車のシート汚れ洗浄 掃除の死角!!チャイルドシート下の汚れルームクリーニング神奈川
父親の介護経験が転機に
初心者でも素早く簡単に自動車のシート洗浄ができる
【10人全員が否定】
「絶対無理と言うんだな。だったらオレがやるから絶対にやるんじゃないぞ」。アイ・ケイ・シー社長の木村光夫は2010年に自動車のシートや内装を洗浄する事業を検討していた際、友人や知人10人に意見を求めたところ全員に「絶対に無理だ」と否定された。当時は洗車やコーティングといった外装に関するサービスはあったが、車内をきれいにする専門業者は存在しなかったからだ。
だが、友人らの言葉がきっかけになり生来の負けず嫌いに火がついた。準備期間の約7カ月間にさまざまな試行錯誤の末、11年2月に創業した。
外部企業の協力で抗菌や除菌、脱臭にも効果がある特殊洗剤と特殊洗浄機を開発。現在では自動車関係以外にオフィスや飲食店などの椅子洗浄も手がける。このほか洗浄機や洗剤の販売、洗浄システムのフランチャイズチェーン(FC)事業を展開している。
【余命半年と宣告】
子どものころから自動車が大好きで、社会人になって国産車ディーラーの整備士を皮切りに輸入車ディーラーの工場長やサービス責任者を歴任。自動車販売業界で一目を置かれる存在となった木村の転機となったのが、父親の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症だった。余命半年と宣告され、勤務先には「独立する」とうそをついて退職し、介護に専念することに決めた。
父親は延命措置をこばみ、約半年間の闘病の後に他界した。木村は悲しみの中にあったが、父親の介護経験を通じ福祉関係の仕事に興味を覚えた。さまざまな資格を調べ、介護の状況を見ていく中で「そういえばおやじのベッドがにおっていた」「病院送迎車のドアを開けたら臭かったな」といった記憶がよみがえった。そこで介護車両のシート洗浄を事業化できないかとひらめいた。
【車1台分が90分】
介護車両は嘔吐(おうと)や尿漏れなどで汚れがシートに染みこむと汚れやにおいがなかなか取れない。アイ・ケイ・シーは除菌と抗菌に優れ安全性が高い次亜塩素酸が入った洗剤を使う。これをシートに噴射し、金属製のへらのような特殊ガンを使い、すすぎ用洗剤を吹き付けながら浮き上がった汚れを吸引。すすぎ用洗剤は柔軟剤も入り、ふんわりした仕上がりとなる。すすぎの水も大幅に減り、車1台分を乾燥するまで90分程度で済む。
自動車シート洗浄で事業をスタートした木村。ここに至るまで多くの困難を乗り越えてきた。最初の関門は初めての就職先の国産車ディーラーだった。