学びたい方
に読んでいただけたら嬉しく思います。
8月発売予定
本書はクエーサー出版より刊行予定です。発売後はAmazonでご購入いただけます。
詳細が決まりましたら、私の個人ブログでも改めてご案内いたします。(私個人のマイベストプロの契約が7月末をもって終了することとなりました。これまでご覧いただいた皆様、温かく支えてくださった関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。)
もし皆さまの職場にも、
「なぜ、こんなに頑張っているのに前へ進まないのだろう」
という違和感があるなら、本書がその原因を考えるきっかけになれば幸いです。
皆さまにお届けできる日を、私自身も楽しみにしています。


