住まいのさまざまな部分を細部にまでこだわり再生させるプロ田中英雄

住まいのさまざまな部分を細部にまでこだわり再生させるプロ

田中英雄

工事内容の変更も可能な限り対応し、顧客が納得する仕上がりを目指す

　「お客さまからの『ありがとう』の言葉が一番の励み」と力強く語るのは、住まいのリフォーム、リノベーションを行う「スペースシステムズ」代表の田中英雄さん。一戸建て住宅や分譲マンションといった個人宅や、賃貸アパートなどの収益物件、店舗、オフィスと、年間2200案件を請け負っています。

　「当方では『かゆいところに手が届く』をモットーに掲げ、活動しています。着工後も『やっぱり、こうしたい。ああしたい』といったリクエストが出てきますから、内容変更についても、できるだけ応じています」

　柔軟に軌道修正できるように、工程についてこまめに確認してもらうことを心掛け、「お客さまに納得していただくことが大事。気になることがあれば、どんなことでもご相談ください」と呼び掛けます。

　顧客の声を細やかに反映し、「希望に限りなく近い完成度」を目指す田中さん。社名の「スペースシステムズ」には、隙間産業に携わるという意味を込めています。
　「『住空間にちなんだ名前なのか』とよく尋ねられます。そちらの方が格好良かったかもしれませんね」と笑います。

　拠点を置くのは、金沢本社と小松営業所の2カ所。県都・金沢市からの依頼が多数を占めますが、近年は不動産投資の一環で石川県内の物件を購入した首都圏からの問い合わせも多いとか。
　「30代、40代の方が当社のホームページを見てご連絡いただくケースが増えています。すでにFacebookやLINEを始めていますが、SNSを通じた情報発信をより一層強化して集客につなげたいですね」

外壁のリフォーム、思い出の品のインテリアへの活用など、住まいの再生工場として活躍

　田中さんのもとで手掛けるのは、優しい色合いのアイボリーを基調としたマンション、木目調の落ち着いたたたずまいのすし店など表情豊か。「目標は“再生工場”の異名を取ったプロ野球監督」と話す通り、衰えが目立つ建物を、上質で洗練された雰囲気へと生まれ変わらせています。

　「特にカバー工法による外壁のリフォームは当社の得意としているところです。下地まで傷んでしまっていると、塗装をしてもその場しのぎにしかならない場合があります。美観を保つため、サイディングボードやガルバリウム鋼板などの外壁材を張ると、古びた外観も、見違える美しさになりますよ」

　住宅の内装では、二つの部屋を一つにしたり、リビングボードなどの家具をオーダーメードしたり、顧客の暮らしに合わせて設計、施工。レジカウンターや棚の設置など、店舗づくりで培った技術を住まいに応用しています。
　「中でもお客さまに好評なのは、思い出の品をインテリアの一部としてよみがえらせること。最近では、お子さまが賞をもらったクローバーの工作を建具に落とし込んで子ども部屋に据え付け、喜ばれました。他にもダイニングテーブルを純和風の座卓に仕上げるなど、ご要望に応じてリメークしています」

　また、総合生活企業「木下グループ」とフランチャイズ契約を結び、同グループが開発した抗菌・抗ウイルスコーティング剤を施すサービスも開始。飲食店や高齢者施設、保育所など、感染が心配な場所で採用してほしいと言います。

「学歴に関係なく活躍したい」と創業し、不屈の精神で「三つの誓い」を達成

　田中さんが現在の道に進んだのは20代後半。それまでは配管工や業務用家具メーカーの営業などに従事していました。
　「学歴に関係なく活躍できる場を作りたくて、勤めを辞めて半ば思いつきで創業しました。元々休みなしで働くことが苦にならないので、忙しく過ごすことは性に合っていました。独立してからは、利益の出し方や、決定権を持つ人と交渉する重要性とそのノウハウなど、営業時代に学んだことが生きていますね」

　家具メーカーに勤務していた時、壁紙の販売店に出入りしたこともあり、最初はクロスを貼る仕事が中心。「満足のゆく工事ができなかったり、詐欺に遭ったりと、決して順風満帆ではありませんでした」と振り返ります。それでも不屈の精神で実績を積み、徐々に業務の範囲を広げていきました。

　独り立ちした当初、三つの誓いを立てたという田中さん。それは、収益物件の所有、事業の法人化、テレビコマーシャルの放映です。
　「不動産オーナーは2002年、法人成りは2005年頃にそれぞれ達成できました。CMを流すことができたのが2015年です。もっとも、自分で作詞・作曲したCMソングになるとは思いませんでしたがね」と笑顔を見せます。

　目標の一つであった物件は現在5件。今後は倍の10件まで増やし、さらなる経営の安定化を図り、地域に還元したいと言います。
　「あくまでも本業はリフォームとリノベーション。これからもさまざまなシーンで北陸の皆さまの住まいづくりをお手伝いしていきたいですね」

（取材年月：2022年8月）

「かゆいところに手が届く」リフォーム・リノベーション事業を展開

工事内容の変更も可能な限り対応し、顧客が納得する仕上がりを目指す

外壁のリフォーム、思い出の品のインテリアへの活用など、住まいの再生工場として活躍

「学歴に関係なく活躍したい」と創業し、不屈の精神で「三つの誓い」を達成

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