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屋根塗装に使われる塗料の種類や選択のポイントなどについてお話ししましょう。
屋根塗装に使う人気の塗料は?
塗り替えリフォーム専門店アイビーリフォーム代表親方の小口哲司です。
屋根塗装に用いる塗料を選ぶ際、考えなければならないことは、塗料の「耐用年数」と「価格」です。塗料の耐用年数が短いと、短期間で塗り直しをしなければなりません。かと言って、耐用年数が長い塗料は高価になります。
現在、屋根塗装によく使われる塗料はシリコン塗料です。その理由は、シリコン塗料が一定の耐用年数を持ちつつ価格もそう高くはない、つまり、コストパフォーマンスが良い点にあります。
しかし、シリコン塗料に比べ価格は高いものの耐用年数が長いフッ素系塗料も人気があります。塗り直しにかかる費用を考えれば、少々高くても耐用年数の長いほうが良いと判断されるお客様も多いということです。
また「耐え難い夏の暑さをなんとかしたい」という理由から、遮熱機能や断熱機能を持った塗料を選択される方も増えています。
屋根塗装に適した塗料
屋根塗装に使われる塗料について見てみましょう。
(1)シリコン塗料(耐用年数10~13年程度)
発売からすでに十数年、屋根塗装の塗料として定番になっている塗料です。耐久面での実績も確かです。
(2)フッ素系塗料(耐用年数15~20年程度)
価格は高くなりますが、耐用年数の長さが人気の塗料です。六本木ヒルズのような高層ビルやスカイツリーなどにも採用されています。汚れにくい塗料ですから、屋根の美観を保つうえでも効果があります。
(3)遮熱塗料(耐用年数15~20年程度)
遮熱塗料は、日差しを反射し太陽の熱を塗膜に浸透させない機能を持っています。ある実験データでは、夏、一般塗料の屋根の温度が63.5℃の時、遮熱塗料を塗った屋根の温度は53.0℃。この10℃の差は室内温度にも影響し、室内の温度差は2~3℃と計測されました。真夏のこの温度差は体感的にはもっと大きいでしょう。
ただし、色によって反射率が異なり、遮熱効果が違うということを考慮する必要もあります。
(4)断熱塗料(耐用年数15~20年程度)
断熱塗料の特徴は、夏の暑さは遮熱塗料と同じく遮り、その一方、冬には室内の暖かさを外に逃がさない、という点にあります。有名なものにJAXA(宇宙航空研究開発機構)の技術を応用したガイナという断熱塗料があります。
塗料には、このほかにアクリル塗料、ウレタン塗料もありますが、耐久性や機能面で上にあげた塗料に劣るため、現在、屋根塗装に使われることはほとんどありません。
ちなみにアクリル塗料の耐用年数は5~7年程度、ウレタン塗料の耐用年数は6~8年程度です。
油性塗料VS水性塗料
さて、塗料には、油性塗料と水性塗料があります。油性と水性の違いは、油性塗料が塗料の成分を混ぜる溶剤にシンナーなど揮発性有機溶剤(これが油性塗料の臭いの元です)を使うのに対し、水性塗料は水を溶剤として使う点です。
屋根塗装にはどちらが適しているでしょう。
屋根ではなく外壁塗装の場合、臭いの問題などで、水性塗料を選択するケースもあります。しかし、屋根の場合、油性塗料のほうが適していると言えるのです。
理由の一つは、水性塗料に比べ油性塗料のほうが耐久性が高いということです。それに、現在は臭いの少ない油性塗料が開発されています。
もう一つの理由は、油性塗料のほうが金属に適しているということです。たとえば現在、住宅の屋根材として人気があるスレート屋根の場合、屋根の頂部分に棟板金と呼ばれる金属板を設置します。そして、金属には錆という大敵があります。水性塗料は水ベースですから金属部分の使用にはあまり適さないのです。また、ツヤという点でも油性塗料のほうが持続力があります。
屋根材による塗り替え時期の目安
ところで、屋根の塗り替えは屋根材とも関係します。最後に屋根材による塗り替え時期の目安を見ておきましょう。
■スレート屋根の耐用年数は20年~25年です。しかし、スレート屋根は塗料によって防水性を保っています。そこで、塗料の耐用年数が来た時が塗り替え時期になります。
■瓦屋根の瓦は強く、その耐用年数は約50~80年。そして、塗り直しの必要はありません。ただ、セメント瓦の場合、耐用年数は30~40年と長いものの、スレート同様に塗料によって防水性を保っています。そのため、やはり塗料の耐用年数が来た時が塗り替え時期になります。
■トタン屋根は塗装によって錆止めと防水性を確保しています。塗装が剥がれるとすぐ錆が広がり、目安として5~8年で塗り替えが必要になります。