家族の未来のために食の安全と美味しさを追求するプロ
山内外茂男
Mybestpro Interview
家族の未来のために食の安全と美味しさを追求するプロ
山内外茂男
#chapter1
食の安全が問題になっている昨今、それに関する情報がメディアやネットにあふれています。しかし、その情報は正しいのでしょうか?それに明確な答えを出しながら、自分の口で食材の良し悪しが分かるように指導している人物が金沢にいます。安全で美味しい食を追求するプロ、「土の味」代表取締役の山内外茂男さんです。
旧鳥越村の農家出身。学生時代は農業について学び、卒業後、金沢市の中央卸売市場にある会社で仲卸の仕事に携わりました。スーパーへ食材を納品するため全国を飛び回る日々。その経験から、どこに、どんな食材があり、いつピークを迎えるのかを知り尽くすようになったと言います。
そうやって仕事をするうち、「消費者が本当に欲しいものは何だろう?」と疑問を抱き始めた山内さんは、「私が本気で食べてもらいたいもの、安心して美味しく食べられるものを売る仕事をしよう」と決心。四十二歳で独立し、2005年に「土の味」を設立しました。
以来、食品の安全性と味について研究を重ねた山内さんは、十八年間で約五万個に及ぶ食品を取り寄せ、自ら食して分析。その結果は膨大な資料として残されていますが、何よりも、“絶対音感”ならぬ“絶対味覚”とも言うべき舌が備わったのです。
そんな山内さんはある日、ショックな出来事に遭遇します。親子八百人に味覚調査を実施し、化学調味料と自然な調味料を使った味噌汁を食べてもらったところ、80%以上が化学調味料を「母の味」だと答えたのです。これを機に「自分の口で体に良いものを判別できる主婦を育てたい」と考え、食育体験講座を開くようになりました。
#chapter2
山内さんは講座で農薬や食品添加物に関する正しい知識や、害のない食べ方について教えていますが、多くの人が硝酸態窒素の残留量を見逃していると強調します。
硝酸態窒素とは農作物に肥料を与えることで生まれるもので、山内さんによると、残留量が高い食物の摂取は、酵素欠乏を起こすブルーベビー症候群や発がん性の問題が指摘されているのだとか。「無農薬の有機野菜であっても、硝酸態窒素の値が高いケースは注意が必要」だと警鐘を鳴らします。
「硝酸態窒素の残留量が高くなる原因は肥料の与えすぎによるものです。光合成で作られる糖と肥料が結びついてアミノ酸となり、それがうま味や美味しさになります。しかし、肥料が多すぎると結びつく糖が足りなくなり、硝酸態窒素だけが残る。そうすると数値が高くなってしまうわけです」
山内さんは実際に測定実験を披露。欧米では硝酸態窒素の基準が3000ppm未満と決められているそうですが、この日に計測した水菜は5800ppmを示し、「1万ppmまで上がることもありますよ」と厳しい表情。「こういった野菜は生で食べるべきではありません。必ず熱湯で15秒間湯がいてください」と教えてくれました。
「私が子供だった頃はこういった野菜を生では食べませんでした。ですが、いまは正しい食べ方をしていないため、体に影響を及ぼしているのです。そういった事実を家族の健康を守るために伝えていかなくてはなりません」
山内さんは、宣伝や情報があふれている時代にあって、それに惑わされないことが大切であり、「食に関して何を信じるべきか整理する時期に来ている」と語りました。
#chapter3
「売れるものではなく、売らなければいけないものを売りたい」という山内さんは、信頼を置いている全国の生産者から取り寄せた野菜や果物の宅配事業も行っており、安全性と美味しさに妥協しない農作物を届けています。
硝酸態窒素は3000ppm未満、放射性セシウムは国の基準の100ベクレルを大きく下回る4ベクレル以下のものだけを販売。残留農薬についても厳しい検査を実施しています。味については山内さんが食べて納得したものばかりで「甘みも、うま味も兼ね備えた逸品」ぞろいです。
平成二十五年から始めたこの宅配事業は口コミで評判が広がっており、二年間購入していた京都府のWさんからは、「孫娘が結婚十年目で子宝に恵まれた。土の味の野菜を食べさせて体質が変わったおかげだと思っています」と連絡を受けたことも。「自分にとって一番大切な人に送りたいという方が増えている。それが何よりも嬉しい」と山内さんは顔をほころばせていました。
これからも講座を続け、安心して美味しく食べられる食の真実を伝えていきたいと語る山内さん。「時間はかかりますが、今後も自分の口で本来の味が分かる人を一人ずつ育てていきます」と話していましたが、その言葉からは、日本の未来を食の面から変えていきたいという使命感が伝わってきました。
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Profile
家族の未来のために食の安全と美味しさを追求するプロ
山内外茂男プロ
フードアナリスト
有限会社土の味
これまでに約五万個の野菜や果物を取り寄せ、自ら食して調査を実施。そうやって培った経験値と味覚が何よりもの強み。分析は糖度や食感、香りなど多岐項目にわたっており、膨大なデータが体にインプットされている。
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