テーブル製作
木の家は鉄やコンクリートに比べて強度が低いと思われているのではないでしょうか。しかし、木の家の強度の優れている点をご紹介します。ほかにも、耐震性、耐火性など、さまざまな点で優れていることを知ってもらえればと思います。
鉄やコンクリートより強度が高い!?木の家の秘密
同じ大きさで比較すると木より鉄やコンクリートの方が強度が強いのですが、同じ重さで比較すると実は木の強度が強くなります。
その秘密は木の断面にあります。拡大してみるとたくさんの細長い細胞が縦方向に、壁を縦にしたようにびっしりと並んでいるのですが、木が生きている間はここをパイプのようにして栄養分や水分を運んでいたのです。
この構造によって木材は横方向に比べて縦方向の強度が強く、横方向の3倍から20倍も強度が高いのです。そして、杉材の引っ張り強度は鉄の約4倍。圧縮強度はコンクリートの6倍あります。しかも、杉材は鉄よりも軽く、比重で比べると杉材は0.38、鉄は7.8です。
同じ強度の家を作るには鉄骨造やコンクリート造りは木の家に比べて何倍もの重さが必要になり、かなりコストが掛かってしまいます。
耐震性にも優れている木の家
木造の家は鉄筋コンクリートの家より地震に弱いと思っていませんか?
正しくメンテナンスがされていなかったために大切な箇所が腐ったり、白アリでやられたり、正しく筋交が設置されていないなどの問題がなければ、木の家は大きな地震でも簡単に壊れることはありません。
建築基準を守った木造軸組工法は高い耐震性を備えていると、阪神大震災の最大震度を再現した実験で証明されています。
地震のエネルギーは建物の重さに比例して掛かります。重さあたりの比強度において優れている木の家は、鉄筋コンクリート住宅より軽いため、同じ強度であっても倒壊のダメージを受けにくいのです。
火や水にも強い!?適材適所で強度の高い木の家に
木は火や水に弱いイメージがあるかもしれませんが、適材適所に使えば腐ることもありませんし、燃えにくいものです。
浴室や洗面所など湿気の多い所には、ヒノキやヒバなど湿気に強い天然木を使えば、湿気を吸収し、カビを防ぎやすくなります。それに保温性も高まります。床下や屋根裏は通気性をよくしておくことで、湿気対策を施すことができます。
木は焼けると表面が炭化するため、厚みがあるとなかなか燃えません。厚みのある木の燃え進むスピードは1分間に0.6mm程度と言われています。
断面の大きい柱や梁なら30分火にさらされても表面から18mm程焦げて、中身は残っているのです。鉄やアルミの場合は熱に弱く数分で強度が急に低下します。火事が起こると鉄やアルミの柱はグニャと曲がってしまい、倒壊しやすくなります。また、火事の被害では内装材のプラスチックや化学繊維が燃えて出る有毒ガスを吸って逃げ遅れることが多いのですが、木は有毒ガスをほとんど出しません。
こういった面からも、木の家は強度が優れていると言えるでしょう。