PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

JAS認定、ほんとうの有機栽培米を届けたい

環境と健康がよろこぶJAS有機栽培米のプロ

本多宗勝

本多宗勝 ほんだむねかつ
本多宗勝 ほんだむねかつ

#chapter1

環境や体のことを一番に考えた米づくりに情熱を注ぐ

「環境のこと、体のことを一番に考えたお米を作りたい」と、能美市で20年以上、JAS認定の有機栽培米に情熱を注いでいる人物がいます。それが「有限会社ほんだ」の本多宗勝さん。本多さんは“真の有機栽培”のプロです。

「有機栽培、無農薬栽培、オーガニック、減農薬…最近、食の安全・安心にまつわる言葉や表現が飛び交っています。お金を出してでも安全を買いたいけれど、どんな基準で何を選べば良いのかわからない。そう感じている消費者は多いのです」と語る本多さん。

本多さんが農場で生産する有機JAS(日本農林規格)認定の有機栽培米は、農林水産大臣が定める品質基準や表示基準に合格したもの。「現在、国内において『有機栽培米』と表示して良いのは、農林水産省が認めたこの有機JASマークがあるものだけ。このことがあまり知られていないのが現状」だと指摘します。

有機JAS認定に合格するためには「3年以上、農薬や化学肥料を使っていないほ場で育てられた米であること」など、厳密な規定をクリアする必要があります。認定後も、栽培法が適しているかなど調査を毎年受けなければ認定の継続はできません。

食べる人の安心、安全が第三者によって認められ、更新されるお米。これこそが、「ほんだ」の有機栽培米の強み。JASに裏付けされた安心・安全のおいしさは、妊婦さんや小さい子供がいる母親、アトピーやアレルギー体質の方、高齢者といった、健康に気を使う幅広い人たちに支持されています。

#chapter2

2ヘクタールの小さな田んぼで生まれる、大きな安心とおいしさ

霊峰白山の雪解け水を集めて流れる手取川。それが運んだ肥沃な土壌が広がる能美市小長野。この地で、室町時代から農業を営んできた「ほんだ」。農家の長男として生まれた本多さんが有機栽培米と出会ったのは高校生の時でした。

「時代は高度経済成長期。ほんだ農場も、たくさん作るために農薬や化学肥料を多く使う、いわゆる『慣行農業』を行っていました。公害が社会問題になっていた頃で、さまざまな本を読んでは残留農薬や環境問題について知識を深めました」

東京農業大学に進んだ本多さんは、留学先のアメリカ・カリフォルニアで有機農業をはじめとする最先端の農業と出会います。「これからは量よりも、良いもの、安全なものが求められる。農業を変えていかなければ」と痛感し、有機栽培米の道を模索し始めます。平成8年、無農薬・有機栽培の米づくりを開始。試行錯誤を経て同12年には県内初の有機JASマークを取得。現在は息子たちと一緒に家族で生産に取り組んでいます。

「ほんだ」の有機米づくりは、健康と環境に配慮した「EM農法」が中心。EMとは有用微生物群を使った自然農法で、有用微生物の働きにより発酵した養分が土を元気にするというもの。化学肥料や農薬を使用しなくても、害虫や病気知らずの豊かな作物が育ちます。

農薬を使わないJAS有機栽培で一番苦労したのは、雑草との戦い。同農場では「紙マルチ農法」を採用し、田んぼに紙を敷き初期の雑草を抑制することで、雑草に負けない稲を育成。生えてきた雑草は除草機で取り除きます。人の労力がかかるため、2ヘクタールと収量は少なめですが、小さな田んぼで大きなおいしさを丁寧に作っています。

本多宗勝 ほんだむねかつ

#chapter3

20数年間、ずっと有機栽培米を予約するリピーターも

「ほんだ」の有機栽培米はホームページから購入でき、全国に愛用者がいます。中でもすぐ売り切れてしまうのは、有機栽培天日干しのコシヒカリ。「天日干しはコンバインでなく歩行用バインダーで刈り倒した稲を、日光のもとでゆっくりと地干しします。数日間かかる作業はすべて手仕事。太陽を浴びて旨味がぐんと増したお米は本当においしいんですよ」。

中には20数年、毎年予約をしてくださるリピーターも。「少量しか作れないし、手間暇もかかりますが、その分だけ、食べる人にたくさんの笑顔を届けられると信じています。『体の調子が良くなった』『子供のアトピーや食のアレルギーが改善された』といった声が届くと、有機栽培をやっていて一番のやりがいを感じますね」。今では本多さんの思いに共感する仲間が少しずつ増え、有機米づくりの輪が広がっています。

信条は、とにかく体にいいもの、そして、おいしいものをつくること。「仕事が趣味と言ってもいいほど農業一筋の人生ですが、最近は北國街道を歩くのが楽しみ。76歳でも医者いらず、長距離を歩けるのは有機栽培米を食べてきたおかげかもしれませんね」とにっこり。人と環境にやさしい、本物の安心とおいしさを届けるため、本多さんはこれからも、その歩みを止めることはありません。

(取材年月:2020年4月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

本多宗勝

環境と健康がよろこぶJAS有機栽培米のプロ

本多宗勝プロ

有限会社ほんだ

JAS(日本農林規格)に認証された農薬、化学肥料を使わない有機栽培に25年以上取り組んでいる。毎年の調査に合格して認証継続している。有用微生物EM菌を利用した環境と健康に良い栽培が強み。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ石川に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または北陸放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO