外部講習に頼る前に。自社の現場課題を「最高の教材」に変える、実践型教育プログラム。【後編】
なぜ、畜産経営の話し合いは噛み合わなくなるのか?
こんにちは。
私はこれまで、畜産・動物医療・動物園・教育現場など、
「動物の専門性」を軸にした現場に長く関わってきました。
最近、畜産農家の方や行政・関係機関の方から、
こんな言葉を聞く機会が増えています。
- 「ちゃんと相談しているはずなのに、話が前に進まない」
- 「制度の説明は受けたが、正直よく分からない」
- 「思いはあるが、どう伝えればいいのか分からない」
これは、誰かの能力不足ではありません。
問題の正体は「言語の断層」です
畜産経営の現場には、
- 経験
- 勘
- 身体感覚
- 現場特有の制約
といった “体温のある知恵” があります。
一方で、行政・JA・金融機関には、
- 制度
- 予算
- リスク
- 公平性
という “全体最適の論理” があります。
どちらも正しいんです。
しかし、使っている言葉が違うのです。
この「言語の断層」がある限り、
- 農家の話は「要望」「感情」に見え
- 支援側の話は「建前」「机上論」に聞こえる
という不幸なすれ違いが起こります。
私が「畜産経営の通訳」をやろうと思った理由
私は獣医師として現場に立ち、
同時に中小企業診断士として経営や制度の世界も見てきました。
その中で強く感じたのは、
「これは指導の問題ではない。通訳がいないだけだ」
ということでした。
畜産農家は、
説明が下手なのではありません。
行政や支援側も、
冷たいわけではありません。
ただ、
互いに“相手に伝わる言葉”で話していないだけなのです。
畜産経営通訳サポートとは何をするのか
私は、判断や指導を行いません。
代わりに、次の役割を担います。
① 農家の話を「経営の論点」に整理する
- ぼやき → 課題
- 不安 → リスク
- 希望 → 選択肢
② 行政・支援側に伝わる形に翻訳する
- 制度にどう当てはまるのか
- 何が判断材料になるのか
- どこが論点なのか
③ 話し合いが成立する場をつくる
- 脱線しない
- 感情的にならない
- 「結論が出る」打ち合わせにする
この支援が向いているのは、こんな場面です
- 補助金・設備更新・事業見直しを考えている
- 行政や金融機関との話し合いが控えている
- 自分の考えをうまく言語化できない
- 「相談しているのに前に進まない」と感じている
提供するのは「答え」ではなく「通じる状態」
このサポートのゴールは、
私が前に出ることではありません。
- 農家の言葉が正しく理解され
- 支援側の意図が正しく伝わり
- 双方が同じ地図を見て話せる
その「通じる状態」をつくることです。
最後に
畜産経営は、
一人で抱え込める時代ではなくなりました。
しかし同時に、
誰かに丸投げできるものでもありません。
だからこそ必要なのが、
現場と制度の間に立つ「通訳」「橋渡し役」という役割です。
もし、
- 話が噛み合わない
- 会議が疲れる
- 相談しても前に進まない
そんな感覚があれば、
一度、話を整理するところから一緒にやりましょう。




